ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

石見銀山 世界遺産登録

2007-06-29 21:36:49 | 小さな旅・ニッポン編

5月に、政府が世界文化遺産に推薦した島根県石見(いわみ)銀山遺跡が、ユネスコの諮問機関で審査にあたる「国際記念物会議(イコモス)」から、「登録延期」を、勧告された時に、そうだろうなと驚かなかった。だって、富士山より、先に、地味な銀山が、世界遺産にはならないだろうと思ったからだ。

ところが、見事に逆転登録できてしまった。これには、ユネスコ大使等の積極的なロビー活動の活躍が、功を奏したらしい。ここ石見銀山は、16~17世紀にかけて世界の銀産出量の1/3を占め、その品質の高さからソーマ(佐摩)銀と呼ばれ、JAPANブランドの先駆けだったそうだが、今の日本人に、そんな知名度ってないでしょう。白神山地のときも、そう思ったんだけど、審査基準は、知名度とは、関係ないのね。

希少価値ってことが、大事なことなんでしょう。銀鉱山のある仙ノ山地区と、鉱山町として街並み保存されている大森地区と、銀や鉱石を運び出した街道、それに積み出した港が一体として残っているということが、石見銀山の特徴なんでしょうか。

産業遺跡だから、正直、地味というのは否めない。坑道を歩けたりすると、ハイライトになると思うけれど、TVで見た最大の坑道跡「大久保間歩」は、真っ暗だった。

これって、観光客が行けるような体勢になっているの?と疑問に思った。採掘や精錬に技術を、わかりやすく説明する施設や資料館が、必要でしょうね。観光客は、ちょっとオベンキョする姿勢でいないと、いけないかも。見てすぐ感動できる自然遺産より、分が悪いよね。見せ方が、大事だと思う。

しかし、それには、何といっても「世界遺産」という大看板が必要で、その大看板さえ立ってしまえば、その魅力を伝えるための整備ができるのでしょう。なんといっても「まちおこし」の権威づけに、「世界遺産」ほど強力なものはないものね。

大きな経済効果が見込めるとして、ヘンに「開発」が始まってしまって、ゴミが増加して、交通の渋滞化、自然を損ねたりという問題も起きてくる。地元の悲願と言われるけれど、これからが、それの腕の見せ所でしょう。

何せ世界遺産に飛躍しちゃったのだから。世界遺産詣でが大好きな人たちは、一杯いる。


岩手県立美術館と小岩井牧場

2007-06-22 10:54:39 | 小さな旅・ニッポン編

Iwatemuseum2 岩手県立美術館で、5月26日(土)~7月16日(月)まで、ピカソ展が、開催されているが、ここは、とても立派な美術館です。

美術に親しむ講演会や、ワークショップ、コンサートなどのイベントにも熱心のよう。

私が手伝いに行った最初の頃も、アートシネマとして、ピカソの映画の上映会もあった。

今週の日曜6月24日は、午後6時から、館内のレストラン「パティオ」で、「ピカソ・その美と職を堪能する トーク&ディナー」もあるそう。渋谷の名店のシェフが腕を振るってくださるそう。ピカソを知るために、スペイン料理から。「天才ピカソは、どんなもの食べてたのでしょう?」って、想像するのも楽しいわよね。お腹を満たして、絵画を堪能する。いいなあ。

Iwatemuseum3 お帰りには、ピカソ展のためのグッズも販売してますから、見て行ってくださいね。ドイツ雑貨の「ショップ ダンケ」のものも、入ってます。

また、ミュージアムショップ「ガレリーナ」 には、素敵なアートグッズが揃っている。こちらも、ぜひお立ち寄りを。

なかでも、充実した品揃えなのが、美術書である。雑貨のオンラインショップを営む私にとっても、ピクピク。「西欧のかわいいモノたち」やら「世界のミュージアムグッズ」「ロングセラーデザイン」などの本を、買い込んでしまった。この手の本は、出会ったときに買っとかないと、なかなか見つからないのです。美しいものは、眺めているだけで、ハッピーな気持ちになるもの。

実は東北が初めてのカッチイさんです。観光系の専門学校で「観光地理」を、さんざん教えてきたくせにね(笑)東北は、たくさん温泉があって、字も難しいし、学生が覚えるのに、ふうふう言う地域です。

