ラ・ヴィータ イタリア

イタリア:ベニスでの日常生活やベネチアンガラス工房のお店“L'albero”での出来事、イタリア&海外お奨めスポットなど

不思議な一日 パート②

2010-03-07 05:27:53 | ラルベロ(店)での出来事
同じ日の午後にまた一組のご夫婦が
“Pino”といいながらお店に入ってこられた

どこかで見覚えのあるお顔???

そうそう!毎年夏にスイスからこられるPinoの作品のコレクターさん

この方はこられると必ず何かしら大物をお買い求めになられる
ここ数日売上げさっぱりだったので私達には救世主のように見えた!

いつも店内奥にあるPinoのコレクションボードの中から何かを選ばれる
というかそこを目指してやってこられる

今回もまたPinoとの交渉が始まった

基本的にこのコレクションボードの中のものは非売品になっている
どうしてもいう方には可能なものに限りお買い求めいただいている

今回は人間の顔を立体的に表現した細工ビーズをお買い上げ



このビーズはあるマエストロが製作されたものでPinoが作ったわけではない
ご縁があってPinoコレクションボードにやってきたものだ


そしてもう一つ午前中に引き続き午後のこの方も蝶々デザインのペンダントと


アンティークミッレフィオリで作ったラルベロのペンダントを選ばれた


そして交渉成立と言う段階で工房内であるものを見つけられた

なにかというとゴロンとした石のような状態の電気炉から出したばかりのペンダント

実はこれPinoが今回の日本での実演販売中に一生懸命製作していた大作のペンダント
製作中見ておられるお客様も
“なにができるのか想像つかないけど大作作ってるねー”と言っておられた

これ今年の秋からデパートでの販売の新作として
最終仕上げをして再度日本に持っていく予定の品物だった

さすがコレクターさん、沢山ある中から一番できの良いものに目をつけられた
Pinoはまたまた嬉しそうにこのペンダントの説明にはいった

さーそうなるとコレクターとしてはどうしても欲しいわけで、、、

でもPino“これは日本に持っていくものだから販売できない”と返事している

たしかに出来は素晴らしかった、、、

彼は“へーこんなに沢山あるのに全部日本用だなんてそんなこと言わないで
譲って頂戴よー”と必死に説得

“うーんこれは日本用だから、、、、”

そしてPinoは最後の最後には“佳奈枝どうしよう?”と私に聞いてくる

正直かなり良いできのペンダントだったので私も迷った?
ちなみにこんな感じ


本来ここからドーム状に削ってペンダントに仕上げる

でもこの売上げの少ないこの時期、わざわざ毎回ベニスにきたら
必ず“ラルベロ”に来てくださるのだから無下にだめだというのはちょっと忍びない

ペンダントをよく見ると材料はまだ工房に残っている
時間さえあればなんとかもう一個製作できるかもしれない

で私“ご購入いただいたら?秋までまだ時間あるからなんとかもう一つ作れるでしょう?”と言うと

Pino“うーんこれだけ仕上がりよくできるどうかはわからない”と

“大丈夫あなたならできる”という私の一押しで販売決定

何故かPinoは最後の決定権を私に振ってくる、、、
というか自分の中ではもう答えはでているのに、、、、
私もお客様の目の前で“だめ”とはやはりいえない

コレクターさんご満悦!そしてPinoと一緒に記念撮影



さすがコレクターさんだけあって仕上げないでそのままの状態で欲しいと言うことで
片面だけ綺麗に柄がわかるように切って研磨をかけた!

そういえば日本のデパートでもご年配の男性がやはり釜から出した状態のままで買いたいと
いわれお渡ししたことがある



研磨をかけるとこんな感じに




この方いつも工房内でPinoが仕上げをしている姿をまるで子供のような目で
にこやかに眺められている



嬉しくてたまらないようだ!

いづれにしても一日二組とも普段誰も訪ねない蝶々をラルベロでゲットされた

そういえば日本の在庫にも蝶々のデザインペンダントが一つあったなー!

こんな話が続くと蝶々デザインもいとおしく思えてきた