真実と幻想と創価学会

創価学会について色々書いています。ほぼ毎週日曜更新。

マインドコントロールとは何か より「特定の状況に作用するルール」その1

2012-10-28 17:37:58 | カルト宗教
マインド・コントロールとは何か マインド・コントロールとは何か
価格:¥ 1,427(税込)
発売日:1995-08

第4章 一時的マインド・コントロールの原理と実際 より

特定の状況に作用するルール――① 返報性

 返報性とは、「相互に報い合う」という意味である。チャルディーニによれば、日本も含めて私たちの多くの社会では、価値のあるものを受け取ったら、それ相当のお返しをするということが自動的な反応となっているという。

 ~中略~

  人は、自分が相手に支払ったコストと相手から得られた報酬のあいだでうまくバランスがとれていないとき、不快な感情になるものである。つまり、人は一般に相手にだけ得をさせると、相手に対してずるいとか損をした思いになりやすく、不満になる。それとは反対に自分だけ得をすると、相手に対して悪いと思いやすく、罪悪感を感じてしまう。そうした自分がもたらした相手の不満を解消させたり、罪悪感の気持ちから逃れようとして、人は自動的に相手の要請に応えるというような返報的な行動に出やすい。このように相手に返報するという行動は私たちの社会の中で常識化しており、他者から恩恵を受けたときの自動的な反応となりやすい。
 返報性のルールを、セールスの世界で承諾を誘導するテクニックとして応用したのが、試供品を配るとか、個別訪問して親切にふるまうとかであるといえよう。
 とくに、「ドア・イン・ザ・フェイス(door in the face)」の技術などは、その原理を利用したきわめて巧妙なセールス技術である。
 それは、最初、受け入れがたい大きな要請をダミーの要請として用意し、まずはそれを要求し、相手にいったん拒否させる。そうしたら、要請者は譲歩して目的の要求を出すというものだ。この方法は、
「相手に譲歩させた」という認知が社会的交換法則にのっとり、その相手に対して、何らかの「お返しをしなくてはいけない」という気持ちを生じさせることを利用する。
 破壊的カルトの勧誘は、一般に優しくて非常に親切である。親身に相談にも応じてくれる。「楽しい」場や、「ためになる」イベントや集いに招待してくれる。また彼らの勧誘は、真剣で真面目で一生懸命であり、誠意を尽くしてくれる。ターゲットにされた被勧誘者は、こうした誘いに対して返報性のルールをはたらかせて、話くらい聞いてもいいのではないか、断るのは一度だけ参加してからにしよう、という気持ちになりやすい。
 またドア・イン・ザ・フェイスのような方法は、「知覚のコントラスト効果」といわれる心理状況も含まれているために、特に有効なのである。人は軽いもののすぐあとに重いものをもつと、非常に重く感じるものである。あるいは長いものの隣に置いた短いものでもよい。安いものと高いものでもよい。つまり、対比になるものが対で呈示されたときに起こる、錯覚現象なのである。この効果を破壊的カルトは勧誘話にもちこむことがある。彼らはメンバーに加わる際に、非常に無理な額の寄付を要請しておいて妥協してみたり、無理な行動を要請しておいてから、妥協して少し簡単な行動を要請するのである。
 あるいは、
きつい冷酷な言葉の内容と優しく甘い内容とを巧みに呈示して、コントラスト効果をもたらすことがある。たとえば、宗教的な装いをした破壊的カルトは、人間の罪や地獄といった恐い話のすぐあとに、天国や救済の話を説くのである。もう少し具体的にいうと、ターゲットの被勧誘者を複数で囲んで、一人の強面の男性勧誘者が「このままでは地獄に落ちるぞ」などと恐怖に満ちたアッピールをする。そしてもう一人の優しい女性勧誘者がやさしいものごしで、「でも言うとおりにすれば大丈夫よ」とフォローする。

なんだか久しぶりの本の紹介です。

現在の創価学会では今から入信する一世は少なく、ほぼ産まれたとき自動的に入信させられた二~四世が多いので勧誘のテクニックはあまり関係ないかと思いましたが、上記の返報性やコントラスト効果というのは学会から心が離れるのを引き止めるためにも効果があるようなので紹介します。

多くの人は創価学会で真面目に活動すればするほど、何かしら損をした気分になるでしょう。実際損してますから。うまくラッキーな出来事が重なれば、それを報酬と受け取ることもできますが、そうそうタイミングが合うものではありません。

