四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

イチモンジセセリ3化が急増

2015-08-30 15:39:00 | 相模原・県央
8月19日

近くの広い雑木林の真ん中に数十m四方の開けた空間があり、そこは草地になっています。
8月になると、キツネノマゴが一面に咲き、毎年お盆過ぎに数十頭のイチモンジセセリがやってきます。
今年は、8月12日時点で未確認、8月15日に3頭が先行して出現しました。そして8月19日には、一視野に5,6頭が元気に吸蜜したり次の花に移ったりしており、ざっと数えると55頭にも達しました。

イチモンジセセリ(8月19日 9:21、キツネノマゴ)




しかし、すでに翅の鱗粉が大なり小なり剥げ落ちており、本当にこの時期に出現する3化なのだろうかと疑問を持ちました。

♪イチモンジセセリはどこからやってくるのか?

イチモンジセセリの生態を調べると、7月に出現する2化個体は年によって異なりますが8月初旬~中頃に姿を消し、その後約1週間の空白期間をおいて新世代の3化が出現しています(1)。

また、3化個体は水田のイネで羽化した当日に集団で南~南西方向に約100km移動することが知られています(2)。

これらを総合して考えると、相模原市南部の雑木林にやってきた個体は、8月中頃に約100km北~北東の群馬・栃木・茨城県方面の水田で羽化し、長距離飛行してやってきた個体ということになります。この近辺に飛来後、涼しい林内にやってくるまでの活動や草むらでの活発な動きによって鱗粉がはげ落ちたということでしょうか。

現在、3化の個体はどこでも著しい数を目撃しますが、1,2化はこの辺では稀にしか見ることがありません。イチモンジセセリの世代交代や1,2,3化の比較については、次回書きたいと思います。

♪花の好み(相模原公園)

イチモンジセセリは、ブルーサルビア、ペンタス、ジニア(ホソバヒャクニチソウ)に多数見られましたが、サルビア、ベゴニア花壇にはまったく姿を見せていませんでした。


ペンタスとイチモンジセセリ(8月23日 12:25 相模原公園)


ジニアとイチモンジセセリ(8月23日 10:49 相模原麻溝公園)

♪求愛行動

求愛行動は午後が多いのでしょうか。いずれも前方にいる♀の後ろから♂が接近します。2枚目では腹端をつつかれた♀が翅を震わせて交尾拒否しているようです。この♀が翅を震わせる行動については、最近みき♂さんが良い写真をアップされております。
雌雄差が明確ですね。yodaさんが蝶鳥ウォッチングでご指摘のように、♂は腹端が翅の後方に飛び出し、♀は腹端が突出しない傾向が見られました。複眼の大きさも♂が大、♀が小という差が出ています。しかし、単独で撮影した個体の場合、腹端の飛び出し方だけを見ても雌雄どちらか悩ましいこともありました。


8月23日12:27 相模原公園


8月27日 15:35 キツネノマゴ(相模原市南区)


2014年9月19日 15:27 自宅ブッドレア

参照資料
(1)江村薫, "埼玉県におけるイチモンジセセリ第1世代成虫の発生実態の把握", 関東東山病害虫研究会年報, 第41集, 191-196(1994).
(2)中筋房夫, "西へ行くチョウーイチモンジセセリの謎", 化学と生物, 24(10)690-694(1986).

※イチモンジセセリ第1世代とは、2化のことです。
農業の分野ではイチモンジセセリの1化を越冬世代、2化を第一世代、3化を第2世代と呼びます。イチモンジセセリは、幼虫越冬します。

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ゴマシジミ・ミヤマシジミ・ヒメシロチョウ

2015-08-24 15:43:00 | 甲州・信州への旅
8月16日

Sさんのお誘いで、富士山麓へ。

車を走らせていると、湿った道路の窪んだところにヒメシロチョウが4,5頭集まり吸水していました。


ヒメシロチョウ

モンシロチョウをほっそりさせたような、やさしい愛らしい蝶です。



優雅に藪の上を飛んでゆくので、オートフォーカスで撮影しました。

ゴマシジミの食草のワレモコウを探していると、ゴマシジミを今そこのワレモコウで撮影したと教えてくれる人もいましたが見つからず。すると、Sさんがここに止まっていますよと教えてくれました。


