四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

アカボシゴマダラの産卵

2013-07-30 19:32:00 | 相模原・県央
神奈川県では、1998年に初めてアカボシゴマダラが確認され、現在、南関東と静岡・山梨県に分布を広げています。起源は中国大陸。沖縄県に生息するものとは亜種が異なる、外来種として扱われています。
今では自宅近くでも見られる普通種で、自宅に成虫2頭が飛来したことも、幼虫が何頭も見られたこともあります。


アカボシゴマダラ♀

7月23日、近くの雑木林の日向のエノキ幼木に♀が産卵行動をとっているのを見付け、追いかけると、少し離れた幼木でも産卵の姿勢を見せました。



隣の葉でも産卵の様子だったので、飛び去ったのち、葉の表を確認しました。




アカボシゴマダラの卵

卵1個を確認。それ以降の様子を近々覗いてこようと思います。


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夏の丘陵地の蝶たち

2013-07-25 09:37:00 | 南多摩
7月22日に丘陵地で見た蝶たちを紹介します。


ジャノメチョウ♀

6月27日には♂ばかりでしたが、この時期はほとんど♀でした。草むらに隠れており、近づくと飛び出し、林内の笹薮に逃げ込むシーンも。


クヌギの樹液酒場にて(10:15撮影)

クヌギの幹ではアルコール臭がしますが、オオムラサキはおろかカナブン、スズメバチの類も不在でした。いたのはこの虫(ノコギリカミキリ)だけです。


クロヒカゲ

この樹液酒場近くの笹薮に、クロヒカゲ2頭が潜んでいました。2化なのでしょう。


ダイミョウセセリ

ヒヨドリバナが咲き始め、ダイミョウセセリ1頭だけが来ていました。2化です。


ヒメジャノメ♂

尾根の笹の上にいました。ヒメジャノメは今年の初見。コジャノメを見る機会は多いのですが、ヒメジャノメには縁がありません。これも2化ですね。


スジグロシロチョウ

尾根の日陰に咲くアキノタムラソウにて。この株の花が気に入ったらしく、長いこと滞在していました。


クロコノマチョウ

以前ヒカゲチョウが集まっていた尾根のコナラの樹液酒場に立ち寄ると、近くの草むらから2頭のクロコノマチョウが斜面を下るように逃げて行きました。3頭目を追いようやく撮影。証拠写真です。この辺りでの目撃は初めてです。

その先の陽だまりのヒヨドリバナでは、去年の同じ時期7月19日にメスグロヒョウモン♂やジャノメチョウ♀など多くが吸蜜していたのですが、今年は開花が遅いせいか蝶影なしでした。


モンシロチョウ

明るい谷戸に下りるとモンシロチョウがアキノタムラソウを訪花していました。

※写真2枚目の種名をノコギリカミキリと教えていただいたshoucanさん、どうも有難うございました(7月28日記)。
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多摩丘陵の花たち

2013-07-23 19:30:00 | 南多摩
7月22日、ヤマユリの咲く丘陵地を歩きました。



雑木林の尾根から谷戸に下る途中にひっそりと咲いていました。



ひときわ華やかなヤマユリ。園芸品種なんでしょうか。


タマノカンアオイ

昨年花を見たことのあるタマノカンアオイが同じ場所で健在でした。山梨県南部から伊豆半島に分布する「アマギカンアオイ」の変種です。類似種のランヨウアオイとカンアオイは、多摩丘陵には分布していません。
昨年の記事はこちら


ノギク

もう咲き始めていました。詳しい種類は分かりません。


メドウセージ

道沿いに咲いていました。遊歩道などでも咲いていますね。


百日紅

ベニシジミとヤマトシジミが百日紅付近で場所争いを演じていました。この時期、ベニシジミは再び数を減らしています。


ウマノスズクサ

花が咲いていました。昨年はジャコウアゲハの幼虫が見られましたが、今年は食痕が見当たりませんでした。

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相模原公園の蝶たちとそのくらし展

2013-07-18 16:34:00 | 相模原公園・北公園
7月31日より8月18日まで県立相模原公園にて
『相模原公園の蝶たちとそのくらし展』が開催されます。

相模原公園のポスターです。





下は、サカタのタネの発行する園芸通信の7月号に掲載された、展示会の紹介記事です。

クリックすれば拡大して見られます



僕は、5名の相模原公園の生きもの調査員の一人として、園内にどのような蝶が見られるのかの調査と撮影を行なってきました。今回は、子供たちにも来てもらえるように夏休みの開催となりました。もちろん、蝶や花に関心のある大人の方もぜひぜひお越しください。美しい植物画の展示もございます。
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クロコノマチョウの羽化

2013-07-11 20:16:00 | 
クロコノマチョウの羽化は、早朝。6時半に現地に行くと、すでに1頭は羽化済みでした。もうひとつの蛹を見ると、羽化の兆候が現れています。

<クロコノマチョウ♀の羽化>

7月5日 8時04分47秒

8時06分20秒には、蛹の殻に裂け目が入りました。いよいよ羽化!


8時06分35秒


8時07分17秒


8時07分31秒


8時11分02秒


8時16分58秒

羽化して翅がほぼ伸びるまで約10分、あっという間の出来事でした。その後翅が乾くまで静止を続け、やがて葉の上にのぼります。


クロコノマチョウ♀

先に羽化した♀の開翅シーン。眼状紋がパッチリした美人です。

<クロコノマチョウ♂>

7月3日 9時32分

到着したのが遅かったので羽化後、葉の上に上り、翅を乾かしていました。


9時59分

葉から近くの茎に舞い降り、やがて翅を開きました。♀と違って翅の表は褐色のに濃紺の色がかぶさり、白斑があり、シックでなかなか美しい姿です。


蛹と蛹の抜け殻

7月3日~5日頃が羽化のピークだったようです。近くの薄暗い斜面枯葉上やアシ群落付近には新鮮な♀が複数おり、その他にかなり翅の傷んだ♂の越冬個体(秋型)も見られました。

クロコノマチョウは温暖化に伴い、近年関東地方に進出し分布を広げている蝶です。

案内していただいたNさん、お陰様で貴重な羽化場面をじっくりと堪能することができました。どうも有難うございました。


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