ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

ボンの週末

2003-08-13 00:00:00 | インポート
週末は、ボンに住む親友Nのところへ行ってきた。彼女のところは、カッチイの夏の「別荘」なのだ。今年は、ヨーロッパ全体が異常気象らしいが、ボンもやっぱり暑かった。

ドイツ人は、戸外で食事をするのが大好き。テラスに、机を出して、長々とおしゃべりして、ゆっくりおしゃべりする。Nは、趣味豊かで、彫刻に今は夢中になっている。このあいだ展覧会に出したという作品を見せてもらう。仕事が終わってから日が暮れるまで(太陽光線のあるところで彫らないといけないらしい)と週末をずっと費やしたという大理石の作品は、おサルさんがうずくまっているように見えるのだが、なかなか深遠な表情をしている、陶器でつくった小さな作品2つが、売れたのだそうだ。

そうかと思えばNは、アフリカの太鼓のクラスに通っていたり、フルートも習い出した。博士号の称号も持つ大変優秀な人なのだが、キャリアを追いかけるより、アーティスティクな自分の関心に、エネルギーを注ぎ、自分の時間を大切にする暮らしを選んでいる。

日曜日は、ケルンから南に約13Kmのブリュールという町にあるケルン大司教の城館アウグストスブルク城に連れていってくれた。ここは、ドイツの世界遺産のひとつなのだ。城内は、ガイドツアーに参加して内部を見ることになるのだが、私たちを案内してくれたガイドさんは、すばらしかった。お城の歴史だけでなく、当時の王侯貴族がどんな暮らしをしていたかを身振り手振りをまじえて、わかりやすく面白く解説してくれる。カッチイは、職業柄、ガイドのよしあしは熟知しているのだが、ガイドというのは、ガイド本人が、楽しそうに仕事をしているように見える(見せる)のが大事なことなのである。ドイツの観光施設は、ガイドツアーで、案内するところが多いが、そのガイドがよければ、出口で、スマートに、握手がてらチップを渡すのが、礼儀です。(やってみてね)

日本人は、世界遺産というお墨つきをもらったところに行きたがると冷ややかに思っていたのだが、それは、あっさり撤回することにする。「世界遺産」という本をミュージアムショップで買い、それを、ライン川へのピクニックにも持ってく。
来年は、どこへ行くか川辺で寝転びながら、考える時間が至福だった。


ドイツの夏

2003-08-09 00:00:00 | インポート
ドイツに来て、10日以上が過ぎるのに、日記をずるけてしまった。ごめんなさい。もう体が溶けていきそうに暑いですう。カッチイのいるハイデルベルク郊外では、36度以上で、こんなことは、記録的なことだとドイツ人も首をひねってる。
石畳の道は、照り返しが強いみたいで、もわああと湯気が立ちそう(うそ)で、ひとしずくの雨も降りません。いったいどこの東南アジアの国にいるのでしょうという気になる2003年のハイデルベルクだ。

最初の1週間は、ダーリンも休みを取ったので、ぐだぐだ。近所のプールに行ったりひたすら怠惰な日々を送っていたのだが、そこで唯一カッチイが夢中になってしたことは、読書だった。ドイツにおいていた五木寛之氏の作品を立て続けに夢中になって読んだのだ。「凍河」と「朱鷺の墓」である。前にも何度も読んだことのある作品なのだが読み返してみても、新たな感動がわく。どちらも恋愛ものだけど、特に「朱鷺の墓」は五木作品のなかでも、これほど日本女性を美しく描いたものはないと思うイチオシの作品だ。明治中期から大正末年にかけての歴史に、いやおうなく巻き込まれていく芸妓染乃と金沢市の捕虜として抑留されたロシア人青年将校との国境を越えた恋愛を基調とした壮大な大河ドラマなんですわ。
そんなんで、どこにいるかわからないような休日の過ごし方をしていました(笑)

一日は、「お客様」も迎えて、久々にカッチイが腕をふるいました。ダーリンが1kgもさやいんげんを買ってきたので、煮込みを2種。トマトで煮込むプロバンス風煮込みは、作ったことが何度かあるので、おいしくできた。それとさやいんげんを洋ナシとベーコンで合わせ煮。こちらでは洋ナシが手軽に手に入るので、試してみたのだが、ちょっと洋ナシが煮崩れたが、バター風味を利かせたジャガイモを加えて、面白い味になった。和食では、緑鮮やかにゆであげて、かつおぶしをかけてあっさりいただくことが多いと思うのだが、さやいんげんも豆類であるから、ソースの味をたっぷり吸わせて煮あげるヨーロッパ風のお惣菜の味は、深みがあるのだ。うふふ、カッチイは、こう見えても本気になれば、お料理は、けっこうな腕なの。味にうるさい関西人だからね。普段は、しないんだけど(笑)やるときゃやります。

明日からの週末は、ボンの友人宅に行き、のんびり過ごします。会えるのがとても楽しみだわ。