映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

青春デンデケデケデケ  大林宣彦

2010-02-11 17:56:25 | 映画(日本 1989年以降)
92年の大林宣彦監督の青春ドラマである。四国香川の西にある観音寺市を舞台に、1965年から3年間高校生バンドが成長していく姿をやさしく描く。さわやかな感触だ。



1964年の香川県観音寺、高校教員の息子である主人公はラジオを聞いていて、ベンチャーズ「パイプライン」のエレキギターに背筋がゾクッとした。革命的なギターサウンズに魅せられてしまったのだ。高校にはいると音楽好きの3人の仲間とバンドを作る。寺の跡継ぎのベース、魚屋の息子のリードギター、ブラスバンドで打楽器をたたいていた男のドラムスと一緒である。4人はバンドに必要な資金をバイトでためようとするが。。。。

高校生が主演なので、演技に大きい期待はしていない。青春映画の特有の全体に流れるムードに期待してみた。原作どおり観音寺という四国の田舎町をロケ地に選んだのは成功だったと思う。ここは大林監督の出身地で「尾道3部作」を生んだ尾道の町のような情緒があるわけではない。海がそばにあるだけの普通の田舎町で、街並みや商店の並びもいかにも一時代前の日本の田舎町だ。普通の町に流れる空気が青春映画としてのムードを盛り上げている。

ヒロインに準ずる女性たちも出てくるが、男女間の関係は一歩進んでいかない。このうぶさがさわやかだ。60年代半ばに普通の高校生が歩んできた青春の匂いがする。
これがいい!!
コメント (1)
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