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ストループテストというのは、色インクで書かれた色名を答えるとき、インクの色が名前とちがっていると、答えが遅れたり書かれている文字を読んでしまったりする現象です。
たとえば青い字で「赤」と書いてあるのを、「青」と答えるべきなのに、つい「赤」と文字を読んでしまったりするのです。
これは文字を読むということが自動化されているため、文字の色と文字とが違っているとき、つい文字を読んでしまうためとされています。
つい文字を読んでしまうという自動的な行動を抑えて、文字の色名を答えるために、意識的な力が必要なので、前頭葉がはたらくということで、この作業が前頭葉を鍛える訓練になるかのように思う人もいます。
ほんとうに前頭葉のはたらきを高める効果があるかどうかはわかりませんが、このテストをするとき前頭葉が働くので、効果があると決め込んでいるのです。
上の図はストループテストの逆のテストです。
画面の上に赤または青の円が表示されたとき、青い円なら青と書かれたボタン、赤い円なら赤と書かれたボタンを押します。
円は左または右または中央にランダムに表示されるのですが、ボタンには文字が書かれているので、文字読みが自動化され優先するならば、円がどの位置に表示されてもスムーズに正解ボタンを押すことができると予測されます。
ところが円が表示されてからボタンを押すまでの時間を計ると、ボタンと同じ位置に表示された場合がもっとも時間が少なく、反対側に表示された場合がもっとも多くなります。
また、つい押し間違えるというのも、色とボタンの位置が同じ場合は少なく、違う場合が多くなります。
ストループテストと違って、この場合は声で答えるのではなく。ボタンを押すことによって答えるのですが、ボタンの位置が干渉して、答えを遅らせたり、間違えさせたリすtるのです。
この場合はボタンに赤とか青という文字を書いているので、言葉と関係がありそうに見えますが、実は文字がついていなくて、単に赤のときは左、青のときは右のボタンを押すということにしていても同じ結果が得られます。
つまり文字がなくても、ボタンと円の位置が同じか違うかという、位置関係によってもストループ効果と同じような現象がおきるのです。
このテストは、簡単な課題ですから楽にできそうなものですが、答えを出すのにつっかかったり、間違えたりするのは、この課題が難しいからではありません。
これは答える時間を計るので、回答する人にはタイムプレッシャーというものがかかります。
速く答えようとするため、プレッシャーがかかり、エラーを起こしやすくなり、判断がスムースにできなくなるのです。
したがって何回も練習して慣れれば、タイムプレッシャーがかかりにくくなり、そのことによる成績の向上もありえます。
しかし、そのことで前頭葉の機能が高まったと期待できるどうかは分かりません。
似たような課題で、子供にゴム球をもたせ、ランプを点灯して赤ならゴム球を握り、黄色なら握らないというテストで、前頭葉の発達を評価するというのがありました。
このテストでは最近の子供のほうが、以前より誤答率が多く、また中国の子供より成績が悪かったということです(10年ほど前のことですが)。
これは子供がゲームなどをするようになったので、前頭葉がはたらきが悪くなった証拠のように考えられたようですが、そんなことはなかろうと思います。
それはこういう課題に対し、最近の子供がついタイムプレッシャーを感じやすいということなのではないかと思われます。
ゴム球を握るテストは速く答える必要はないというものなのですが、ゲームなどをするようになって、つい速く答えようと、みずからタイムプレッシャーを書けるクセが、昔の子供より顕著になっている可能性があります。
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