ショップ ダンケ

ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

Time Difference (時差)

2006-08-22 01:01:04 | 徒然草

日常生活で、何気なく、時計を見る。
私は、その時、習慣的に、ドイツ時間を、計算している。

夏時間なら、7時間、冬時間なら、8時間、
日本時間は、進んでいる。

ドイツと日本の間の横たわっている6000kmの距離が、
私たちの間のTime Difference (時差)となっている。

午後、仕事の合間に、あなたが、目覚める時間だと気がついたりする。
あなたは、眠りにつく前に、私にモーニングコールをする。
その日の出来事を話し合って、寄り添うつかのまの時間。

会えない時間の孤独は、お互いに、一人でかみしめるしかない。
あなたのことを想い、私は、あなたと私自身を、支える。

あと、数時間で、関空に向かう。
機上の人となって、6000kmを、縮めていく。
フランクフルト空港で、あなたの笑顔に、迎えられるとき、
私たちのTime Difference (時差)は、ゼロ。


DzGO!

2006-08-12 10:07:41 | ショップ ダンケ

「カッチイのドイツ旅行案内」を、オープンして、丸5年、もうすぐ6年目に入る。どんなサイトも、サイトのコンセプトというのが、最も重要になってくると思うが、私の場合、ドイツに自由旅行する人たちに、本当に役立つ情報を集め、発信しようという思いから立ち上げた。

その時点で、添乗員や現地ガイドとしての経験を公開していこうと思ったのだが、ドイツ旅行の様々なテーマに関し、新鮮な切り口で語る先達のサイトの存在があることに、すぐ気がついた。私が、すべて説明しなくてもいい。優れたサイトを紹介することに、意義があるのだと思い直した。

私の観点で、カテゴリー分けをし、カッチイにより厳選され、詳しい推薦コメントによって、役立つサイトを、ナビゲートすることが、重要であるとした。この作業を続けていくと、「カッチイのドイツ旅行案内」は、ドイツ旅行のポータルサイトを、目指していけると思ったのだ。

多分、600以上のリンクを集めていると思うが、まだ、時間がなくて、アップしきれていない。ちょっと、鼻にかける言うが、ドイツ旅行に関連するサイトで、内容の充実している日本語サイトで、私がチェックしていないものは、ないと思う。

その中でも、私の似た発想、方向性が似ているなと思ってきたのが、「DzGO!」 つまり、旅する人のドイツ情報とリンク集、ディーズゴーである。

このサイトの作りが、かっちょいいのよね。デザインが、スマートで、プロっぽい。このサイトも、最近リニューアルして、前のように「街道」や「川」といったテーマごとに分けていたのを、州ごとに分けるエリアガイドに、変った。

日本語の多くのガイドブックが、ドイツの場合、「街道」ごとに紹介するが、それは、いつもおかしいと思ってきた。ドイツの州という一般に日本人に、認知度がないが、日本でも県別ごとに、観光エリアガイドを作るのが、オーソドックスな手法だ。「DzGO!」 も、エリアガイドにしてきたので、やっぱりねと思っていたのだ。

このサイトのスタッフであるToshiさんは、私が、「ドイツdeワーキングホリデー」の改定版を書くときに、彼の経験談を寄せてもらったりして、メールでコンタクトはあったのだが、実際に先日お会いした。

なかなか面白く、ステキな若者で、「DzGO!」 を益々発展させていく意気込み十分と感じた。彼だけでなく、複数のスタッフで運営しているところが強みで、記事も、複数人が手分けして書いているし、スタッフの日常を語るブログも更新中だ。

映画、音楽、料理、スポーツと、「どこからドイツにハマる?」と、読者の興味をそそるカテゴリー分けをしていて、ドイツ関連イベントや話題の紹介するのも早い。彼らは、大阪の日独協会と組んで、自分たちで、「フィルムアーベント」や「サッカー鑑賞会」などを企画している。若者には、ドイツの何が、受けるのか?というのが、彼らのサイトや活動を見ているとわかる。

