ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

ライカでグッバイ

2018-01-13 20:31:23 | カッチイな本棚

今こそ、この本を読みましょう!カメラをかじって、初めてわかった。

デジタルカメラで、何回でも取り直せるのじゃない、体を張って、一瞬を切り取る。
表紙の絵が、「安全への逃避」

1965年にヨーロッパで最も権威あるハーグ世界報道写真展のグランプリ、
1966年にピュリツァー賞を受賞。


暮らしの手帖

2016-08-16 22:27:07 | カッチイな本棚

暮らしの手帖を、買ってみた。「とと姉ちゃん」(ここでは、あなたの暮らし)に出てきた創刊号の復刻版もおまけについてたから。

今見ても、どうですか、表紙のおしゃれなこと。戦後まもない時代に、こんな雑誌が作られたなんて、驚き!亡き母親が、時々購入していて、私は黄色い紙になる「すてきなあなたに」のエッセイが好きだった。

広告を載せずに、雑誌作りをするなんて、今じゃ考えられない。だからこそ、商品の使い勝手を、テストする記事を載せたりできたのだろう。影絵の藤城清治も、暮らしの手帖で、取り上げられて知った人も多いのではないだろうか。

今でも、隔月刊で、出版が続いていることには、驚く。商業主義と、一線を画する紙面づくりは、今も受け継がれている。読者層が、たぶん、中高年だろうけど。


ドイツの都市と生活文化

2008-04-26 12:20:15 | カッチイな本棚

<iframe marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=officedanke-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=4061590642&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;lc1=0000FF&amp;bc1=000000&amp;bg1=FFFFFF&amp;f=ifr" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe>

現在、段階的に、「ショップ ダンケ」をリニューアルを行っているのだが、何より、大切なのは、コンセプトメイキングであるというマーケッティング会社の示唆もあり、必死に考えている。

それにあたり、うちにあるドイツ関連の本も、読み直している。私は、専門書でないドイツ文化の本、ドイツのガイドブックを集めるのが趣味で、コレクターなのである(笑)

ショップダンケは、ドイツ雑貨を扱うが、守備範囲を広げて、オーストリアのものも扱うことになった。中でも、「ウィーン」に焦点を当てている。

ずっと以前に読んだときは、読み飛ばしていた「ドイツの都市と生活文化」のウィーンの部分に、ビンビン来ている。

小塩 節先生は、ドイツ文学の権威だ。(現在、フェリス女学院理事長 中央大学名誉教授 たくさんドイツ関係の著書あり)

1994年の発刊だけれど、古びることはない光を放っている。

・・・日本人観光客が、オーストリアで落としていく金額は、年間百五十億を、越しており、これからは、さらに激増するであろう。・・・

・・・オーストリアと日本との関係は、きわめて高度に文化的であり、ゆるがぬ友好関係が、百二十年来、いや、三百五十年来確固としてある。

これは友人の極端に乏しい日本としては、大事に守り育てていかなくてはならぬ貴重な間柄なのだ。

続けて、オーストリアの人口や、約七百五十万人。そのうち、ウィーンの人口は、百六十万人だ、かつての巨大なオーストリア・ハンガリー帝国の栄光は消え、オーストリアの現在の国土面積は、八万千平方キロ、つまりちょうど北海道と、ほぼ同じくらいでしかない。想像もつかないほど小さな国だ。そして、GNP(国民総生産)は、日本の二十分の一でしかない。

ところが、国民の一人一人の実質的生活水準は、日本よりずっと高い。

と絶賛が続く。

この旧制松本高校卒業の文学者は、北杜夫同様、ドイツ・オーストリアに対して、無邪気なといって、失礼ですが、大変好意的な見方をされる。

興味深い指摘もある。以下引用

・・・世界的に見てもウィーンの位置と意味は大きい。何と言ってもいま旧東欧とそのまた東が大揺れに揺れている。

毎日予測もつかぬことが怒っている。その旧東欧へのかけ橋がウィーンである。

一種の「戦場」がベルリンだとすると、ウィーンは情報と流通の拠点なのである。

・・・日本人にとってウィーンの魅力は、豊かな文学や音楽伝統もそうだが、なによりも市民たちの生活に結晶している生活文化の豊かさ、しみじみとしたうるおい、内なる自己との調和、これなのである。

小塩先生は 「生活文化」というのは、英語でいう「ベター・クオリティ・オヴ・ライフ」よりも、もっと深いもののことである。としている。

さらに、「生活文化」 この語を積極的に用いたのは、第二次世界大戦前の哲学者、三木清であると紹介している。

オドロキである。三木清は、ハイデルベルク大学で、哲学を学んだ。

私は、ハイデルベルク大学の「日本学部」に顔を出していたが、そういえば、教授が教室の入り口に、三木清の入学証明書を、飾っていたなあと思い出した。

・・・世を挙げて戦争に転げおちていった時代である。戦争と経済が、すべてに優先していた。
そのまっただなかで、三木清は、「生活文化とは、まず生活への、主体的で積極的な態度」であると説き起こし、「文化への意志」を持とうと訴えた。

