goo blog サービス終了のお知らせ 

映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

イントゥ・ザ・ワイルド ショーン・ペン

2009-12-09 17:48:37 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
オスカー俳優ショーンペンがメガホンをとった昨年の作品。ロードムービーの色彩である。幅広くアメリカ国内をロケして、主人公の出会いを描いていく。風景をとらえる撮影がよく、ほのぼのとした気分にさせられる傑作だ。

主人公はアトランタの大学を優秀な成績で卒業したばかりである。別に暮らす父母と妹がいる。家族の関係は比較的複雑で、主人公はこれまで妹と一緒に父母の関係を悩んでいた。ハーバードの法科大学院にもいける成績だったが、学費を寄付して、一人車で放浪の旅に出る。ところが、鉄砲水を浴びてしまい車が立ち往生。彼は歩いて無一文のヒッチハイクの旅に出る。そこで出会うのは、夫婦関係が破綻に向かっていた夫婦や大平原で農家を営む男など。そういう出会いを繰り返しながら、アメリカ大陸を少しずつ移動していくが。。。。。

奇才デイヴィッド・リンチ監督に一つだけ異色のロードムービーがある。「ストレイト・ストーリー」である。兄が倒れた一報を聞き、500km以上はなれた場所にトラクターで向かう話である。全編に流れるのはほのぼのとしたムード。向かう間にいろんな出来事にあう。その映画を思い出した。

家庭環境が複雑なのは少しずつ説明していくが、何で一人で放浪するのかというのは正直分かりにくい。それでも、方々で出会う人たちとのやり取りはなかなかユニークだ。貨物列車にかくれ乗ったり、浮浪者向きの宿に入ったりするなど細かいエピソードもたくさん伝えている。その中でアメリカの美しい風景を映しつつ、心に残る出会いを描く。
これだけのロケ地の候補を探すだけでも、かなりたいへんだったのではないか?10年の構想というが、まずはカメラ映りの良い場所選びで相当時間がかかったと思われる。しかもそのショットが非常によい。撮影は誰かと思わず調べた。エリック・ゴーティエというフランス人である。わざわざ連れて来たのもショーン・ペンが評価したからであろう。なるほどチェ・ゲバラの若いときを描いたロードムービー「モーターサイクルダイアリー」の撮影担当だった。そう聞くと納得した。

ショーン・ペンというとシリアス物を想像してしまう。これもそうだが、ちょっとタッチが違う。心理的に考えさせられる所もある。でもこの映画に限ってはそういう鑑賞法は不要だと思う。難しく考えない方が良い。デイヴィッドリンチ同様、一回こういうロードムービーを作ってみたかったんだろう。これだけいろんな場所をまわって歩くのも楽しかったであろう。

予想以上の傑作であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フロスト×ニクソン

2009-11-11 10:43:26 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
リチャード・ニクソン大統領ということでは、ウォーターゲート事件による辞任だけでなく、電光石火のような中国訪問での毛沢東との会談やドルの固定相場からの転換など数多くの業績を思い起こさせる。でも、個人的に一番印象に残るのは1972年大相撲で高見山が初優勝したときに、ニクソン大統領からの祝電が届いたときに館内が騒然としたことである。アメリカ大統領という存在は今以上に雲の上の存在だった。そんな偉い人が日本の一力士を見つめているということがなぜか子供心にうれしかった気がする。当時その祝電を日本人がみんな喜んだと思う。

そのニクソンがウォーターゲート事件で失脚したあと、英国のテレビショーの司会者デイヴィッド・フロストのインタビューに応じて二人が対談することを、事前の準備から終わるまで周囲の動きを取り混ぜて描く傑作である。120分間飽きさせることがなくつくられているのはさすがロン・ハワード監督の手腕というべきであろう。

