6月20日、6月議会の最終日に審議された最低賃金引き上げを求める意見書に対し、私が賛成討論を行いました。
以下はその討論原稿です。
意見書案第4号「神奈川県最低賃金改定等に関する意見書」について、日本共産党綾瀬市議団を代表して賛成の討論を行います。
現在、神奈川県の最低賃金は、836円ですが、私たち日本共産党としては、神奈川の最賃だけでなく全国一律に最低賃金を1000円以上にする必要があると考えています。
生活保護を受けている世帯の12・9%は働いている世帯ですが、最低賃金を時給1000円に引き上げれば、働いても生活保護を受けざるをえない16万4000世帯の収入が改善し、3800億円の財政支出が削減となります。これは、労働運動総合研究所が試算を行い、今年の5月に発表した「最賃引き上げは日本経済再生の第一歩」という報告書にある数字です。
この試算によると、最賃を時給1000円へ引き上げると、2252万人の労働者の賃金が月平均2万4049円上昇し、全体の賃金総額が年間6兆3728億円増加します。それにともない、内需(家計消費支出)が4兆5601億円増加し、国内生産が7兆7858億円拡大、国内総生産(GDP)を0・8%押し上げる効果があるとしています。日本経済再生の道は、内需の拡大にあることがわかります。
最低賃金の1000円への引き上げには、企業全体で6兆5841億円の原資が必要ですが、これは、資本金10億円以上の大企業の内部留保266兆円(2010年度末)のわずか2・5%ですむことです。2009年から2010年の一年間で9兆円の内部留保が増えている
のですから、これの一部をまわせば簡単なことです。現在、大企業と中小企業の関係は、お互いが利益を上げていくという構造ではなく、中小企業を絞れるだけ絞って大企業だけが巨大な利益をあげていくという歪んだ構造になっています。そこに、しっかりと政治のメスを入れ、大企業の下請け買いたたきをやめさせることや中小企業支援策を強力に打ち出すことの必要性も、合わせて述べさせていただきます。
また、民主・自民・公明が高級ホテルの一室で合意した消費税の10%への大増税は、こうした最賃を引き上げて、暮らしを改善させよう、内需を元気にして日本経済を再生させようという動きに対し、冷や水を浴びせかけ、日本経済をこれまで以上の奈落の底におとしめる愚かな政策であることを最後に指摘し、最低賃金の引き上げに賛成する討論といたします。