四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

最近の初見の蝶たち(1)

2015-05-29 14:10:00 | 相模原・県央
5月29日

不整脈の手術を行い、無事に退院して来ました。ご無沙汰してしまい申し訳ありません。20日頃から近所の雑木林付近を短時間歩いています。
最近の初見の蝶たちを順にご紹介します。


イチモンジチョウ♀(5月20日撮影)

久しぶりにフィールドに来てみると、イチモンジチョウの♀が食草のスイカズラ付近で産卵場所探しをしていました。写真は、休憩中の個体です。フィールドに出ていない間に出現していたようですね。


テングチョウ(5月25日撮影)

テングチョウ新生蝶の初見は19日でした。昨年よりも10日も早いです。
地元フィールドでの過去4年の初見記録は、6/10, 6/2, 5/29, 5/19です。
今や雑木林付近の至るところで盛んに活動中で、年々数が増えていると感じます。雑木林付近の道路を走行中に目の前を横切るテングチョウも目立ちます。


アカシジミ(5月25日撮影)

クリの開花は20日頃でした。それに合わせるように平地産ゼフィルスの1種のアカシジミを初見(20日)しました。
過去4年の初見記録は、6/10, 5/26, 5/29, 5/20で、テングチョウ(新生)とほぼ同時期になっています。
※平地産ゼフィルス:ウラゴマダラシジミ・アカシジミ・ウラナミアカシジミ・ミズイロオナガシジミ・オオミドリシジミ・ミドリシジミ(凡その出現順)


ウラナミアカシジミ(5月25日撮影)

5月25日、クリの花の開花が進むのに合わせるように、ウラナミアカシジミが登場しました。
過去4年の初見記録は、6/10, 6/2, 5/29, 5/25で、アカシジミよりもやや遅れて出現する傾向があります(2種の記録が同日になっているのは調査の目が粗いせいでしょう)。




ミドリヒョウモン♂

昨年6月2日に地元フィールドで羽化時期のミドリヒョウモンを初めて目撃したのですが、今年は1週間早い初見記録になりました。

初夏に見られる個体は山地から飛来したのではなく、昨秋平地に飛来したミドリヒョウモンの置き土産として、この辺りで羽化した個体と推測しています。

※ミドリヒョウモンの里下りについて
ミドリヒョウモンは本来山地に生息していますが、秋になると里下りする習性があり、毎年近所の雑木林にもやってきます。昨秋は例年と異なり関東南部平野に秋のミドリヒョウモンが多数飛来した当たり年でした。近所の雑木林でも例年より多く見られ(→こちら)、自宅の庭にも初めて飛来しました(→こちら)。

♪ウラナミアカシジミ特集
今年は好きなウラナミアカシジミがとても多く見られ、感動しています。今日はとうとうアカシジミよりも数が多くなりました!このような多産は2012年に観察を始めてから今までにないことです。そこで、毎日撮り貯めてきたウラナミアカシジミの色々な姿を紹介します。


休憩中(5月26日撮影)

クリの葉に静止し、休憩中。長い尾を揃えていました。




林内飛翔後静止(♂ 5月27日撮影)

9時40分頃に林内を歩いていると、オレンジ色の蝶が目の前を飛び、高さ1.5m位の葉上に止まりました。近付いても逃げず静かで、羽化直後かもしれません。透けて見える前翅表の翅頂の黒斑が目立たないので、♂のようです。尾を揃えています。


イヌツゲに集まる(5月28日撮影)

ウラナミアカシジミはクリの花だけでなくイヌツゲも好み、吸蜜するのを確認しました(口吻が写る写真はピントが甘く掲載できず申し訳ありません)。テングチョウもイヌツゲに多数集まり吸蜜や飛翔を繰り返していました。アカシジミがイヌツゲに来るのはまだ見ていません。種類によって好みが異なるのも興味深いです。

以下の3枚の写真は、尾状突起付近をアピールしているところです(※)。


個体1(♂、5月29日撮影)

※捕食者などが接近すると警戒して翅を少し拡げ、尾状突起を互い違いに動かし、捕食者にこちらが頭部だぞと思わせようとするんですね。
尾状突起付近を偽頭と呼ぶそうです。


個体2(♂)


同一個体

上の2枚を比べると、尾を互い違いに上下しているのが分かります。
尾状突起付近を偽頭と呼ぶことは、蝶の生態を長年研究されているKさんに教えていただきました。有難うございました。

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お知らせ

2015-05-12 10:00:00 | 相模原公園・北公園
お知らせ

5月12日よりしばらくお休みさせていただきます。



アサギマダラ♀

この写真は、ちょうど2年前の2013年5月12日に神奈川県立相模原公園で撮影したアサギマダラ♀です。

11時頃に相模原公園の蝶調査ボランティア仲間と雑木林の林縁に行くと、ハルジオンに1頭のアサギマダラが来ており、優雅に吸蜜していました。相模原市南部や町田市北部の多摩丘陵で5月中頃にアサギマダラを見たのは後にも先にもこの時だけのことで、「よくぞ来てくれましたね」と感動しました。

