ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

ドイツ農家滞在2

2004-08-24 00:00:00 | ドイツ・ドイツ

ペンションのオーナー夫人の饒舌ぶりは、あっけにとられるものだったのである。

チューリンゲン州は、旧東ドイツである。社会主義であった時代、土地は、国のものであった。統一後、元の持ち主に返すということになったが、政治家がからみ、登記簿が、虚偽のものに書き換えられるというような混乱があったことは聞いていたが、このペンションの土地も例外でなく、14年も抗争したという。抗争する間も、着々と彼女は、亭主そっちのけでペンションの改革を進めたようだ。

所在地の小さな村Witteradaでなく、12km先のチューリンゲン州の州都、エアフルトの観光局に属して、宣伝に努め、DLGのチューリンゲン州のメンバーとして、積極的に活動しているらしい。Webページも、なかなか洒落たデザインのものを発信している。http://www.pension-zum-ross.de/freizeit/auf_dem_hof.htm

こちらでフェーリエンボーヌングと言われる滞在型の宿泊施設(コンドミニアム)を3つ作って、きれいで清潔な家具を入れている。それぞれ居間、キッチン、トイレ、シャワーがあって、60平方メートル(一日40ユーロ)。70平方メートル(一日50ユーロ)、80平方メートル(一日55ユーロ)あって、宿泊客の人数に対応できるようベット設備がある。3,5ユーロ追加で、朝食をつけてもらえることもできる。息子さんが、肉屋さんに勤めているそうで、そこから直送の手作りのペーストがとても美味しかった。私たちは、ツインを2つ取ったのだが、1泊一人朝食つきで、20ユーロだった。

彼女のアイデアで面白かったのは、サマーキャンプのように子供を親なしで預かることである。動物に触れさせたり、ビデオを見せたり、いろいろプログラムを考えて受けているようだが、そのために必要な資格習得にも怠りない。おっとりした娘さんといいチームで、ペンション経営を進めていて、飲んだ暮れのダンナは、かやの外らしい。1994年からは、本業としていた農業をやめ宿泊業のみを営んでいることを示す「Landurlaub」の称号を取った。彼女は、やがては、このペンションを娘に譲るもよし、誰かに貸すもよし、自分は、マーケティングに専念したいと壮大な夢を語るのであった。


ドイツ農家滞在1

2004-08-19 00:00:00 | ドイツ・ドイツ

フランクフルトの友人お宅訪問も前後加えて、1週間のお出かけから昨日夜帰ってきた。さすがに今日は、お疲れモード。お祭りのあとが終わったようなとでも言いましょうか。今回のテーマの農家滞在について、ちと報告したい。

13日、フランクフルトから友人の運転する車に乗せてもらって、こちらから2人、ベルリンから友人2人が、エアフルトの駅で、1年ぶりの再会。
3泊4日、エアフルト近くでドイツ観光局言うところの農家滞在をした。
今どきなら、「ファームステイ」のほうが通りがいいのではないかしらね。
農家滞在なんて、センスがいまいちだよね。

私たち4人は、夜遅くまで話し込み、超ディープな会話で盛り上がり、このことこそが、旅の最大の貴重な思い出になったのだが、この内容は、もちろんシークレット事項などで、割愛する。

私たちが泊まったところは、Pension zum Rossという。ドイツ農家滞在は、DLG(ドイツ農業協会 http://www.dlg.org/de/index.html)が、農場経営の一端と進め、積極的にツーリスムスと合体した事業である。ドイツ農業協会は18年に創立され、15000人の会員がおり、ドイツの農業・食品経済の母体団体である。国際食品品質競技会も開催しているから、日本ではドイツ農業協会から金メダルを得たソーセージ・ハムということになると、すごい権威のお墨付きをもらったことになるから、この協会の名前は、むしろ食品業界の人に知られているかもしれない。

「Pension zum Ross」は、家族経営の農家で、1909年に建てられたという。馬やポニー、ヤギ、牛、うさぎ、鶏、犬、猫、インコなどの鳥を飼っていて、それらに触れられることは、泊まった子供たちには、嬉しいことに違いない。乗馬も1時間、7,5ユーロ(¥1000)で、体験できる。

チェックアウトするとき、ドイツのツーリズムに興味があるのだけどと聞いてみたら、オーナー夫人は、こちらが驚くばかりのフランクさで、話してくれた。彼女は、なかなかのビジネス上手なやり手なんである。
彼女の話は、旧・東ドイツの農家が、どうペンション経営に乗り出していったのかもかいまみれて面白かった。


リセットの旅?