ギャンブルと同じで、その「損」を取り返そうとますますのめり込むような負のスパイラルが学会活動にも当てはまると言えるでしょう。

しかし「損」を最も少なく抑えるのは、今すぐここで、辞めてしまうのが一番なのです。この踏ん切りが人間にはなかなか難しいものです。

そして支払ったコストと報酬のバランスが取れていないという不快な状態が続く。学会に身を置いて精神の安定を得られるわけがありません。

全員が全員とは言いません。中には頑張って活動すること自体が楽しく生甲斐のようにやっている方もいらっしゃるでしょうから。

そしてコントラスト効果というものは、話に聞くだけですが創価班などの特殊な訓練(指導?)の場で使われているんじゃないですかね。

結構キツイ指導をされると聞きますが、フォローする人もちゃんといて逃げ出しづらい状況であるというようなことを、そこここのブログで拝見します。

また退会しようとする人に対しても、使われそうですよね。

そして「落として上げる」という手法は、池田氏の人心掌握術にも見てとれます。矢野氏などが著書でよく書いていますね。

こうした心理に陥ることを、知識として頭に入れておくだけでいざその場面に出くわしたとき、対応は違ってくるでしょう。


6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クロさんこんばんは。 (河童)
2012-10-29 20:15:49
クロさんこんばんは。

>ギャンブルと同じで、その「損」を取り返そうとますますのめり込むような負のスパイラルが学会活動にも当てはまると言えるでしょう。

新池御書に「譬えば鎌倉より京へは十二日の道なり、それを十一日余り歩をはこびて今一日に成りて歩をさしをきては何として都の月をば詠め候べき」というのがあって、学会では「今やめたら損しますよ」との定番指導があります。
真の仏道修行なら「悟り」を目標としながらそのプロセスも価値的なのですが、学会活動にはゴールがなく都度の戦いあるのみで、勝ちにつながらないプロセスには価値が無いらしいです。
ついでに言うと、若くして悟りを得て良いのは永遠様だけで、その他の学会員は「悟った」などと言うと「増上慢」認定です。故に死ぬまで走らされるんです。ゴールは未だだと。

行動経済学に「プロスペクト理論」というものがあります。詳細は検索して頂くとして…
「人は目の前の利益に対してはその確保を優先し、目の前の損失に対しては損失そのものを回避しようとする傾向が強くなる」とのことです。
借金の無い人は宝くじで100万円当たっても全額散財することはしないが、200万円の借金のある人は100万円全額をギャンブルに使い一発逆転を狙う…みたいな。
なぜか・・・人は損失解消に対しては過剰にリスクを取る傾向があるのだそうです。本能的に「負け」は嫌いだから。

功徳話にはすぐに飛びつきそれを確保するべく活動に励む。不幸に遭えば罰としてそれを乗り越えるために過剰なほど一心不乱に活動に励む。
何もなくても活動に乗らないこと自体が罰をもたらすとしてこれを回避しようと活動に励む・・・
どこを切り取っても活動ありきなんですね。学会活動していない一般人は罰だらけ、とでも言いた気に。
自立心が乏しい人たちには学会活動でも一定の成長効果があるとは思います。
一定とは・・・かな~り深い水面下ですが、そこで満足してしまう人たちは自ら覚醒することが無さそうです。
水面に顔を出した河童は叩かれますがね。
法難? キモイだけか。


ところで先週の報道ですが・・・2012/10/26 日本経済新聞
「日本経済新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)の共催で26日に都内で開いたシンポジウムで、リチャード・アーミテージ元米国務副長官とハーバード大のジョセフ・ナイ教授は野田佳彦政権が打ち出した2030年代に原発稼働ゼロを目指す方針について『受け入れがたい』と強調した。」

ジャパンハンドラーズに名前が挙がる二人ですが、このナイ氏と言えば・・・第28回「SGIの日」記念提言で、センセイは以下のように述べています。

「…こうした傾向に警鐘を鳴らしている識者の一人に、私も旧知のハーバード大学ケネディスクール院長で、国防次官補を務めたことのあるジョセフ・S・ナイ氏がいます。~中略~たしかに、テロ行為は絶対に是認されるべきものではない。それと戦うために、ある場合には武力を伴った緊急対応も必要とされるかもしれない。また、そうした毅然たる姿勢がテロヘの抑止効果をもたらすという側面を全く否定するつもりはありません。ナイ氏が一時、ペンタゴンの要職に就いていたように、軍事力を全否定するということは、一個の人間の「心情倫理」(マックス・ウェーバー)としてならまだしも、政治の場でのオプション=「責任倫理」としては、必ずしも現実的とはいえないでしょう。 しかし、ハード・パワー、とくに軍事力が、憎悪と報復の連鎖に陥ることなく、何らかの効果を生むとすれば、それを保持する側に、あるいはやむを得ず行使せざるをえない場合でも、そこに徹底した自制心、それ自体、ソフト・パワーの淵源でもある自制心、節度が働いているかどうかにかかっていると思います。」