デイヴィッド・フロストは英国のテレビで活躍するコメディアン出身の司会者であった。その彼がリチャードニクソン大統領とのテレビインタビューの企画でアメリカ進出を図ろうとしていた。ところが、アメリカ3大ネットワークを始めとしてメディアはそのインタビューにスポンサーになろうとしなかった。それでも、その企画を実現しようと自腹を切って、前金の小切手を切る。ニクソンの秘書ケビンベーコンは、内容の精査をはかり、みんなが聞きたがっているウォーターゲートの話は4回のうち1回にしてあとはそれまでの実績に焦点をあてようとするが、そこでフロスト側との葛藤が生まれる。。。。。

ストーリーのテンポがスピーディでいい。役者をそろえているので、安心してみていられる。フロスト役のマイケルシーンが安定しているだけでなく、ニクソン役もうまい。ただ、ちょっとよれよれに見えるのが違うような気がする。ケビンベーコンのニクソン秘書役は適役だし、フロストの恋人を演じるレベッカホールもキュートで良い。
見ものは3回の討論を終えた後からである。二人の育ちに関する話とかがわかる対話から展開が急激に面白くなっていく。ロン・ハワードはこういう作品を作らせると実にうまい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イエスマン  ジム・キャリー

2009-11-09 20:54:19 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
ジムキャリーらしいコメディ小品。どんなことでも「イエス」といい続けるという話の内容が気になり観た。どうってことないが、うだつの上がらない男がある転機で変わっていく姿は興味深い。

ジムキャリーは銀行員。わずかな結婚生活で別れた女性がいたが、今は一人。前の妻への未練がある。新しい恋に進もうとしてもうまくいかない。銀行では融資の申込を受ける係だ。ほとんど「ダメ」といい続けている。そんな彼がひょんなきっかけで参加したのが、「YES」という言葉を言い続けていこうとする一種新興宗教じみた自己啓発セミナー。初めて参加した彼はその教祖のような男が話すことに、「NO」を連発するが、参加者は彼に対して「NO MAN」とつるし上げにしようとする。参加後も良いことがない彼は、きっと自分は「NO」といい続けているからダメなんだと感じて、方向変換を図りはじめる。そうすると今までと違ったことが起き始める。。。。

ジムキャリーの映画って不思議系の映画が多い。今回も同様である。「YES」といい続けることで、いろんなことが変わっていった。融資の申し込みも「拒絶」がほとんどだったのが、「受諾」するようになる。でもそれはほとんど小口で貸し倒れのリスクがないものがほとんどだと会社に究極的に評価される話はおもしろい。

できれば人生「受諾」で全ていきたいところだが、そうもいかないこともある。仕事でも相手のオーダーが予算とまったく一致しないことはしょっちゅうある。そういうときに「否定」から入るのか「肯定」から入るのかは難しい。商売の永遠の課題だと思う。それでもある程度は「肯定」から入るべきなのかをこの映画を観ながら感じた。

韓国語を習得したり、かなりリスクのあるアクションに挑戦したり体当たりの演技を見せるジムキャリーには脱帽

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベンジャミン・バトン  ブラッド・ピット

2009-10-22 21:07:14 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
ブラットピット主演作品。生まれたときから死ぬまで、普通の人と反対の年のとり方をする。「テルマ&ルイーズ」のころの若い風貌から、きついメークの年寄りの姿まで演じる。ストーリーにこれといったおもしろさはなく、暇つぶしに見る映画といった印象。

死ぬ間際の元妻ケイト・ブランシエットの回想シーンからはじまる。
横で娘がブラットピットの昔の日記を読み込む。
ブラットは第一次大戦の後1918年ボタン製造の金持ちの家に生まれる。生まれると同時に母親は死ぬ。子を取り上げた父親はあまりの奇形に捨て子にしてしまう。黒人の夫婦に拾われる。そこは一種の老人施設であった。周りの老人たちと比べてもおかしくない風貌であった。そこで元妻ケイトと知り合う。そのまま生涯の付き合いとなるが、単なる幼馴染であった。
もともと老人的な衰えで歩けないのが、成長していく彼は、次第に歩けるようになっていく。少しづつ若返っていくようだ。何気ないきっかけで船会社で人を雇っているのをみて、働くことになる。
17歳のとき育った家を出て行くが。。。。