2004-08-11 00:00:00 | カッチイ’s ジャーナル

ドイツに来るとき、飛行機の中で読もうと「日経WOMAN」を出発直前に買った。8月号だし、旅行の特集だった。ココロとカラダを解き放とう「いざ、リセットの旅へ」がキャッチ・フレーズだった。

「人生をプチ・リセット」ときたもんだ。自分の好きなカタチの旅に出て、上手にリフレッシュするという意味なんだろうが、「リセット」という言葉が気になる。ゲームが負けそうになったら、リセットして、「今のはなかったことにしてちょうだい。チャラにしよう。」というような意味にとれてしまうのだ。

人生、リセットなんてできない。旅に出ても、抱えている問題は、そのまま残っていて、当面は見ないことにしても、ほっておけることではない。いずれは、対峙しなければならない。ただ忙しい日常から抜け出すと、その問題を違った方向から、見ることができるということなんだろう。見えなかった問題の輪郭が明らかになり、少し心が軽くなることを、リフレッシュなり、リセットと言っているのだろう。でも私としては、断固「リセット」という言葉は使いたくない。

ドイツに夏に来ることは、ここ数年定例化しているが、この1ヶ月をひねり出すために、あとの11ヶ月の算段には、それなりに苦労している。それでもやっぱりこの長い夏休みは、贅沢なことだと自分でも承知している。

JTBの「旅」(今は新潮社に移った)の編集長だった岡田喜秋さんの「旅について」という古い本に接したのだが、そこに「旅とは、それを行う人の、心の変化ではなないか」と書かれてあった。

ドイツの旅は、私にとって何であろうか?主には、近しい人との再会であり、ある意味日常生活の延長でもあるが、旧交を暖め、友情を深める。自分のサイトを持ってからは、新しい人との出会いもある。

私にとって、旅は、仕事でもあった。一番好きなことを仕事に選んだ不幸というものを、骨の髄まで味わった。

昨日、ボンの親友と、日本人には、あまり知られていないEiffel山地のなだらかな丘陵をドライブした。さえぎるもののない、一面に黄色い畑が広がる田舎の風景を見ていると、心が静かに落ち着くのを感じた。穏やかに内省的な気持ちの流れというのを、確かに追っていけた。

日本のあわただしい生活のなかでは、ドイツの旅を想う気持ちは、つい萎えてしまう。しかし、ドイツに戻ってくると、想像力や好奇心がかきたてられる。ここを旅したい。


ドイツの夏 始動

2004-08-07 00:00:00 | ドイツ・ドイツ

ドイツ到着当初、ハイデルベルクの中央駅で、市電の回数券を自動販売機で買った。10枚で、16ユーロだったんで、50ユーロ札を入れたら、なんとおつり34ユーロ分ジャラジャラー。全部コインできた。それも1ユーロや、50セント玉が入れ混じって。はああ、ドイツなんだあと思ったしだい。お財布の口がしまらなくなっちゃったよ。

昨日、ハイデルベルクに出て、メインストリートのハウプトシュトラーセを歩いてみました。サマーバーゲンの最中なんで、期待して物色してたんだけど、イマイチだったわ。うんと値引きがあるのは、洋服くらいで、日用品をはじめ品質の高いブランド品はそんなに安くなっていない。

ハイデルベルクは、1年も経たないうちに、お店やさんが、どんどん入れ替わる。栄枯盛衰激しいのだわ。洋服やさんと靴屋、薬局が多いかしらね。
学生の町にしては、本屋はともかく、CD屋さんとかビデオ屋さんの充実度に問題があるわん。