ゴマシジミ♀ No.1

第一印象は大きいということ。食草のワレモコウに止まり、しばらくすると翅を少しずつ開いてくれました。♀です。


同一個体

ゴマシジミは色調など個体変異が多いそうなので、これ↓もゴマシジミかと思いましたが、ルリシジミでした。


ルリシジミ

ミヤマシジミもSさんがいち早く見付けました。


ミヤマシジミ♀ No.1

オレンジ色の帯に黒と明るい水色の斑紋が輝く美しい蝶です。この個体もやがて開翅してくれました。


同一個体

コマツナギで産卵行動中の♀にも会えました。


ミヤマシジミ♀ No.2


ミヤマシジミ♀ No.3

この日は、ゴマシジミ、ミヤマシジミ、ヒメシロチョウが自身の初見となりました。

Sさん、横浜のIさん、お世話になり有難うございました。
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8月前半の雑木林

2015-08-21 11:53:00 | 相模原・県央
8月11日

久しぶりに自宅近くの雑木林を歩きました。先日水元公園を案内していただいたKさんとIさんをご案内しました。
今年もヤブランとキツネノカミソリが林床に咲いていました。
例年よりも少し早いような気もします。


ヤブラン


キツネノカミソリ

林内ではイチモンジチョウとアカボシゴマダラが目立ち、ゴマダラチョウが1頭見られました。ゴマダラチョウはこの雑木林では自身初めての目撃です。


イチモンジチョウ


ゴマダラチョウ

林内の広場ではキツネノマゴが咲き始めており、ヤマトシジミが多数活動中でし
たが、イチモンジセセリの姿はまだ見られませんでした。


キツネノマゴとヤマトシジミ

そろそろイチモンジセセリがやってきますね。

     ♪ ♪ ♪

祝優勝!東海大相模

100年の節目を迎えた夏の全国高校野球で、地元相模原市の東海大学付属相模高等学校が優勝しました。45年ぶりの優勝だそうです。いつどこで優勝パレードが行われるんでしょうか。



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水元公園へ

2015-08-18 20:46:00 | 神谷町・東京
8月5日

葛飾区の水元公園の自然観察会メンバーKさんとIさんに案内していただいて、園内の涼しいコースを歩きました。水元公園には水路があちこちに流れているのが大きな特徴です。





この水路には、チョウトンボが何頭もいました。


チョウトンボ


ウチワヤンマ

沼には、ウチワトンボが。園内のあちこちで見られました。


リスアカネ?

このトンボも沼にいました。


アオスジアゲハ

林内の樹木の間の高いところを何頭もアオスジアゲハが横切っていました。低い位置に現れた個体が葉上にしばらく休憩してくれました。


ゴマダラチョウ

クヌギの樹液酒場でゴマダラチョウ3頭がアカボシゴマダラと一緒に吸汁している場面に遭遇しました。ここではゴマダラチョウが健在なのか勢力を回復したのか。3頭もまとまって見るのは初めてのことで驚きました。
※東京南多摩や神奈川の僕のフィールドでは、近年アカボシゴマダラが優勢でゴマダラチョウはあまり見かけません。


アカボシゴマダラとコムラサキ

水元公園に来たからにはコムラサキに会えないと!と張り切ってきたのですが、最後の最後になってやっとコナラの樹液酒場で見付けました。
アカボシ3頭が樹液の出る場所を専有し、コムラサキ2頭が近くで待機していました。




コムラサキ


コムラサキ♂

幸運にも目の前でそこそこ新鮮な個体を撮影出来ました。開翅シーンも見られましたが、光の加減で輝くような紫色の輝きが見られずちょっと残念。

暑いさなかご案内いただいたKさん、Iさん、楽しい観察会でした。どうも有難うございました。
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相模原公園 夏休み特別展のお知らせ

2015-08-10 19:56:00 | 相模原公園・北公園

↓画像をクリックすれば明瞭にご覧いただけます





「相模原公園の蝶」「相模原公園の蛾」「蝶と蛾のふしぎ」の3コーナーがあり、
2013年の展示会に比べて蛾の写真・標本が充実しています。



相模原公園にこんなに多くの美しい蛾が潜んでいるとは。
夜間調査法や糖蜜の作り方の解説まであり、蛾の世界にも親しめる内容になっています。

僕の蝶の写真もたくさん展示されています。
暑いさなかですが、ぜひ足をお運びください。


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