時計軸を全く正反対にする。生まれた後の1920年代のアメリカの映像はいつもながら美術がしっかりしている。日本でここまで戦前の風景を映像化することは困難ではなかろうか?やはり古い住宅が残っていることが日本と違うところだ。1900年代前半でも住宅のレベルは高い。

ブラットピットはかなりの若作りまでする。ケイトは一瞬彼女とわからないくらいの若い姿を見せる。二人とも思い切り変身する。性格の背景も良くわかりやすい。
でもすごいと思わせるところあまりないなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワルキューレ  トム・クルーズ

2009-10-17 20:50:25 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
第二次世界大戦のドイツ軍、連合軍やソ連軍に劣勢となったころ時の総統ヒトラーの暗殺計画を企てた大佐がいた。その暗殺計画の首謀者の話をトム・クルーズ主演で描く。実話に基づくらしい。

アフリカ戦線で敵からの空中戦に車で爆撃を受けて片手ともう一方の片手の指と片目を失ったトム・クルーズ大佐。彼は軍の幹部とヒトラー暗殺計画で軍の勢力を把握しようと試みる。

どうもドイツの長ったらしい名前は苦手だ。大学もフランス語選択だったので、ドイツ語のなじみが薄い。その覚えにくい名前とあわせて、こっそり暗殺計画を立てているので、こそこそした動きでストーリーの大意がわかりにくかった。
いきなり戦闘場面が出てきて、トムクルーズ大佐が爆撃で負傷する場面が出てくる。ここはかなりリアルな戦闘場面だが、その後はそういうシーンは出てこない。ヒトラー暗殺計画の実行まではテンポがゆるく、だらけるような気がした。
ドイツの話なのに英語で展開する不自然さをドイツ人はどうとらえるのであろうかと思った。
実際の主人公シュタウフェンベルク大佐はヒトラーが写っている写真の左端の190cmを超える長身の男性で、トムは逆なので遺族も不自然に思ったであろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザ・クリーナー サミュエル・L・ジャクソン

2009-10-10 21:04:11 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリスの2大男優にセクシー度№1のエヴァ・メンデスが絡むアクション物?サミュエルは殺された死体を始末して、部屋をきれいにする仕事をしている元警察官の掃除屋を演じる。

サミュエルは室内清掃の仕事を請け負っているが、実際には警察からの依頼で殺人事件の後始末で部屋を掃除する仕事をやっている。血だらけになっている地獄絵のような部屋を掃除するわけである。元警察官で、娘と二人で暮らしている。
いつものように警察からの依頼を受け、高級邸宅に向かう。そしていつものように銃撃された跡始末をする。ところが、翌日その邸宅に鍵を返しに行くと、その邸宅の住人エヴァ・メンデスは何で来たのかときょとんとした顔である。依頼書をよく見ると名前が違っていて、担当警察官は実在しなかった。やがてその邸宅の主人が行方不明になっていることがわかるが。。。。。

ストーリーの概略に書かなかったが、このほかにエド・ハリス演じる刑事とサミュエルの娘の黒人少女が重要な役割を演じる。黒人少女はローレンスフィッシュバーン主役の「ドリームカムトゥルー」で英語スペル大会の全米チャンピオンになった女の子である。引き続き好演である。もしかして大女優になるかもしれない素質を持つ。エドハリスは「ヒストリーオブヴァイオレンス」や他作品の狂気じみたえげつなさがここではない。主人公の元同僚の刑事を演じる。しかし途中で急展開を見せる。

こういう職業ってあるんだなあと思う。映画「おくりびと」で葬儀屋につとめた本木が山崎努社長に言われて、死体の始末に最初に行く場面を思い出した。本木があまりのえげつなさに吐きまくっているシーンだ。それを思い出す。主人公はマスクをして、死体にからみつくウイルスや殺菌消毒を最初にして、特殊洗剤で部屋の中を掃除していく。アメリカで実際にある仕事だそうだが、1回10万は最低もらわないと割が合わないだろうなあ。人のやらない汚いことをすれば儲かるということだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェイクシティ キアヌ・リーブス