この提言が後の公明党による自衛隊イラク派遣のお墨付きとも言われる訳ですが、そこにナイ氏の論説が引用されたことを学会員は認識する責任があります。ナイ氏とは何者で米国の対日政策で何を行ってきたのか? 知れば右京さんでもビックリ?
それにしても誰かさんは自称仏法者のくせに政治臭ぷんぷんですね。
確かにクロさんの言う通り、人の記憶は1ヶ月で曖... (稲荷)
2012-10-31 18:35:15
確かにクロさんの言う通り、人の記憶は1ヶ月で曖昧になった方が幸せになれますね。記憶した事を一切忘れない脳の病気っていうのが昔、TVでやってたのを思い出しました。何でも鮮明に覚えてるのは便利な反面、想像出来ない辛さがありますね。二世という生まれながらの運命は変えられませんが、これからは楽しく生きてみようと思います。「人生は楽しんだ者勝ち」とも言いますし。(^^)
探偵ナイトスクープは、何かの捜索から虫からペットに克服に妙なパラダイス施設など。とても面白い番組ですよね。笑

今回の返報性と知覚のコントラストは、活動時代を振り返りながら読んでて思い当たる節がありました。
知覚のコントラストは、(他の宗教は)成仏出来ない・地獄に堕ちると言っといて、次の台詞はいつも『でも、創価はね!』。返報性は、『みんおん』とか何かのイベントに一緒に行くとかぐらいしか思い当たりませんでした。範囲を広げるとお菓子とか物(可愛い文房具とか)が貰えるとかも含まれるかもしれません。バリ活じゃなかったんで、あまり詳しくないです。(^^;)
話は変わりますが、宗教を誰でも手軽に作れる時代になって、インスタント化した新興宗教というのが今の世の中には沢山あると思います。ですが、宗教とは本来、開くべき人が長い時間を経て開き、後にそれを受け継ぐべき人が受け継ぐものだと思います。(ブッダは実際そうでした。)新興宗教の胡散臭さは開くべき人でもなければ、受け継ぐべき人でもないから、嫌われ者なのかも。と最近、新たに気づきました。(チラシに某新興宗教のアニメ映画が入ってたのを見つけて、こんなことを書いてしまいました。笑 好きな声優さんの名前が載ってたのは少しショックでしたが…^^;)
クロさんこんばんは(^^) (ミルフィーユ)
2012-11-01 18:01:29
クロさんこんばんは(^^)

出た~~!(笑) 今日の聖教3面に池田夫妻のツーショット写真が載りました。

相変わらず代わり映えのしない奥さんの髪型やスーツやバッグや靴。。。

名誉会長はと言えば、カナダの名門大学から贈られたと言うローブとケープを着用し直立不動で写ってました。
またまた撮影日時が不明で「本年10月、東京・新宿区内で」とありました。 どう見ても学会施設でしょうに何故新宿区内なんですかねえ。

写真をながめていたらあれ?っと思うことが。 奥さんがバッグを持ってる左手はハッキリキレイな色で写ってるんですが 右手は??? なんか左手と全く色が違いボヤ~としてるんですよ。
名誉会長の両手もボヤけた感じで… 奥さんの左手の写りに比べ不自然なんだよなぁ。 って感じたのは私だけ?(笑)


シッカリと背筋を伸ばしてお写真を撮るほどお元気なら 何も車の中からの激励じゃなくてせめて降りて激励できたでしょうにね。

アフリカのメンバーを車中から激励した例のアレですが その後ことあるごとに聖教にその関連記事が載ったり 「SGI会長と出会いを刻んだアフリカの友」と題して上中下にわたり決意の声が掲載されたり。

そうそう話は変わりますが、今日の4面幹部座談会に ノーベル賞受賞の山中教授のことが書いてあり 「…山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞することに決まりましたが、その陰にも公明党の支えがありました…」ですって。

研究開発に対する予算をつけたり支援額を増やしたり公明党が与党時代にやったんだ!と。

また受賞決定後に忙しくて約束した講演を断っているさなか、「きょうは何があってもここに来たいと思っていた」とわざわざ公明党の会合に出席したことなども書いてありました。

今後はこのネタをF活動にシッカリ生かしたりして?。。。
河童さんへ (クロ)
2012-11-11 19:01:54
河童さんへ

>真の仏道修行なら「悟り」を目標としながらそのプロセスも価値的なのですが、学会活動にはゴールがなく都度の戦いあるのみで、勝ちにつながらないプロセスには価値が無いらしいです。

これは私も創価学会を知るようになってから常々思っていたのですが、失敗や負けることの価値を何だと思っているのでしょうね。
勝つことより負けることの方が得るものは大きいと、私は昔から思っていたものですから。
負けない人間、負けを認めない人間のなんと安っぽいことかと思います。

「プロスペクト理論」興味深いですね。
この心理作用は知っていましたが、名前があるとは知りませんでした。
さすが河童さん、博識ですね!