Koiwai1_2  月曜日は、美術館が休館日だったので、一日、「小岩井農場」に遊びに行ってきました。

ちょっと高いけれど、美味しい乳製品の「小岩井」製品のふるさとデス。岩手山麓に、東西5km、南北13km、面積3000ヘクタールで、ここは、現役の農場で、観光牧場が、主体ではないのよね。農場内を見て回るバスツアーに参加したので、それがよくわかった。

酪農事業、種鶏事業、たまご事業、山林事業、緑化造園事業などを展開する総合農場なんですね。木造で、古めかしい建物も、現役で事務所として使われていたりで、牧草地と赤松林に囲まれた自然のなかに、施設があり、観光客が見ている部分は、その一部。

観光牧場になっている園内は、ファミリー向けで、ゆったりレストランや施設が散在する。こういった牧場系観光施設では、体験コースを山ほど用意したり、遊戯施設を併設したり、温泉まで掘ったりまでするところもあるが、小岩井農場は、そういうムリムリ感がない。

岩手山のなだらかな勾配を見てると、ゆったりした気分になり、過度に、遊園地的でないことが、ここには、ふさわしいと思う。せせこましいというのと対極にある。

Koiwai2 レストランのバイキングが、¥1300で、良かった。小岩井農場さんの素材を使って20種類のメニュー。凝った味付け、盛り付けじゃないのだけど、丁寧に作られてる感じ。その中に、ラム肉料理があって、ラム肉好きとしては、嬉しかった。ラムって、独特のにおいがあるけれど、柔らかくて、美味しい。都会のホテルのランチバイキングより、中身は、充実してますよ。ただ、ファミリー向けなんで食器がね。給食みたいなの。

満腹になった後で、羊館へいって、「かわいい!」って、叫ぶ私って?羊さんは、ピンクのおメメで、大人しい。たっぷりなでさせてくれて、ありがとう!

園内で売られているソフトクリームを食べるのは、ここに来るととお約束のよう。青空のもと、あっさりくどくない小岩井ソフト。堪能しました。チーズケーキは、バイキングで、食べ過ぎたので断念したのが、心残り。

お土産屋さんのコーナーは、イマイチだったかな。ディズニーランドを見習いましょうなんて、偉そうに思ったりしたけれど、ファミリーに、あそこみたいにお金を使わせなくてもいいか(笑)

出張に来ても、息抜きは、大切。盛岡手づくり村は、今回あきらめて、夕方まで、小岩井農場で、ゆっくりした。のんびり、ゆったりするって、大事なことです!


ワインに、はつか大根とバター

2007-06-11 23:50:44 | 食にまつわるネタ

Candle1 ちょっと、蒸し暑く、お天気も、1日のうちで、にわか雨が降ったり、カっとお日様が照りつけたり、不安定。でも、夜には、さわやかな風が、吹き込む。

お楽しみは、これから(笑)ワインタイムに突入なの。今夜のワインは、Riesling (リースリング)の"S"とある。"S"って名前がつけてあるのは、何か意味がきっとあるのね。何なんだろう?バーデン地域のワインハイムのGYSLERのワインです。

おつまみは、はつか大根にバターである。おしゃれな組み合わせは、ドイツ人の友達に教わった。

岩塩を、削って、その場で、振って食べると美味しいのだ。ドイツのバターは、必ず無塩であるけど、日本のは、塩が入ってるのが多いから、その場合は、振りすぎに注意してっと。

大根のみずみずしさと、バターのとろっとしたところに、塩味。リースリングのすっきりしたワインに、抜群に合うのです!口腔せましと広がる味の乱舞に、しばし酔いしれるひと時。

うーん、悦に入ります。お供に、うちのキャンドル。「ショップ ダンケ」の蜜ろうキャンドルは、オススメです。赤みを帯びた炎を放ち、ハチミツのほのかな香りが漂う。アクセサリーについているハチは、ピンで突き刺してある。燃えないように、後で、下のほうへ、避難させてあげよう。


