国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

大丈夫かアメリカ(日本てダメなの?)

2011-09-20 01:00:00 | 経済投資



先日ラジオのポッドキャストでBBCのニュースを聞いていたら、アメリカの経済危機について特集していた。
貧困層が急激に増えていて国民が将来に希望を持てなくなっているという話だ。
まあ、それ以前にイギリス経済も相当おかしくなっている。

先日の英国での暴動。
その後のニュースがあまりなく、原因については分からないことが私には多い。
わからない、しかし問題が経済についてだということは想像がつく。

暴動の原因は大体いつでも分配だ。
米国同様、債権金融が経済を引っ張ってきた英国。
製造業などの実際の産業は衰退を続けている。

マネーの世界には人手はいらない。
経済は拡大しているようにも見えても大した雇用を創出しない。
雇用なき成長は虚構の繁栄と言ってもいいと思う。
金融業者は有り余った低金利の資金を運用すべくコンピューターを回す。
巨額のマネーを商品などの比較的小さい規模のマーケットの投入すればブル市場は簡単に作り出せる。
そこで一挙にカネを抜けば暴落も演出できる。

近頃の市場のボラティリティをみていると、金融マフィアの独壇場という気がする。
比較的余裕のある一般投資家がターゲットとなってカネをむしり取られているなという感じだ。

新自由主義とかいうマネー・ゲーム経済では富裕層がますます豊かになる。
先富政策とか言って、上が成長の恩恵を受ければ経済全体が潤うという考えもあったが、
どうも、そううまい具合にはいかないようだ。

結果は中産階級の没落。
雇用が回復しなければ中間層が貧困層に吸収される。
一握りの大金持ちと多数の低所得者に二分化だ。
そして数の多い低所得者層の中で仕事の奪い合いが始まる。

先進国で先ずターゲットになるのが移民。
仕事の取り合いだ。
そして職を失った移民は母国に帰る?

彼らは先進国に残るんですな。
福祉が行き届いている。
母国とはえらい違いだ。
仕事が無くても最低限の文化的生活が送れる。

すると今度は自国民(例えば英国の低所得者)が俺たちの税金でやつらを食わせるな、
余ったカネがあれば俺たちに回せ、ということになる。
イギリスの暴動も、ノルウェイの虐殺の背景もそんなところだろう。

アメリカではサブプライムに端を発する金融危機から銀行を守るために米国債の乱発でドルが無制限に刷られた。
この輸血を続けないと経済破綻、という自転車操業。
財政赤字は増えるばかり。

そこに待ったをかけたのが茶会だ。
大きな政府に反対する伝統的なアメリカ主義の保守層。
連邦政府は一度破産して出直したほうがいいと考える地方分権主義。
オバマは2兆ドルの支出削減を約束させられた。

何を減らすか。
軍事費は軍産複合体の抵抗が強く大幅カットはオバマの身の危険にも繋がりかねない。
結局セーフティー・ネット等の社会保障費が削減される。

貧困層直撃だ。
いつの間にかハンパ無いのが貧困層の数。
米国勢調査局の最近の発表では、2010年の米国の貧困者が4618万人(前年は4356万9000人)と、統計を初めて公表した1959年以降最多になった。
全人口に占める貧困者数の割合は15.1%(同14.3%)と、3年連続で上昇。
4人家族の場合、年収が2万2314ドル(約172万円)以下の世帯が貧困層と定義されている。

3人家族で月に100ドル弱のフード・スタンプを給付されている人が4500万人に達しようとしている。
上記の貧困層とほぼ同数だ。
アフリカの貧困層とアメリカの貧困層で大きく違うのが体型だ。
値段は安いが、脂肪分や糖分の高い食品を摂取するので肥満が多い。
当然、健康に不安を抱える人も多い。

潜在的暴徒と言ったら失礼だが、この層が更なる苦境に立てば社会不安は高まるばかり。

栄華を誇った上層の金融界も安泰とは言えない。
アメリカ最大の銀行である「バンク・オブ・アメリカ」が3万人の人員削減計画を発表。
焦げ付き住宅債権をしこたま買わされたバンカメの超大型倒産も噂されている。
バフェットが50億ドル出して買い支えようとしているが焼け石に水かもしれない。

オバマは35兆円の雇用対策をするというが財政難の州や地方自治体では10万人以上の雇用削減を行っている。
州政府は1兆1900億ドル、地方自治体は1兆7400億ドルもの財政赤字を抱えている。

結局は更なる資金供給のQE3で時間稼ぎというのが大方の見方だが、
連銀の資産はこの3年で膨らみ切っており、最近ではバーナンキの口からもQE3の話は出ない。
先ず約束した2兆ドルの歳出削減に目処をつけなければ茶会が黙っていない。
アメリカ会計検査院(GAO)がアメリカ連邦準備理事会(FRB)に監査を行った結果、
07年12月から10年7月21日までに金融機関に行った融資の総額が16兆1千億ドルであったと。

いやはや滅茶苦茶な「飛ばし」だな。
アメリカ政府の赤字は約1兆5千億ドル。
アメリカのGDPは14兆1200億ドルしかない。

16兆ドルですぞ。

財政赤字ではないんですな、本当の問題は。
これだけの資金を富裕層の銀行に注ぎ込んだアメリカ政府。
今でも政治家のスポンサーは富裕層。
メディアが既得権益者の方を持ち公平な報道をしないのも日本と同じだ。

S&Pの米国債格下げは、あたかも間違った判断だったかのように扱われ忘れ去られようとしている。
米国債の価格は上がったからね。
賢い連中は株式市場からカネを抜いた。
株や商品が下がると有り余るマネーの行き先が無くなる。
銀行に預けるのも危ない。
タンス預金も無理だ。
行き場を失ったカネが「安全資産」米国債へと向かう。

また、当然の帰結として金の高騰となったが世界中で今度は個人による金取引に規制の網を掛ける動きが出てきた。
個人の抵抗には限度がある。
アメリカは借金踏み倒し態勢に入っているのだろう。

金と言えば、日本では高騰した今が売りどきという話をよく聞く。
そうかもしれないが、中国は逆に買い漁っているらしい。
金準備を増強して将来の元の国際化、或いは基軸通貨化の準備をしているとか。
侮れないな、中国。

英米覇権の終わりはとっくに始まっている。
中韓やロシアと諍いを起こしている時ではないと思うが。
彼らと友好関係を持たないというオプションは日本にはない。
まだ、アメリカの目を通してしか世界を見られない官僚や政治家、メディアが跋扈しているのが不思議で仕方がない。

さて先のBBCのポッド・キャストでは英米が「日本の様にならないために」みたいな話をしていた(笑)。
お決まりだ。
勝手に言わせておけばいい。
治安、健康など、まだまだ世界のトップクラス。
移民問題も無い。
日本では(比較の問題だが)中産階級はまだまだ健在だ。

お洒落な盛り場のレストランでは広範囲の年代に亘るご婦人たちがクオリティの高い食事に舌づつみを打つ。
別にセレブでない人が普通に楽しむセレブランチ。
経済の先行きに不安を覚えながらも話題は海外旅行。
ドルもユーロも安いしね。

週末はゴルフ?
若い人達のゴルフ人口も増えているようだな。

GDPの成長ではダメダメな日本。
しかし衣食住の水準は依然として高い。
日本のメシが不味くならない限り住むに値する国だ。

通貨の価値は生活経済の強さを反映するのかも知れない。






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