2009-09-22 16:56:24 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
キアヌ・リーブスがロス市警の特捜刑事を演じる。「LAコンフィデンシャル」「ブラックダリア」同様ロス市警の暗部に触れていく。

キアヌリーブスはロス市警の特捜刑事。強引な捜査手法だが、極悪犯人の検挙では実績がある。彼の上司の黒人警部フォレスト・ウィテカーはキアヌの実績によって、警視に昇進していた。しかし、キアヌにはネタミも出ていて、元コンビを組んだ黒人刑事がキアヌ刑事を警察の内部監督部署に垂れ込んでいて強引な捜査であることをちくっていた。その話を聞いたキアヌは怒り、黒人刑事を痛みつけてやろうとして、彼の後を追って、スーパーに入る。ところがその時、2人の武装強盗がスーパーに押し入り、黒人刑事は強盗に撃たれてしまう。キアヌはそばにいたことで、周りから疑いの目で見られるようになるが。。。

この後のストーリー展開は、素直に進まず意外な方向へと進んでいく。どちらが味方なのかわからない展開で脚本にうまみを感じる。監督は「トレーニングデイ」の脚本を書いたデヴィッドエアーだ。あの映画でもロス市警の暗部に立ち入っていた。デンゼルワシントンが珍しく悪役刑事を好演した。この映画でも「トレーニングデイ」でみたことのあるラテン系のエリアが出てきた。 夜のロスはかっこいい反面、本当に怖いところだ。

それにしても、何でこうもロス市警の恥部が繰り返し映画化されるのであろう。「LAコンフィデンシャル」にしても「ブラックダリア」にしても二次大戦前の話である。過去にそうだったというなら話は別だが、この映画にしても「トレーニングデイ」にしても現代が舞台だ。おとり捜査による麻薬組織への侵入というものの存在は恐ろしい。ひやひやする話だ。裏の恐ろしさが怖くてロスには行けない気がしてくる。
キアヌリーブスはものすごく怒りっぽい刑事を演じる。刑事仲間ともケンカの繰り返し。ロス市警の中はこんなにぴりぴりしたムードなのであろうか?日本の仲良し軍団とは違うムードを感じる。キアヌの恋人役を演じるマーサ・ヒガレダはメキシコ美人。ちょっぴり「スピード」のときの相棒サンドラブロックに似ている気がする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レボリューショナリーロード  レオナルド・ディカプリオ

2009-09-21 07:26:34 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)

「タイタニック」から10年たって成長したレオナルドディカプリオとケイトウィンスレットの主人公二人が再度共演する夫婦の物語である。50年代のよきアメリカのホームドラマ風から、徐々にストーリーに起伏を与えていく。

あるパーティで知り合って結ばれたレオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット夫妻。キャシーベイツ扮する不動産屋の案内で、レヴォリューショナリーロードという住宅街にホワイトサイディングの外壁の家を購入して暮らしていた。レオナルドは普通のサラリーマン、ケイトは女優である。それぞれが仕事の悩みを抱えている中、以前パリにいたことのあるレオナルドの写真を見て、精神的安らぎを求めてパリに移住しないかとケイトは提案する。レオナルドは熟慮の上それを受け入れる。ところが、パリ行きの船の切符も手に入れて、準備も進んでいるときに、ケイトは妊娠してしまったことに気づく。。。。

レオナルドとケイトの夫婦としての愛情の交し合いが、この映画のテーマ。大喧嘩をしたり、暖かく旦那さんのバースデイを祝ってあげたりいろんな場面が出てくる。こういう夫婦間の感情は万国変わらないものであろう。似たような世界が身近にあるように感じられた。しかし、最終に向かっての展開はちょっとせつない。

ケイトウィンスレットが女優として一番のっている時なのか、非常によくなっている気がする。この映画ではヘビースモーカーで片時もタバコを離さない姿が印象的。感情の激しい女性を巧みに演じていた。オスカー女優キャシーベイツの存在も貴重で、彼の息子役の精神的に問題ある男性とレオナルドとのやり取りもこの映画のポイントだ。