以上、小塩節先生の著書からの引用

私の亡くなった父などは、「たのしむ」「遊ぶ」ということは、「ぜいたく」であるからと、自ら戒めていたところがある。

今、70-80代の人は、余暇は、怠惰であり、日本人の勤勉性を失わせる亡国の論であるという風潮を、受け入れていたように思う。

余暇とは、「余ったヒマ」でなく、「余裕(ゆとり)の時」なのだ。

「余裕のないところから、何も生まれない」ということを、かみしめたい。

職場のような外側から管理される場と時間から解放されて、「個人」の場と時間を、重視するバランスのとれた「生活」が、豊かな人間を生み出すというコンセンサスが、ドイツにはある。

日本でも、それは気付かれながら、日本の労働市場のただなかにいる人たちは、余暇を持ち、生活を楽しみ、人生を、丸ごと享受することが難しい。日本の男性は、会社人間で、働くことが、ホント好きだからね(笑)

「明朗で、健康で、また能率的な生活は、美しい」

そして、「われわれは、知力と英知を傾けて、人生を愛し、生活文化の厚みをつくっていこうではないか」と、三木清は、締めくくっているのだそう。(三木清の何という本だろう。一度、原典をぜひ読みたいものだ。)

第二次世界大戦直前の提言なんだよね!

それから、戦後、60年以上が過ぎた。

私たちの生活は、厚みと深みとゆとりのある「生活文化」を、実現しているだろうか?

社会において、情報のスピードが加速した結果、格差は開き、新たな生きづらさを、生み出している気がしてならない。

ウィーンには、「生活文化」の質の高さとよさがあり、それが魅力だと言われる小塩氏の主張には、同意する。

ウィーンでクラダ社を訪問したとき、「ウィーンは、ちょっと保守的で、スノビッシュね」と息子のローマンに言ったら、笑顔で、「ウィーンは、それを、守っていかなければならない伝統があるのだ」と言われた。

まっとうな生き方をしている錫職人の彼らが、それを支えている。ウィーンには、市民社会の成熟がある。

蛇足ながら、ウィーンの魅力は、年配の女性が、魅力的で、しかも大事にされていること(笑)

まもなく、今年も、ウィーンのクラダ社の錫製品を持って、「ショップ ダンケ」は、ゴールデンウィークで開催される「ラ・フォルネ・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日 音楽祭2008」に出店する。

今年のテーマは、「シューベルトとウィーン」である。展示ホール2で、「シューベルト市場」がある。音楽に浸り、こちらにも、お運びください。


池田晶子さんの本

2006-08-07 22:42:16 | カッチイな本棚

<iframe marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=officedanke-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=4901510142&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;lc1=0000ff&amp;bc1=000000&amp;bg1=ffffff&amp;f=ifr" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe>

姪に、池田晶子さんの「14歳からの哲学」を借りて、読んだら、めっぽう面白く、彼女に返してから、自分の本として、また本屋で購入し、女史の本を、いろいろ買ってはまっている。

「専門用語による「哲学」についてでなく、哲学するとはどういうことかを、日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る」と、どの本にも、あとがきにある。彼女自身が、それが身上として、そう紹介されることを了解しているのだろう。

あたりまえのことばかり」の帯に、「言葉は命である」とある。うーん、しびれるねえ。不肖、カッチイもそう思っているから。

「思考する」ということは、どういうことか?彼女に手ほどきしてもらいながら、知の扉を開くのは、楽しい。

そうすると、大好きな佐藤浩市さんも出演しているテレビドラマ「サプリ」も、見損ねても平気。最近、テレビは、騒々しく思い、遠ざけて、池田さんのように、ニュースくらいしか見なくなってしまった。これは、カッチイの場合は、一時的なことだろう。吉岡秀隆さんが、コトー先生を演じる秋には、TVにかじりついているだろう(笑)

死を恐れず、ひたすら哲学する日々を送っている池田女史の生き方は、ラジカルで、ちょっと、フツーの人には、真似ができないが、彼女は、自分の言葉が、響く人には、深く響くことを確信を持って書いていて、その覚悟は、半端じゃない。

やさしく書いてあっても、流れる論理性に、ついていかないと、読み損ねてしまう。池田さんが語る「宗教」や「死」や「存在の謎」についての項より、現在の私が、一番惹かれるのは、彼女が、しつこく「精神」の重要性を、語ってやまないところである。私と全く世界観が同じと膝をたたく嬉しさがあった。

