四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

小山田緑地へ(8月26日)

2011-08-31 14:25:00 | 南多摩
18日までの厳しい暑さは去り、19日からは朝夕涼しい風が吹くようになってきました。
小山田緑地を散策すると、メスグロヒョウモン2頭が林の中を飛翔しているのを見付けました。



メスグロヒョウモン♂(8月26日撮影)

多摩丘陵など低地では、メスグロヒョウモンとミドリヒョウモン、運が良ければクモガタヒョウモンが初夏に現れ、真夏には一旦休眠しますが、この涼しさ到来で早くもメスグロヒョウモンが活動再開した、ということですね。例年より早いのかもしれません。



日陰では、久し振りにヒカゲチョウ(↑)が多数いて、クヌギの樹液に集まったり近くの笹に止まったりしていました。第2化(8月中旬~9月発生)だと思います。
このヒカゲチョウの写真はフラッシュなし撮影ですが、後翅裏の眼状紋を取り囲むように青白い輪郭線が現れていました。ヒカゲチョウではこの怪しい輪郭を観察したことはありません。新鮮な個体ゆえかと思いますが、何に起因しているのでしょうか?
なお、8月14日にクロヒカゲでも同様の輪郭線を観察しています(その時はフラッシュ撮影)。



林縁の草地でキマダラセセリ(↑)を久し振りに見付けました。夏型(8月下旬~9月発生)ですね。近くにいるイチモンジセセリよりもずっと小型でチョコチョコと移動する姿は可愛らしく見えます。
6,7月の春型では翅を広げた姿ばかりを見ましたが、今囘は止まると閉じていました。



キツネノマゴで吸蜜するイチモンジセセリ

イチモンジセセリはこの春以来あまり見ませんでしたが、8月下旬になって急に増え始め、今や里山・平地を問わずヤマトシジミとその多さを競っています。



飛び立つモンキチョウ♀白色型の夏型



東屋で昼食中、ウラギンシジミ♂がやって来て、腕に止まり口吻をモジモジ動かすのでこそばゆく感じました。汗のにおいがするのかズームレンズにも止まります。

<その他見かけた蝶>
キチョウ(多数)、ヤマトシジミ(多数)、サトキマダラヒカゲ(多数)、モンキチョウ、ムラサキシジミ、ジャノメチョウ、コミスジ、ツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ

あれほど多かったジャノメチョウの季節も終わりに近づいたのを感じました。
雑木林の林床をサトキマダラヒカゲがあちこちで飛んでいたのが印象的です。

<8月の天気>
1~5日:最高気温23~31℃、最低気温25℃以下、やや不安定な晴れ
6~18日:最高気温33~35℃、最低気温26~28℃、本格的な暑さ
19日:秋雨前線南下、雨
20~22日:最高気温25℃以下、曇
23~31日:最高気温27~31℃、最低気温25℃以下、やや不安定な晴れ・曇
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タカサゴユリ

2011-08-24 16:55:00 | 相模原・県央
遊歩道のあちこちに白い筒状花のタカサゴユリが咲いています。


(8月20日)

皆同じ方向に花を向けています。その場所の1日平均で太陽の光が一番強くやって来る方に向く性質があるようです。


(8月21日)

テッポウユリに似ていますが、葉は細く、咲く時期も大きく異なっています。

※テッポウユリ
南西諸島および九州南部原産のユリで、5,6月に咲く。タカサゴユリとは近縁の種。葉はタカサゴユリよりも太く、筒状花の外側は白色。

タカサゴユリ
台湾原産のユリで、8,9月に咲く。葉はテッポウユリに比べて細い。筒状花の外側は白色で濃い赤紫色の筋が入る。

上2枚の写真の筒状花の外側は、真っ白で、本来のタカサゴユリのように濃い赤紫色の筋が入っていません。

そこで、濃い赤紫色の筋入の花があるのか、家から相模緑道緑地の遊歩道を大和市との境界辺りまで歩いてみました。





筒状花の外側が白色のものが一番多く、1割に「赤紫色の筋あり」もありましたが、本来のタカサゴユリのように濃い赤紫色のものは見当たりませんでした(写真↑、8月22日)。

いずれにしても、開花時期や葉の形はタカサゴユリと変わりがないので、タカサゴユリの個体変異といえそうです。

なお、テッポウユリとタカサゴユリは近縁の種のため、交配させて得られるシンテッポウユリというのもあります。テッポウユリ(筒状花外側:白)、シンテッポウユリ(筒状花外側:白)、タカサゴユリ(筒状花外側:白地に赤紫色の筋)はお互いに交雑して種を作り、散布されるので、現在道端で見られるタカサゴユリは、もう少し複雑な交雑種の可能性もあります。





大和市の畑に咲くオオケタデ(大毛蓼、8月22日)。
別名:オオベニタデ(大紅蓼)。タデ科タデ属。熱帯アジア原産の1年草で、7月~11月に咲きますが、ちょうど見頃です。



大和市の畑に咲くキバナコスモス(8月22日)。
メキシコ原産の1年草で、7月~11月に咲きます。ここでは咲き始めです。これから9月にかけて多くの蝶が集まります。

<追記 8月25日>
キバナコスモスとコスモスとは別の種です。

黄色いコスモスについて
キバナコスモスとは別に、黄色いコスモスというのがあります。
玉川大学農学部は、コスモスの中に花弁の先端が黄色い花を発見し、それをもとに品種改良し黄色いコスモス「イエローキャンパス」を作出しました(1987年品種登録)。さらに、オレンジ色が強い「オレンジキャンパス」も作出しています(1998年品種登録)。「イエローキャンパス」「オレンジキャンパス」はコスモスを土台にして作られたもので、キバナコスモスとはまったく別のものです。
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ヤブランとキツネノカミソリ

2011-08-21 15:25:00 | 相模原・県央
相模原木もれびの森へヤブランとキツネノカミソリを見に出掛けました。
木もれびの森は、クヌギとコナラを中心とした雑木林で、林床に咲く花はあまりありませんが、8月のこの時期はヤブランとキツネノカミソリが咲くので、毎年それを見るのを楽しみにしています。





木もれ日を受けるヤブラン(8月17日撮影)。
ヤブランはユリ科ヤブラン属で、光の差し込む林に生育します。この辺りでは8月に開花します。
斑入りの園芸品種も多く出まわっていますが、自然の林内で咲く、斑入りではない花に魅力を感じます。



木もれ日がスポットライトのように照らす林床で咲くキツネノカミソリ。この場所はテニスコート2面位の広さの群落になっています。



この自生地は柵の中で近くに行くことはできませんでしたが、1輪だけ近くに咲いていました。
キツネノカミソリはヒガンバナ科の植物で、8月のお盆頃に咲きます。ヒガンバナと同様に、花を咲かせる時期には葉は枯れていてありません。





木もれ日の中を、飛んだり止まったりを繰り返すイチモンジチョウ。飛び方は緩やかで親しみを感じました。



林縁の日向ではスジグロシロチョウがヒラヒラと舞い、林の中へ入って行きました。

<その他観察した蝶>
林内:サトキマダラヒカゲ
林縁:アカボシゴマダラ、アゲハ、ヤマトシジミ

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日大三高優勝!

2011-08-20 16:25:00 | 相模原・県央
町田市の小山田緑地の南に隣接する丘の上に、日大三高があります。そのよしみで、この夏の全国高校野球大会は東京西代表の日大三高を応援しました。



写真は、この春に小山田緑地やその近くの谷戸を散策し始めた4月下旬に撮影したもので、向こうの丘の上に日大三高の野球グラウンドのネットが見えます。図師の谷戸を歩いていると、野球練習の掛け声は、何百メートルも離れた遠くの方まで響いていました。



先日(8月14日)午前の小山田緑地散策の帰りに日大三高に立ち寄りました。
写真は、日大三高への上り坂で桜並木になっています。



野球グラウンドを覗いてみましたが、人影が見当たりませんでした。その日の午後にも試合があり、選手や関係者、応援団は全員甲子園に出かけているはずなので当然のことですね。

そして、とうとう今日、日大三高は青森の光星学院を破って見事優勝を果たしました。たたみかけるような強力な打線と吉永健太朗投手の粘り強い投球が光っていました。
おめでとう!
準優勝の光星学院は八戸の高校で、被災した厳しい状況の中でよくここまで健闘しました。そのさわやかな活躍は、復旧・復興を目指す東北地方の方々を勇気づける大きな力になったに違いありません。
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小山田緑地へ

2011-08-17 15:06:00 | 南多摩
8月14日の午前、久し振りに小山田緑地を散策しました。

谷戸の湿地にミソハギの群落があり、4種類の蝶たちが吸蜜していました。



花から花へと舞うヒメアカタテハです。ミソハギがとても気に入っていると見えて、長時間この花で吸蜜していました。



コチャバネセセリ。普通種のようですが、初めてお目にかかりました。
そのほか、イチモンジセセリ、ベニシジミも長時間ミソハギに留まっていました。自分が弁当を食べている時間よりも長く・・・。蝶に人気のある花ですね。



雑木林にポッカリと空いた陽だまりの草地に、オミナエシが咲いていました。秋の七草の一つなのに、今ではあまり見かけることがなくなりましたね。



その隣に、入笠山や清里高原でたくさん咲いていたヒヨドリバナも咲いていました。真夏の猛暑なので、ヒヨドリバナを好物とするアサギマダラはもちろんいません。皆、高原の涼しいところに移動しています。秋になると、ここにも訪れるのか、期待したいと思います。



雑木林の道を歩くと、クヌギの樹液のところにルリタテハとカナブンが仲良く止まっていました。ルリタテハは大体翅を閉じていますが、時々思い出したようにゆっくりと翅を開いてまた閉じます。開くタイミングを見ての撮影です。



サトキマダラヒカゲが雑木林の草の上をあちこちでヒラヒラと飛んでいました。今ここでは数の多い種類になっています。写真は、クヌギに止まる個体です。



クロヒカゲも、樹液の出るクヌギの近くにたくさん飛んだり止まったりを繰り返していました。



拡大してみました。暗いので自動で光ったフラッシュ光を反射して、眼状紋の周りの白い輪が怪しく紫白~青白い光を放っています。



その近くの笹の葉上に止まるコジャノメ。同じようにフラッシュ光を反射して、前翅、後翅にまたがる白い帯が紫白色に浮かび上がって見えています。

オオムラサキの♂2頭もクヌギの樹液を吸っていましたが、時期を逸しているので翅が傷んでいました。親子4人がクヌギのところに来て、カブトムシとノコギリクワガタを採集して喜んでいるうち、オオムラサキは去って行きました。

草地で夏の蝶、ジャノメチョウを1頭見掛けましたが、前回(7月22日)に比べるとその数は大幅に減っていました。

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14日、朝の内、ニイニイゼミとミンミンゼミ、そのうちアブラゼミも鳴き出しました。ツクツクボウシを初めて聞き、暗い林内ではヒグラシも鳴いていました。
幸か不幸か、クマゼミは鳴いていません。

小山田緑地の隣にあるよしみで日大三高を応援しています。その日(14日)、島根の開星高校を破り、また昨日(16日)は智辯和歌山を下してベストエイトに進出しました。明日はベスト4を目指して10時30分から試合が行われます。
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