「アメリカン・ビューティ」「ロード・トゥ・パーディション」などサムメンデス監督の作品って独特のどんよりしたムードがある。いずれも一時代前のアメリカを描く。「ペイトンプレイス物語」や「アラバマ物語」のようなオーソドックスなアメリカホームドラマスタイルで始めながらも、途中から強い変化を与えていく手法はすごい。サムメンデスの他の作品でも、美術がよかったが、ここでもアメリカらしい家のインテリアがすごくいい。またディカプリオのオフィスの様子もリアルで、ビーバップからロック創生にいたるころの音楽が鳴り響くクラブの様子もすごく素敵だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンダーカヴァー  ホアキン・フェニックス

2009-09-13 06:51:04 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)

ニューヨークを舞台にした麻薬潜伏捜査モノの一種。最近でもオスカー作品「ディパーテッド」ほか似たような作品がいくつかある。主演級になりつつあるホアキン・フェニックスとマーク・ウォールバーグが兄弟を演じて、セクシー度ナンバー1のエヴァメンデスが色を添え、大ベテランロバートデュバルが脇を固める。派手なカーアクションも混ぜながら、進んでいく。

1988年父ロバート・デュバルが警察の署長、兄マーク・ウォールバーグがエリート警部という家庭を飛び出した弟ホアキン・フェニックスは、名前を変えて、ブルックリンのクラブのマネジャーをしている。お色気ムンムンのエヴァ・メンデスが彼女だ。あるとき兄の昇進祝いに招かれた弟は警察が近くロシアマフィアの麻薬ルートにメスが入る話を父と兄から聞く。裏社会に生きる弟に注意が与えられる。ロシアマフィアは普段お店の関係者として付き合っている連中だ。ところが、兄マークは弟の店にがさ入れに入る。弟と黒幕の下っ端が捕らえられる。弟はすぐ釈放されるが、警部の兄は自宅に帰る途中マフィアから銃弾を撃ち込まれる。。。

この後立場が二転三転する。定石どおり、どっちがが味方でどっちが敵だかわからないようにしている。マークウォルバーグが死に損ないの重傷を負うだけでなく、弟も大けがをする。ストーリーは比較的わかりやすい。アメリカ映画では、イタリアかロシアのどちらかのマフィアが標的になることが多い。ストーリーがわかりやすい反面「ディパーテッド」に比べるともう一捻りに欠ける。
主人公が任されているブルックリンのクラブはなかなか良い雰囲気だ。ディスコのように踊れる場所もあるが、ショーもやっていてなかなか楽しそう。88年というと日本でいえばバブルの絶頂。アメリカ映画で意外にこの時代の設定の映画って少ない。美術がよくこの時代を表現していていると思う。同時にこういう店があればいってみたい。

ホアキン・フェニックス「ウォークザライン」のジョニーキャッシュ役が非常によかった。オスカー受賞の妻役のリースウィザースプーンよりもはるかに光っていた気がする。ここでも裏社会に身を落としている主役を巧みに演じる。
マーク・ウォールバーグ「ディパーテッド」でも性格の悪い、癇癪もちの刑事を演じた。あの作品での激しさと比較すると、若干おとなしくまとまっていて、物足りない。でも最近はこういうタイプの刑事が実際に多い気がする。

エヴァメンデスはここでも開始早々の色気ムンムンのシーンで男たちをとりこにする。普通に健康的な男であれば、彼女のセクシーさにはまいってしまうはずだろう。自分もその一人である。正直この映画を観ようと思ったのも、彼女が出ているからだ。「トレーニング・デイ」で不良刑事デンゼルワシントンの恋人役を演じた。ラテン系でかっこいいなあと思った後、「タイムリミット」でもう一度デンゼルの相手役を演じた。同じ女性と二度の共演とはデンゼルワシントンには珍しい。「タイムリミット」のラストシーンで二人は唇を交わしている。黒人であるデンゼルワシントンは黒人社会への影響を考え、ジュリアロバーツとのキスシーンを断ったといわれている。(信じられない!)そんな彼もラテン系の彼女ならいいのか?まじめ男デンゼル・ワシントンもエヴァ・メンデスの強烈なセクシーさにまいったというのが本音であろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

007慰めの報酬 ダニエルクレイグ

2009-09-09 20:53:25 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
007の新作。強烈なアクションの連続を6カ国にわたって繰り広げる。ストーリーがちょっとわかりづらい。アストンマーチンのカーチェイスがいきなり画面に飛び込んできて、エンジンが最初からかかっていっていく。スリリングである。アクションがワイルドなのでダニエル・クレイグも大けがしなかったのかな?