「41歳からの哲学」「勝っても負けても」は、私世代のジェネレーションに向けて書かれたものであり、うなずくことも多かったが、彼女が、まったくレベルを下げて書いたわけでないと力説する「14歳からの哲学」が、最初に読んだこともあり、印象深く、これが、広く教科書などに取り上げられたというのもなるほどと思う。若い人に読んでもらいたい名著だと断言する。

「感情は感じるもので、精神は考えるものだ。移ろい変る感じや思いについて、動かずに観察、分析して、そのことがどういうことなのか考えて知るのが、精神というものの働きだ」(「心は、どこにある」より)

「人間には命より、なお大事なものがある。それが精神だ。精神の正しさ、美しさ、その高さだ。命が大事なものであり得るのは、精神が大事なものであると自覚して生きるからでしかあり得ない。」(「品格と名誉より)

こういう文章を、読むと、カッチイの精神も、高揚する(笑)精神の豊かさのみが、人生の豊かさを決定すると思っている持論を、池田さんの本は、力強い「論理」で、肉付けしてくれる気がする。

しかし、彼女のようには怖れなく、捉われることなく、思い込みから解放されているとは、言い難い「自分」を心もとなく思うとき、ドイツの友人の理知的なたたずまいを思い出す。

ネッカー川や、森を散歩する時、私の中に、風が吹き抜ける瞬間を感じたものだ。日本よりも、退屈で、刺激のないと思っていたドイツの日常だが、あそこは、静かに、ものを考えるには、適している場所でないかと思う。

もうすぐ、そこへ帰る。待っている人もいる。ドイツの夏休みは、もうすぐ。


列車でめぐるドイツ一周世界遺産の旅

2006-02-05 14:12:25 | カッチイな本棚

昨日のハービス大阪の「旅行セミナー たびっとーく」は、野田 隆さんの登場で、「列車でめぐるドイツ一周世界遺産」で、カッチイも、はせ参じた。 野田さんのサイトは、カッチイのドイツ旅行案内 リンク集 >ヨーロッパ旅行関連リンク集>ヨーロッパの移動:鉄道・バス・サイクリング・ドライブのところに、リンクして、紹介させていただいている。鉄道関係の著書が多数ある方で、新著は、今回の講演のテーマになった「列車で巡るドイツ1周世界遺産の旅」である。


<iframe marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=officedanke-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=4047100072&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;lc1=0000ff&amp;bc1=000000&amp;bg1=ffffff&amp;f=ifr" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe>

この本は、「地球の歩き方 ウェブマガジン」に書かれた記事が、端緒になって、角川ワンテーマ21・シリーズの1冊として、出版された。

世界遺産(日本人は大好き!)と、ドイツ、鉄道を組み合わせたアイデアが、斬新である。待っていた鉄道ファンも多かったかもしれないね。

新書であるが、カラー版なので、美しい写真が差し込まれ、ドイツに行きたいという旅心がかきたてられる。

トラベルライターの書いた旅行エッセイをじっくり読みたい向きには最適。ドイツ国鉄の乗り回し方にも、丁寧な解説があるので、提案されたルートを参考に旅行プランを立てれば、ドイツの世界遺産を押さえた周遊旅行ができる。

ドイツは、鉄道王国である。ヨーロッパのラテン系の国々に比べると、格段の信頼性がある。アウトバーン(高速道路)が整い、自動車王国でもあるが、ほとんどの日本人旅行者にとって、ドイツを巡るのに、アシとなるのは、鉄道である。

ドイツ国鉄 の公式サイトの時刻表は、とてもよく出来ているので、ちょっと読み方がわかれば、ドイツ旅行プランニングの大きな武器になる。つるっぺさんのサイト「ただいま実験中!fromロマンチック街道」のDB(ドイツ鉄道利用ガイド) に、その使い方を日本語で説明してくれている。

さて、満員御礼の講演会のあと、私は、持参した上記本に、野田さんのサインをいただいた。ハービスプラザで、「ウォーキング&リラックス」のたびっとセミナーの講師でいらっしゃる高木美千子さんが、野田さんをお茶に誘われたのに、カッチイもご相伴に預かった。

高木さんは、関西の旅とグルメに強い大ベテランの旅行作家である。公式サイト「高木美千子の旅とグルメの情報館」 には、エレガントな連載日記や、主宰されているイベントの紹介がある。関西に住んでいるのに、関西のことを知らないのは、恥ずかしい。ディスカバー・ジャパンの気持ちは、最近ますます募る。ぜひ、教えを請いたいものだ。

この日は、その後、友達のギターのライブを見に行き、盛りだくさんの休日になった。