カッチイは、最近、奈良の日独協会に入った。大安寺という奈良南都七大寺のひとつが、事務局になっている。日独協会は、日本各地にあるが、お寺が、スポンサーになっているのは、ここだけだろう。「オフィス・ダンケ」としては、ドイツ関連の団体とも、お近づきになろうと思っている次第である。

「DzGO!」 のToshiさんは、私のサイトも、チェックしてくれているそうだ。そんなに頻繁な更新が出来ていず、恥ずかしいが、私も、「DzGO!」は、見ている。お互い、自分たちのやろうとしていることが、先にされていないかとチェックしあっているのかも(笑)

お互い、刺激を受けあうサイトとして精進していきたいものだ。Toshiさん、今度、他のメンバーにも、会わせてね。


池田晶子さんの本

2006-08-07 22:42:16 | カッチイな本棚

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姪に、池田晶子さんの「14歳からの哲学」を借りて、読んだら、めっぽう面白く、彼女に返してから、自分の本として、また本屋で購入し、女史の本を、いろいろ買ってはまっている。

「専門用語による「哲学」についてでなく、哲学するとはどういうことかを、日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る」と、どの本にも、あとがきにある。彼女自身が、それが身上として、そう紹介されることを了解しているのだろう。

あたりまえのことばかり」の帯に、「言葉は命である」とある。うーん、しびれるねえ。不肖、カッチイもそう思っているから。

「思考する」ということは、どういうことか?彼女に手ほどきしてもらいながら、知の扉を開くのは、楽しい。

そうすると、大好きな佐藤浩市さんも出演しているテレビドラマ「サプリ」も、見損ねても平気。最近、テレビは、騒々しく思い、遠ざけて、池田さんのように、ニュースくらいしか見なくなってしまった。これは、カッチイの場合は、一時的なことだろう。吉岡秀隆さんが、コトー先生を演じる秋には、TVにかじりついているだろう(笑)

死を恐れず、ひたすら哲学する日々を送っている池田女史の生き方は、ラジカルで、ちょっと、フツーの人には、真似ができないが、彼女は、自分の言葉が、響く人には、深く響くことを確信を持って書いていて、その覚悟は、半端じゃない。

やさしく書いてあっても、流れる論理性に、ついていかないと、読み損ねてしまう。池田さんが語る「宗教」や「死」や「存在の謎」についての項より、現在の私が、一番惹かれるのは、彼女が、しつこく「精神」の重要性を、語ってやまないところである。私と全く世界観が同じと膝をたたく嬉しさがあった。

「41歳からの哲学」「勝っても負けても」は、私世代のジェネレーションに向けて書かれたものであり、うなずくことも多かったが、彼女が、まったくレベルを下げて書いたわけでないと力説する「14歳からの哲学」が、最初に読んだこともあり、印象深く、これが、広く教科書などに取り上げられたというのもなるほどと思う。若い人に読んでもらいたい名著だと断言する。

「感情は感じるもので、精神は考えるものだ。移ろい変る感じや思いについて、動かずに観察、分析して、そのことがどういうことなのか考えて知るのが、精神というものの働きだ」(「心は、どこにある」より)

「人間には命より、なお大事なものがある。それが精神だ。精神の正しさ、美しさ、その高さだ。命が大事なものであり得るのは、精神が大事なものであると自覚して生きるからでしかあり得ない。」(「品格と名誉より)

こういう文章を、読むと、カッチイの精神も、高揚する(笑)精神の豊かさのみが、人生の豊かさを決定すると思っている持論を、池田さんの本は、力強い「論理」で、肉付けしてくれる気がする。

しかし、彼女のようには怖れなく、捉われることなく、思い込みから解放されているとは、言い難い「自分」を心もとなく思うとき、ドイツの友人の理知的なたたずまいを思い出す。

ネッカー川や、森を散歩する時、私の中に、風が吹き抜ける瞬間を感じたものだ。日本よりも、退屈で、刺激のないと思っていたドイツの日常だが、あそこは、静かに、ものを考えるには、適している場所でないかと思う。

もうすぐ、そこへ帰る。待っている人もいる。ドイツの夏休みは、もうすぐ。