007にしては106分と時間が短い。簡潔にまとめようとしているのがわかる。世界旅行を楽しんでいる錯覚にさせるほど、いろんな国を回る。
イタリアのシエナ、ハイチの海岸のシーンが印象的だ。特に陶器瓦の家並みが美しいシエナのシーンでは町の草競馬のシーンが映る。これがかなり荒っぽいレースで見ごたえがある。屋根を伝わっての追跡シーンもすごい。
ハイチの海岸では、義経の八艘飛びのようにボンドが船を飛び回った後で、モーターボートをかなり強引に競わせる。ボンドガールは日焼けしてエキゾチックだ。

画像的にはいろんな国を周っているだけあって、非常に美しい。撮影もうまいと思う。パーティのシーンもいかにも外国のハイソな匂いがしていいと思う。

ただ、ストーリーが今一歩わかりづらいかな?解説を読んでそういうことかと思うこともある。Mであるジュディ・ディンチがいつもより登場する気がする。007が人を殺しすぎて、それを止めようとするMの動きがあるからだが、いつもとちょっと違う気がする。前作の方がよかったかも??
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HACHI  リチャード・ギア

2009-08-26 18:00:44 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
目があと一歩で全快に近く、娘と「HACHI 約束の犬」を見てきました。。有名すぎるくらいの話を外国でどう料理するのかと思っていた。主人公の犬はもちろん好演。その犬がリチャードギアにすごくなついていて、さぞかしリチャードはご機嫌だったのではと思わされた。周りは女性がほとんどで、クライマックスが近づくとハンカチを持つ手が動く感じがした

この話ばかりはみんな知っているから、多少のネタばれは仕方ないであろう。設定はアメリカ東部?のある小さな町に住む大学教授リチャードギアが、持ち主に輸送中の秋田犬がはぐれてしまったのに駅で出くわす。駅で預かってもらおうとしたら断られ、まわりの数人に頼んでもダメなので家に連れて行く。ところが、リチャード家では飼い犬が死んだばかりなので、妻は嫌がる。しかし、ほかに飼い主が現れない。やがてハチはリチャードになついていく。そして、庭先の小屋から通勤のリチャードについていこうとする。リチャードが追い返してとりあえず帰っても、電車の帰りのころまた迎えに行く。そしてそれが習慣となるが。。。。

いいロケ地を選んだ。渋谷のように雑踏ではなく、郊外の人の乗り降りが少ない駅だ。こういう方がいい。極端に言えば、今の渋谷ならハチ公の物語はできなかったと思われる。駅員さん、駅前のコーヒースタンドやドラッグストアの人たちもみんな顔見知りの設定。ハチがニューヨークヤンキースを好きなようだというリチャードギアのセリフがあるので、ニュージャージーかハドソン川を下ったニューヨーク州あたりか?昔の日本の下町のように人と人のつながりがある印象で、いい設定だ。

資料を見ると、実際のハチ公の飼い主の家は今の東急本店あたりにあったらしい。松濤の手前か?駅に行くにはちょうどいい距離だったのであろう。小学校低学年のときに、授業でハチ公の話が出たのはもう40年を超えるけどよく覚えている。先生が渋谷のハチ公の話をしたときに、誰かこの話を知っている人といったらH君が手を上げてストーリーを語った。その時初めて知った。まさしく忠犬なんだなと幼心に感じた。
40年前の渋谷は今のギャルの町ではなかった。昼はともかく夜になるとサングラスをした怖いお兄さんがたくさん歩いていた。父とよく行った。行き始めのころは今の西武デパートのところは映画館だった。その時父がこれがハチ公だと教えてくれた。授業で話を聞く前である。それから長い間ハチ公にはずいぶんとお世話になった。私の歴代の彼女の顔もハチ公はみんな覚えているに違いない。あの像とともに生きてきた気がする。
そんな訳でこの映画はぜひ見たいと思っていた。結末がわかっていながらもその話を見たいというのは水戸黄門的か?それでも見てよかった!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ああ結婚生活  クリスクーパー