「熱狂の日」音楽祭2007 ハーモニー市場

2007-06-10 21:00:29 | ショップ ダンケ

「熱狂の日」音楽祭2007」は、今回で3年目を迎えるが、日本で一番、大規模な音楽祭であろう。「GWは、東京国際フォーラムで、音楽の世界旅行が楽しめます!」がキャッチフレーズだった。アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏は、今回、ロシア、チェコ、ハンガリー、北欧、フランス、スペインという地域の、総勢50名以上の作曲家たちによる名曲を、揃えた。モーツアルトづくしだった去年と大きく違うところだ。

世界各国から、1500人のアーティストを呼び、朝から晩まで5日間200公演が、催さ れたのである。1公演、平均45分間。一流の演奏を破格の¥1500-¥3000で提供。クラシック初心者を、しっかり呼び込んだ。「のだめカンタービレ」のTVドラマの影響で、クラシック音楽の垣根が、低くなったと感じさせる状況も味方した。

朝昼の公演は、3歳以上入場可能とし、に「0歳からのコンサート」なども用意し、広い世代に受け入れられる企画も用意された。

何せ、106万人も集めたのだ!!

これは、200公演も、5日間で、朝から晩まで、コンサートで埋め尽くす東京国際フォーラムという会場の勝利が大きいと思う。

東京以外で、こんなイベントは、考えられない。

この音楽祭の物販「ハーモニー市場」に出店させていただいたのは、光栄なことだ。

が、朝10時から、夜の10時の営業は、きつかった。東京国際フォーラムとホテルの往復の日々(泣)、前後の商品の搬出、搬入も、終われるか?と、ヒヤヒヤしながら作業していた。販売に、なるだけ立ちたかったが、棚出しもしないといけないし、一人では回らないと痛感させられた現場だった。まあ、楽しいことも一杯あった、と思わなくちゃね(笑)

うちのブースの写真を見ていただきましょう。プロの手のお助けが入っているので、ディスプレイは、素敵でしょ。煙出し人形や、蜜蝋キャンドルは、うちの定番だが、オーストリア製の錫の携帯ストラップやキーホルダーなど錫製品も出した。

Officedanke9あるモーツアルト記念グッズが、到着するのに気をもんでいたが、直前になって、川崎港郵便局まで引き取りに来るように(さもなくば破棄処分)と連絡があり、仰天した。このイベントのため、上京するのだから、何とか(何としても)取りにいくことにした。煩雑な検疫、関税手続きの書類を通すため、電話とファックスの応酬があり、POPを作成する時間がなくなってしまった。

ホテルでも、PCを持ち込み作成し、朝に、出力センターに持ち込むという荒業をこなした。ホテルが、秋葉原だったんで、出来てしまったのだ。これも、東京のなせる技ですね。

今回は、「オフィス ダンケ」として、初めてのオリジナル商品を、持ち込んだ。音符Tシャツである。「ベートーベンの第九(画像にはないが)」と、「チャイコフスキーの悲愴」「スメタナのモルダウ」と3種類作った。楽曲のハイライト部分の楽譜を載せ、絵が得意な姪にタイトルなどを、レタリングしてもらった。ありがとう!!今回、音楽祭のために新しい商品を仕入れたので、これらは、「ショップ ダンケ」に、近日中に、登場させるつもりである。

Officedanke10

ゴールデンウィークに、「熱狂の日」音楽祭り2007 ハーモニー市場の会場にいた日から、1ヶ月経ったのだと思うと、今年は、時間が経つのが早い気がする。

6月は、大きい出張がないから、オンラインショップ「ショップ ダンケ」とドイツ旅行情報サイト「カッチイのドイツ旅行案内」の更新に努めたい。外に出ての営業と、こつこつサイトの更新、この2本立てで行きましょう。


自信

2007-06-08 01:16:00 | ショップ ダンケ

4月以来のブログである。また2ヶ月も間を置いてしまった。短くても、ブログは、頻繁に書いていったほうがいいのだが、私は、気持ちの余裕がないと、文章は、書けないタイプらしい。

5月のGWは、「東京国際フォーラムで、開催された「熱狂の日」音楽祭2007のハーモニー市場に出店させていただいたのに、全エネルギーを注いだ。このイベントは、オフィス・ダンケにとって、年間で一番大きな催しである。