アサギマダラは、春に南西諸島から海を越え九州・四国・本州にやってきて北上・東進する「渡をする蝶」として有名ですが、5月中旬の時点では、早い個体でもせいぜい四国付近まで到達するくらい。写真の♀が新鮮であったことからも、食草キジョランの映える近隣の地で5月初旬頃に羽化して相模原公園へ移動してきた個体だと思われます。

春のアサギマダラは北方に移動し、涼しい高原で世代交代します。

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アオスジアゲハとモンキアゲハ

2015-05-09 07:23:00 | 相模原公園・北公園
5月6日
近くの相模原公園へ。
林縁沿いにハルジオンが咲き、新鮮なアオスジアゲハ3頭が思う存分に吸蜜していました。

↓いずれも画面をクリックすると拡大して見られます


アオスジアゲハは黒地にブルーの筋が入ったお洒落な蝶。このブログを始めたきっかけのお気に入りの蝶なので、色々なポーズを撮影させてもらいました。









ダイミョウセセリも競うように吸蜜に励んでいました。


ダイミョウセセリ(関東型)

ダイミョウセセリの関西型(後翅に白帯あり)/関東型(後翅に白帯なし)の中間型も見付かりました。後翅にうっすらと白帯が現れています。


ダイミョウセセリ(中間型)

菖蒲田の上をモンキアゲハ(初見)が巡回飛行していました。その後すぐ近くの樹木に止まり、コミスジの接近で飛び立ち、目の前でも円を描いていました。どちらかというとコミスジがちょっかいを出しモンキアゲハを追っているように見えました。コミスジの縄張りにモンキアゲハが入り込んだのを追い出しにかかったのでしょうか。外観からはモンキアゲハ♀のようです。


休止中のモンキアゲハ♀



やがてオオベニウツギを訪れました。




モンキアゲハ♀


オオベニウツギ(スイカズラ科)

この日、コジャノメを初見しました。


コジャノメ♂

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ホソミイトトンボ

2015-05-07 10:33:00 | 相模原・県央
5月1日

近くの雑木林の東の林縁では数本のミズキが満開でした。その枝の間の空間をコミスジが3頭舞い、枝先の葉に止まり、縄張りを主張していました。花に誘われて集まっているのではないと思います。


ミズキとコミスジ

林内の小道を行くと、ホソミイトトンボがひっそりと細い草に止まっていました。飛び立ってもほんの少し先まで弱々しく舞い静止します。南方系のトンボで、近年徐々に北上・分布を広げているようです。長距離を移動するようには思えないのですが・・・。これは昨年秋に羽化した越冬型。6月頃に夏型が誕生します。




ホソミイトトンボ越冬型♂

自宅庭で、8時前にヤマトシジミ♂が姿を現しました。翅を広げ日光浴し体温を温めて活動開始する時間帯のようです。前日朝はアゲハチョウがキンモクセイで日光浴していました。


ヤマトシジミ♂
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クロヒカゲ・ジャコウアゲハ

2015-05-04 14:27:00 | 南多摩
4月28日

お気に入りの湿地沿いの遊歩道を歩きました。


湿地風景

最初に歩いたのは昨年2月の一度目の大雪の翌朝で、3月にも歩きました。


雪に覆われた湿地(2014年2月9日)


早春の湿地(2014年3月12日)

湿地から尾根道まで上り、尾根道から別の谷戸に下りました。谷戸手前の遊歩道で弁当を広げていると、ツマキチョウ、ヒメウラナミジャノメが道端の花で吸蜜。次いでクロヒカゲが飛んできて目の前に止まる。思わぬところで初見になりました。


ヒメウラナミジャノメとジシバリ


クロヒカゲ(初見)

道端にセリバヒエンソウと、コミヤマスミレに似ているけどそれとは異なる小さいスミレが咲いていました。


セリバヒエンソウ


小さいスミレ類(種名不明です)

追記(5月5日):唇弁の先端にくびれがあってハート型になっているのが特徴的で、手持ちのスミレ図鑑には該当する種類がありませんでした。外来種なのかもしれません。

谷戸の畑になんとジャコウアゲハ♀が飛んできて野菜の脇を彷徨い食草を探していました。「おいおい、ここは畑だよ」と教えたくなる。






ジャコウアゲハ♀(初見)

尾根道にはキンランが咲いていました。


キンラン

帰りにお参りした毘沙門堂。手前は首なし地蔵です。


毘沙門堂


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