2009-08-25 19:15:27 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
倦怠期の中年夫婦クリスクーパー、パトリシアクラークソンと夫の友人ピアースブロスナン、愛人との関係をつづった小品。短編小説を読んでいる気分でみるといいのかもしれない。わかりやすい英語で途中から英語字幕のみで見たけど大丈夫だ

クリスクーパーは社会的地位と家族にも恵まれた中年男性。彼には若き愛人がいる。そんな若き愛人を子供のときからの親友のピアースブロスナンにも紹介していた。一方クリスクーパーの妻パトリシアクラークソンも若い男と密かに浮気をしている。それをピアースに観られてしまう。ピアースは両方の浮気にあきれる。それぞれ内密にするが、クリスの愛人の女性に関心を持ちはじめる。。。。

クリスクーパーが主演。しかし彼はもともと脇役のキャラなので、どうしても相方のほうを引き立ててしまう。そこでよく見えるのが妻役パトリシア・クラークソン。彼女は実際は49歳で意外に若い。50過ぎに見える役が多い。割と彼女の出ている作品は見ることが多い。ここではスリップ姿が多く、若い男性との浮気がばれる場面は奇妙だ。味のある中年女性を演じると、なかなかうまい。愛人役のブロンドの女性はちょっと好みじゃないせいか心奪われない。でもこの手の話はよくある話だ。

渡辺淳一の小説を読んでいるような軽さで、暇つぶしに見るような映画かなあ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マンデラの名もなき看守  ジョセフ・ファインズ

2009-07-21 06:28:34 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
中学高校と地理歴史の時間に、世界の中で人種差別政策を改めない非情な国がまだ残っていると教えられた。南アフリカのことである。そんな南アフリカが人種差別政策を改めるきっかけを作ったナショナリズムの指導者ネルソン・マンデラの刑務所生活と看守との逸話を描いた作品。難解な作品ではなく、人情味あふれる傑作である。

ジョセフ・ファインズは南アフリカの刑務所看守。1968年に孤島の監獄島であるロベン島に着任する。アフリカの現地語を知る彼は検閲部に所属する。そこには黒人反抗勢力のリーダーであるネルソン・マンデラがいた。配属の際、政府情報部より黒人たちの動きに注意して報告するように言われていた。たびたび検閲にて反抗勢力による武力闘争の動きを察知して、情報部に報告して昇格していた。しかし、子供のころ黒人の仲間とアフリカ風チャンバラで遊んだ彼は現地人に対する違う思いがあった。ジョセフはマンデラの味方もして、彼から妻へのクリスマスプレゼントのチョコを面談に訪れたマンデラの妻に密かに渡すが、それが知れて大きな問題に。。。。

このあと味方と敵が入り乱れる。ジョセフ看守は黒人寄りとされ立場が悪くなる。妻であるダイアン・クルーガーも村八分にされる。黒人反抗勢力と右翼勢力の対立に加えて、政府の体制変化に伴うマンデラへの待遇変化もあり、次々動きが変わっていく。それを急がず、主要な変化をじっくり語っていくので安心して飽きずにみていられた