10日間、東京に泊まり、毎日、東京国際フォーラムに通った日々は、まだ記憶に鮮明だ。体力的には、かなりきつかった。販売の場に立つと、商品に振り向いてもらうことから、「買ってもらう」というところまでこぎつけるのに、いくつももステップがあることを、実感する。

東京のお客様は、目が肥えている。素晴らしい音楽を聞いて、気が大きくなっているからといって、そう安々と衝動買いはしない。課題は、いろいろ出来た。

来年のテーマは、「シューベルトとその仲間たち」ということなので、ドイツ浪漫派の音楽家も、多く出てくるであろうから、ドイツ雑貨のオフィス・ダンケには、手がけやすいところはあるはずだ。

このイベントを、とにもかくにも無事に乗り切り、一息ついたら、ピカソ展が、5月25日から、岩手県立美術館に、移動したので、盛岡まで行った。自分の商品には、ベストを尽くすという姿勢であるので、出張するのはいとわない。現地に赴き、実売するという経験は、貴重だからだ。

この2つのイベントのことは、おいおい写真も挙げて、記録としてアップしていこう。

個人事業主であるオフィス・ダンケが、このようなイベントに参加できたのは、インターネットの恩恵である。情報発信していることが、回りまわって、つながるはずのない取引相手とめぐり合うことになった。

2006年のワールドカップの前年から、「ドイツ年」として、ドイツ関係の催しものが、目白通しになったことが、幸いした。2005年春に、ドレスデン美術館展に呼んでいただいたのが、催事に参加するきっかけとなった。「ショップ ダンケ」の商品は、手ごろな小物が多かったので、催事には向いていたのだ。しかし運営者の私は、それを初めから意図していたわけでない。

「おもちゃ」とか「キッチン用品」だけというように、ドイツ雑貨のなかで、特化しなかったことが、かえって、よかったのかもしれない。しかし、本当のところは、いろいろなカテゴリーの商品を出してみて反応があればと、当初、行き当たりだったのだ。自分が犬を飼っていないのに、ドイツのペットグッズがいいと聞いたので、ちょろりとそんなものを購入してきたり、商品の買い付けを、知人に任せたりしていた。

添乗員や現地ガイドをしていて、日本のお客様が買うお土産ものは、見てきたつもりだったので、当初その線に沿うものを集めようとしていて、自分の確固たるコンセプトがなかった。

催事で出会った人から、「貴方の世界観でやらなければ、駄目だ」とびしっと言われたことが、契機となった。

多分 made in Germany の商品の魅力というのは、職人気質に裏打ちされた信頼感だと思う。仕事が丁寧で、いつまでも持って大事に使いたくなる愛着のわくもの。ささやかなドイツ雑貨といえども、それを感じさせるものでないといけない。

送料のことを考えると、基本的に、小さく、軽くて、かさばらないモノと決めていた。

私が選んでくる商品は、私というフィルターを通したドイツを体現している商品でなければならないのだ。

自分の商品には、自信を持たなければならない。私の個性というもの、センスというものの信頼から、スタートしなければならないのだ。つまり、それは、運営者の私自身が、自信を持つということだ。

ドイツ語では、Selbstvertrauenが、自信という言葉になるが、日本語と同じで、文字通り、自分+信頼という語からなる。 日本社会で、正面切って「自信がある」と言って行動すると、ストレートで直球すぎることがある。謙虚に、へりくだって振舞うことが美徳とされているので、表現方法には、配慮が要る。

自信というのは、とかく、自惚れと、取られがちなのだ。しかし、この2つは、全く違う。自分のありのままの価値を、自ら信頼することが、「自信」だ。それに対して、ドイツ語では、自惚れに当たるのが、語義からいくと、Selbstgefaelligkeit だろうが、私は、過信と訳したい。

ドイツに行って、自分の目でコレと思ったモノを見つけ、取引先とは、直接、交渉する。フットワークが軽いのと、人とのコミニュケーションには、長けているほうだと思うので、それが強みかな。

自信を持っていれば、怖くない。物販は、旅行商品と違い、目に見えるモノを扱い、具体的で、ダイレクトである。売れれば、めちゃくちゃ嬉しい。もう、迷いはない。

過信せず、自信を持って、ショップ・ダンケを運営していきたい。