裏通りに、アジア・中東など、いろんな国のファーストフードの店が増えたのが、目についた。それなりの味しか望むべくはないけど、ここは、ツーリストが多いので、安価で早く食べれるような店は、それなりに重宝されるのでしょう。カッチイは、そんなお店で、昨日は、丸焼きのトリの半分とジャガイモサラダを買って、なつかしおいしと感涙むせんで、がっつきました。
久しぶりでケバブ(トルコのハンバーガー)も美味しかったなあ。上等なレストランのドイツ料理より、こういうのが食べたくなるんだよね。

うちでは、ダーリンが、日本食を食べたがるので、こっちにきて、さばのみそ煮を作ったり、切干大根と白菜を煮たりしている。彼が冷凍庫につっこんでいたマグロを解凍して、日本によくある缶詰のマグロのフレークをまねてしょうがを入れて、甘辛く煮あげた。味は、上々だったのだが、魚を溶かしたら、ハエがどこらからとなく寄ってきて困ったわ。
おさんどんしにドイツにきてるから、全然ロマンチックじゃありませんわ。

明日からは、ドイツにいる友達を訪ねる旅にでる。ボンの彼女のところで2泊させてもらう。いったん、ハイデルベルクに戻るが、すぐまた旅立ち、友達4人がエアフルトで集合する。ドイツに、私が来る大きな理由は、友に会うためなのだ。


なにはともあれドイツ

2004-08-04 00:00:00 | ドイツ・ドイツ

に到着したけど、よれよれ。

出発前の25日の日曜日、例の登山の会で、滋賀県の比良山に登った。はっきりいって体力の限界を超えました。敗因は、3つ。登山の前夜、東京から姉が来てたので、実家で酒盛り。2日酔いで山に登ったこと。登山靴でなくて、ただのスニーカーで上ったこと。3つ目は、やっぱり日ごろ鍛えてないので、体力がないこと。1000mの標高の山を10km、朝の10時から5時まで歩くというのが、どういうことかまったくわかってなかったカッチイです。

まだ、登りはよかったのよ。ロープをつたって谷を降りたり、沢を歩いたり、そんな本格的な登山をしたことなかったから、けっこう楽しいななんて思う気持ちもあったんだ。でも、お昼でおにぎりをたくさん食べて、お水をガブガブ飲んだら急に体がえらくなっちまった。そして何とか頂上までたどりついたはいいけど、下りが、もう地獄。ずうううと石ころばかりの山道で、前足にうんと負担がかかって、親指のつめが割れそうに痛くて死にそうだった。

一緒に行った女友達に励まされて、何とか登り終えることができたけど、心底へばったわあ。翌日から、体の節々が痛くなったけど、出発前だから台所を掃除していたら、レンジの鉄のゴトクを、イタイイタイ左足の親指に落としてしまったのよ。ぎゃあああああ!親指のつめから、血がドクドク。もう泣きそう。

そんなんだから、やっぱりポカをやっちまった。ドイツに来るのに持参のノートパソコンのACアダプターを忘れてきちゃったのだ。でも、ダーリンのとても親切なパソコンの先生のアドバイスにより、空港でユニバーサルなACアダプターを購入して、やっとの思いで、ネットにつなぐことができました。100ユーロ以上の痛い出費だが、ネットが1ヶ月も使えないのは、すっごく困るもん。やむをえません<涙>

今年のドイツは、お日さまががピカピカで、サワヤカー。湿気が少ないのは、こんなに体にラクなのかと実感する。

ようやく落ち着いて、美味しいヴァイツェンビールを飲んだくれて、ワインとちゃんぽんしたら、また二日酔い。さすがに今日は、反省して、アルコール抜き。シュバルツバルトベッヒャーという名の、さくらんぼが一杯はいっているチョコとバニラのアイスクリームを食べたら、ドイツの夏を体験してる気持ちがこみあげてきた。