ジョセフファインズは90年代最後に「エリザベス」「恋に落ちたシェイクスピア」というオスカー作品で有名になった。しかも兄は「イングリッシュペイシェント」のレイフファインズだ。しかし、彼は映画よりも舞台を選んだ。それが彼のすごいところ。実力派である。
ジョセフの妻役ダイアンクルーガーも存在感があった。夫の出世を願って、上司の妻たちに取り入ろうとする姿。その後黒人びいきと夫が村八分になって自分もまわりに無視される姿。その後も含めて非常によかった。顔がナタリーポートマンに似ている気がする。
マンデラ役デニス・ヘイスバードがよかった。おそらくアフリカ育ちで大学をでて弁護士になるというマンデラの存在は現地では超エリートだったと思う。大暴れするのではなく、どっしり構えて落ち着いて物事を判断する物腰である。そういう姿がわかるようにうまく演じていた。時の政府はアパルトヘイト政策は継続するが、マンデラについては彼を殺せば、周りの反抗勢力がもっと大暴れするであろうという推測の元に、生かさず殺さずの監獄生活を送らせていた。その政府の動きは、太平洋戦争後、天皇を戦犯として裁いたら日本中が大暴れするであろうというマッカーサーの推測の元に天皇を守ったという動きにだぶるものがあった。

南アフリカを映す映画では「ツォツイ」を見たことがある。今回世界遺産である監獄島ロベン島を中心に、美しい風景を映し出していた。特に山がきれいな国だという印象を受けた。大昔バスコ・ダ・ガマ喜望峰を通ってインドに航海したとき、あの美しい山を見て感動したのであろうなあと感じた。
見てよかった映画であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワールド・オブ・ライズ  デカプリオ

2009-07-14 19:40:42 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)

リドリースコット監督で、常連のラッセルクロウに加えてレオナルド・デカプリオの登場。これは見ごたえありそうと勇んでみた。10000M以上の高所からハイテク機器で地上の人間を探索する「グーグル・アース」がリアルになった世界だ。しかし、中東の映画はどうも肌に合わない。もやもやしながら見終わる。デカプリオは好演だったと思うけど。。。

CIAの諜報部員レオナルドデカプリオは、中東ヨルダンでテロ組織のリーダーを捕まえようと画策している。その上司ラッセルクロウはCIAの本部で彼ら諜報員を操作している。デカプリオは同じようにテロのリーダーを捕まえようとする地元の諜報組織のリーダーとも共謀する。ストーリーは「うなぎの手づかみしようとして悪戦苦闘する人」のようにあたふたするが。。。。

ビン・ラディンがなかなかつかまらない。これだけハイテクな世界でなぜ?と思っている方には、その謎解きのいいヒントになる映画だ。現代の最先端ハイテク兵器も出ているが、それをかいくぐって逃げまくれる土壌がまだまだ中東諸国にはあるというのがわかる。
でもあわないなあ?すべての映画でベストワンを「アラビアのロレンス」とする自分からみて、現代中東舞台の映画はなぜかあわない。これだけは相性だから仕方がない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイアンマン

2009-06-17 22:38:08 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
アメコミ映画。スター俳優勢ぞろいでオチャラケタ話を盛り上げる。

軍事産業の社長ロバートダウニーjrは幼いころから天才としてならしており、MITを17歳で卒業して父親の後を継いだ。米軍の大佐テレンスハワードは主人公の親友。彼と一緒にアフガニスタンに行き、最新兵器のデモを一緒に見る。ところが、主人公は現地のゲリラに捉えられてしまう。ゲリラのアジトに行き、そこで新兵器を作るように命令される。しかし、主人公はロボットを作り、ゲリラのアジトから脱出する。アメリカに凱旋してもどって記者会見をおこなう。そこで主人公は「もう兵器は作らない。」といってしまい重役ジェフブリッジスはあわてるが。。。。
マグマ大使と鉄人28号を思わせるようなロボットである。話自体はばかげた話である。
グウィネスパルトロウは主人公の秘書役。いつもどおりの落ち着いた声がいい感じ。しっとりしている。軍事兵器の会社の番頭さんジェフブリッジスは禿げちゃったのかな?頭はスキンヘッド「シービスケット」のときはカツラだったのかな?名作「ラストショー」の若き日の姿から、「カリブの熱い夜」のベタベタのラブシーンが目に浮かぶ。好きな俳優だ。テレンスハワードは若い黒人の中心俳優。「クラッシュ」あたりからかなりメジャーになった。デンゼルワシントンがやらないような黒人の役がみんな彼に回っている気がする。 3人好きな俳優が出ていて、安心してみていられた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする