四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

中央林間~東林間を散策

2010-11-18 17:17:00 | 相模原・県央
爽やかな晴れに恵まれたので、小田急線中央林間駅近くの「つるま自然の森」「東林ふれあいの森」を訪れ、横浜水道道を歩いて東林間経由で自宅まで散策しました(11月18日)。

<つるま自然の森>
つるま自然の森は小田急線中央林間と東林間の間の線路脇にあり、大和市が管理をしています。



森の中は下草刈りされ、歩くルートも整備されていますが、全体に鬱蒼としています。陽だまりの空間でムラサキシジミが日光浴していました。ある程度の面積を持った雑木林では確実に定住している様子です。また、群れで行動する習性も確実です。
この蝶は、接近するとすぐに飛び立ち、その限度は1m位でした。望遠レンズしか使えません。雌雄両方ともきれいな翅の状態だったので比較のため並べてみます。


ムラサキシジミ♀


ムラサキシジミ♂

<東林ふれあいの森>


大和市「つるま自然の森」の隣に相模原市「東林ふれあいの森」があります。こちらは、間伐区、萌芽更新区、自然遷移区など区画ごとに計画的に雑木林を創るよう市と自治会連合会が協力しています。
一箇所だけ陽だまり(写真)があり、近づくとルリタテハが飛び、杭の横に止まりやがて翅を広げ長時間日光を浴びていました。ルリタテハも成虫のまま越冬します。


ルリタテハ

<横浜水道道>


「横浜水道道」は、相模川で取水された水道水を横浜まで送る水道菅が埋設された道で、相模原市から大和市を経て横浜市西区の野毛山公園までぼぼ直線ルートの遊歩道になっています。遊歩道沿いには色々な植物が植えられ、ウォーキング、ジョギング、犬の散歩など楽しむ人が行き来しています。
途中見かけた蝶は、ツツジの植え込みの上を飛ぶウラナミシジミとヤマトシジミで、時折両者の2,3頭が混ざり合ってちらちらと飛んでいる姿が見られました。


ユッカ

ユッカが開花しています。アメリカ大陸原産で、開花時期は初夏(5月下旬~6月)と秋の2回で、秋に咲くものは9月下旬からのものと11月下旬からのものに分かれるとのこと。これは11月咲き。



花は下向きで内側が見にくいので、地面から花の内側をのぞいて見ました。雄しべと雌しべが太く面白い形をしています。ユッカは、ユッカガという蛾によってのみ受粉が行われ、日本にはユッカガがいないため果実は出来ないようです。しかし、以前小田原でユッカの実を偶然見つけたような記憶があります(本当かな?)


皇帝ダリア

皇帝ダリアがちょうど目のあたりの高さで咲いていました。皇帝ダリアを最初に見たときは見上げるような高さで4,5mはありましたが、最近は同じ場所でも株が密集したせいか全体に低くなってきたような気がします。写真のものは、極端に低い株でした。

気象データ(海老名、12時) 快晴 14℃ 
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ムラサキシジミとムラサキツバメ

2010-11-16 19:55:00 | 
今日は最高気温が13℃で12月中旬の寒さと予想されていましたが、朝から晴れたので、相模原公園にムラサキシジミが日光浴していないか探しに行くことにしました。
<ムラサキツバメ>
公園に向う途中から快晴になり、雑木林近くの陽だまりにいくと、最初にメタセコイアの葉の辺りで紫色の蝶が2,3頭飛んでいるのに遭遇しました。やがて、葉の上に止まり日光浴しているところを撮影できました。


ムラサキツバメ♀


同じ個体 尾状突起が見られる

色調が鮮やかな紫色であること、後翅の底部に尾状突起があることから、ムラサキシジミではなくムラサキツバメの雌と分かりました。


ムラサキツバメ♂

上の写真は、ムラサキツバメの雄です。全体に暗い紫色であること、尾状突起があることから判別できます。

<ムラサキシジミ>
そこから200m位歩いた陽だまりに行くと、今度はムラサキシジミが2頭飛んでいました。


ムラサキシジミ♂


ムラサキシジミ♂(別の個体)

雌よりも色が濃く紫がかっていることと、青紫部分と黒部分の境界の特徴から見てムラサキシジミの雄と分かりました。

ムラサキシジミには、先日伊勢原の里山で初めて出会ったのですが、森林の中の陽だまりに出て日光浴する習性を掴んだので、相模原で類似した環境のところはどこかの見当を付け訪れたらうまく当たりました。
ムラサキシジミとムラサキツバメは類縁種で、12月でも林近くの日向で翅を広げ日光浴することが知られています。実際に、この寒さでも飛ぶことが確認できました。今日はわずかに広い芝生のところをキタテハが横切るのを見たものの、気温が低かったせいでその他の蝶は見かけませんでした。
ムラサキシジミは温暖化に伴ない1980年頃に神奈川でもよく見られるようになったようです。それを追いかけるようにして、類縁種のムラサキツバメが関東に分布を広げており、今神奈川で温暖化関連種として蝶愛好家の間で注目されています。
今回、ムラサキシジミだけでなくムラサキツバメも相模原公園で観察できたのは大変幸運なことでした。

気象データ(海老名、12時) 快晴 12℃ 
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伊勢原の里地を歩く(2)

2010-11-12 20:47:00 | 丹沢周辺
伊勢原市総合運動公園から更に森林帯の小道を登ると、展望台があり、近くは大山の麓から箱根・伊豆、湘南平の向こうに伊豆大島、江ノ島・房総半島まで一望できました。小田原からでさえ、伊豆大島が望めるのは真冬の限られた日しかなかったので、かなりの好天に恵まれたといえます。


大山の麓の里山風景(1)

野球場の向こうに大山麓の里山があり、遠く箱根・伊豆方面が望めます。


大山の麓の里山風景(2)

更に内陸側の大山麓に広がる里山風景です。緑の斜面に家々があり、いつか歩いてみたい気持にさせられます。


ウラナミシジミ

総合公園と展望台(標高140m)の途中の草むらで、今年初めてウラナミシジミを撮影しました。ウラナミシジミは飛翔の速度が素早く鋭角に飛ぶ方向を変え、飛ぶ姿から凡その見当は付くのですが、なかなか撮影には至りません。


ムラサキシジミ♀ 13:20

展望台から下っていく途中の森林の道の陽だまりで、ムラサキシジミの雌が葉の上に止まったところを何とか撮影しました。この蝶は敏感のようで比較的短時間で飛び立つので苦戦しました。黒の地に青色の模様が鮮やかで、雄とは黒色・青色の切れ込み方が異なること、雄は色調が青紫に近いことから区別できます。
ムラサキシジミも温暖化に伴ない分布拡大してきた蝶で、1956年版図鑑では「本州中部以西・四国・九州に普通」となっていますが、最近は関東に定住し、宮城県まで採集記録があります。
今回は雄の撮影には失敗しているので、また機会を改めて観察したいと思います。

気象データ(海老名、12時) 南の風弱く快晴 19℃ 
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伊勢原の里地を歩く(1)

2010-11-12 15:36:00 | 丹沢周辺
強風の吹き荒れた翌日(11月10日)は快晴となり、伊勢原の里地を散策しました。コースは、ほぼ「小田急沿線自然ふれあい歩道」という散歩道ガイドブックの伊勢原駅を起点とするコース。
伊勢原駅-耕雲寺-熊野神社-専修大学総合グラウンド-伊勢原市総合運動公園-龍散寺-東海大学病院(バス)-愛甲石田駅


耕雲寺


木魚と和尚さんの石像

耕雲寺の庭には、たぬきや木魚と和尚さんの石像が置かれており、親しみやすい寺でした。ここには、江戸時代の19世紀初頭に蝦夷地を鎮護するため幕府から派遣された文道玄宋和尚が持ち帰った国後島、択捉島などの地図が残されているそうです。
庭の奥にはジュウガツザクラが咲き、銀杏の実を沢山つけたイチョウの大木もありました。


渋田川沿いの農道

市米橋を渡ると、自然散策路の標識があり、道は渋田川沿いに上流に進みます。
この農道脇にはブドウや柿の畑があり、のどかな田園風景です。この辺ではアカタテハ、キタテハが地面に下りて日光を受け温まる姿が見られました。



熊野神社一帯の森の手前に牛舎がありました。


ムラサキシジミ♀(裏)

熊野神社の参道を登っていくと、木漏れ日の辺りで紫色のシジミチョウが飛び、陽の当たる葉の上に止まるのを目撃しました。ムラサキシジミの雄と思われます。そこで、欲を出して大きく写そうとレンズ交換する最中に飛び去ってしまいました。望遠レンズのまま先ずは撮影しておくべきだったと悔やむことしきりです。その直後に、直ぐ近くでムラサキシジミの雌の翅裏の写真だけ何とか撮れました。

その後、道は畑に入りますが、畑の中央を横切るように第2東名高速の建設が計画され、工事着手前に縄文遺跡の発掘調査が大々的に行なわれていました。
貴重な里地が失われ行くことに寂しさを覚える。



畑を過ぎると上り坂となり、眺望が開け、大山が間近に望めます。専修大学総合グラウンドを過ぎると山道になり、やがて伊勢原市総合運動公園に着きます。


伊勢原市総合運動公園から大山方面

運動公園の体育館前に植えられている木が一斉に紅葉していました。

※追記(2011年1月12日) : 熊野神社で最初に見た紫色の蝶は、ムラサキツバメの雄だった可能性が大きいと思います。           
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相模原北公園の秋

2010-11-07 13:47:00 | 相模原公園・北公園
久しぶりに相模原北公園を散策しました。



花木園では紅色、黄色のバラが綺麗に咲いています。



ハナミズキの赤い実が快晴の青空に映えていました。



午前中の光を受けて何度かウラギンシジミが輝いて飛ぶ姿が見られました。飛ぶ場所は、北側に樹木がある南斜面のような環境を好むようです。樹木を背景にするので裏翅の白銀色が太陽の光を反射してチラチラと点滅しよく目立ちます。しばらくすると低いところに舞い降り、羽を広げて光を受けていました。


ウラギンシジミ ♀

ウラギンシジミの雌に今年初めて遭遇しました。


ウラギンシジミ ♂

雄と雌とで紅白に色分けしているのも趣があります。もう少し寒くなると、常緑樹の葉裏に隠れて止まり越冬します。

気象データ(海老名、12時) 南の風弱く快晴 18℃ 
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