>どこを切り取っても活動ありきなんですね。学会活動していない一般人は罰だらけ、とでも言いた気に。

そうなんですよねー。
そもそも活動が功徳と結びつくというのがMCどっぷりなんですけどw
そこに気づけば学会活動の馬鹿馬鹿しさや、反社会性に対しても少しは思い至るだろうというものなのですけれどね。
学会活動というものがあまりに神聖視されていて(池田氏に対してもそうですが)、それについて考えるということの罪悪感がネックですね。

センセイの「SGIの日」記念提言、およそ宗教家の発言ではありませんね。
まあ誰が考えてるか知れたものではありませんが。
およそ宗教家ではありませんし、そもそも「平和」についてどう考えているのか、疑問が湧き上がらないものでしょうか。これを聞いた人たちは。
「この提言が後の公明党による自衛隊イラク派遣のお墨付き」とは、公明党の存在位置がますます危ういものになっていますね。まあ最初からですが。
それにしても「ジャパンハンドラーズ」ですか。勉強になります。
日本植民地化を目論むと言われているようですが、そもそも創価学会ってそういうものじゃなかったっけ?と平然と思う辺り私も危機感が一周してしまっている気がしましたw
稲荷さんへ (クロ)
2012-11-11 19:19:32
稲荷さんへ

忘れられないという症状(?)は、マンガや小説の世界でもたまに登場しますね。
稲荷さんがショックを受けた某新興宗教の信者のマンガにも、目にした場面を写真のようにずっと忘れず覚えているという少女が登場します。
探偵には便利な能力ですが、凄惨な場面を一生鮮明に覚えてしまうという想像を絶するストレスも抱えていました。
やはり「忘れる(思い出せない)」という脳の仕組みは、人間にとって必要なものなのでしょうね。
「人生は楽しんだ者勝ち」、いい言葉ですね。
確かに二世という運命はどうしようもないものですが、辛いことや不運なことというのは誰しもあるもの。
それらをどう人生の肥やしにしていくかは、その人次第ですからね。

創価における返報性の最たるものは「家庭訪問」ではないかと思いました。
「わざわざ」家に出向いてきてくれて不在ならば手紙まで残してくれて、話を聞かなければ申し訳なく思ってしまうというような。
しかしそれも過ぎたるは及ばざるが如しで、ウザがられ迷惑行為に成り下がっているのが現状でしょうが。
それでも本人が迷惑と思っていても、お人よしの日本人ですから相手の「わざわざ」の行為(コスト)に対してこちらが一切の報酬を支払わないということには少なからずストレスを感じてしまうのでは思います。

インスタント化した新興宗教とは、上手い表現ですね。
宗教法人の認可はかなり簡単な条件で取れます。
また認可などなくとも「自称」でも宗教は可能ですからねぇ。
かつて池田氏は「(戦後の日本で)宗教は乱立して戦国時代のようなものだ、学会が天下を取るのだ!」と号令を発しました。
はて、宗教ってそういうものでしたっけ?とは誰も考えなかったのでしょうね。
ミルフィーユさんへ (クロ)
2012-11-11 19:31:09
ミルフィーユさんへ

ほう!出ましたか!
またしても怪しさ満載のお写真が!w
撮影日時と場所の特定は、もう恒例ですね。明記するとまずいことが起こるんでしょうねw
奥様の隣が実物等身大パネルでないことを祈りますw
違うというならせめて動画を!w

山中教授のことに言及するとは公明党も浅はかな…。
与党時代に為された良い事は公明党の手柄、悪いことは自民党の暴走ですからね。
まあそれはいいとして、「日の丸の支援のおかげ」と記者会見で言い切った方をネタにF活動はできないでしょうw
日の丸なんか嫌悪してるんじゃないの?っていう公明党と創価学会がどの口で言うかって感じですわ。
関係ない話ですが、私は山中教授の記者会見で「おぉ、ここまで言うとはかなりの愛国者なんだなぁ」と、とても嬉しく思ったのですが、その後民主党の事業仕分けの犠牲に遭い資金集めにかなりご苦労をされたと知りまして。
愛国者でらっしゃるという認識は変わらないのですが、あの記者会見での発言はかなりの「民主党への皮肉」と、「次代への研究者への道」を拓くためだったのかなぁと思ったりしました。
ああ言われちゃあ民主党の売国政治家といえども、研究費を支援しないわけにはいかないですからねぇ。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。