四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

小春日和の谷戸歩き

2014-11-26 10:47:00 | 南多摩
11月21日

前日の雨が上がって晴れ、谷戸は湿り気があり暖かく感じました。
写真は谷戸奥の風景。雑木林が少し色づき、太陽が斜めに差し込んでいます。藁ぼっちの左奥に向って馬の背状に低い丘が続き、そこでは上衣がいらないほど暖かでした。


谷戸奥

10時半頃から、次々にキタキチョウ、キタテハ、テングチョウ、ルリタテハ、ベニシジミ、ヒメアカタテハが芝生の丘に姿を現しました。


キタキチョウ夏型♂

キタキチョウの夏型♂がまだ活動していました。場所を変えては休止し日光浴しているようで、訪花はしませんでした。夏型♂は、秋型♀との交尾のため、秋遅くまで残りますが、越冬することはないといわれています。夏型♀は、かなり前から姿を消しています。


テングチョウ

テングチョウも日光浴していましたが、直ぐに姿を消しました。


ルリタテハ

ルリタテハは、休止して翅を開いたり、芝生の丘の地面付近をグルグル回ったりしており、落ち着きがなく、2度撮影出来ただけでした。この個体の前翅先端付近にはハートマークまたは飛ぶ蝶のような形の紋が3つ並んでいました。


ヒメアカタテハ

ヒメアカタテハだけは、アザミで吸蜜していました。その直後に近くのリンドウの上にしばらく休憩していました。


ヤマトシジミ低温期型♀

別の谷戸の南斜面にヤマトシジミが多数おり、低温期型♀がいたので撮影。黒っぽい地に青色の鱗粉がのり、キレイでした。

体感的には暖かく感じたので、越冬モードに入ったウラギンシジミが飛び出していないか確認しに行きました。すでに11月18日に5頭がヒサカキ葉裏で静止しているのを確認していたのですが、21日もそのまま静止していました。その5頭の写真を示します。#1~#3は西側のヒサカキAに静止中、#4, #5は東側のヒサカキBに静止中。


ウラギンシジミ#1 ♀

11月10日に日光浴後に葉裏で静止したままの位置です。翅に日光が差し込むほんの短い間、触覚を翅の間に格納したまま身体を傾けて日光を受けやすくする行動をとっていました。


ウラギンシジミ#2 ♂

11月10日に#1と同じ葉裏に静止していましたが、18日にこの位置に移動。21日は18日と同じ位置でした。


ウラギンシジミ#3

18日に新たに発見した個体です。性別確認はしていませんが、翅形からは♀なのかなと感じます。日が当たっていましたが、静止したままでした。日が当たる時の反応が#1と異なり、反応の仕方には個体差があるようでした。


ウラギンシジミ#4 ♀

11月10日に日光浴後に葉裏で静止したままの位置です。


ウラギンシジミ#5

これも18日に新たに発見した個体です。翅形からは♂のような気がします。

11月の気温変化を示します。



11月10日は暖かでしたが、その日に葉裏で静止した#1、#4はそのままの位置を保っているので、10日に越冬入りしたと推測されます。
#2も11月10日に葉裏に静止しましたが、18日に別の葉裏への移動が確認されました。また、#3と#5は、18日新発見の個体です。これらは、暖かかった10日の午後か、13日にこの位置に移動または別の場所から飛来したのではないかと思われます。

追記(11月29日):キタキチョウ夏型・中間型・秋型
季節型の識別は、こちらなどが参考になります。
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初冬の北の丸公園

2014-11-20 15:12:00 | 神谷町・東京
都心に用事があり、北の丸公園に立ち寄りました。


芝生と池

芝生には紅葉が目的なのか大勢集まっていました。


オカリナを吹く

四角い石に二人座っていましたが、相席で座らせてもらい弁当を広げていると、目の前の女性がオカリナで「もみじ」(♪秋の夕日に照るやまもみじ)を吹き始めました。終わると周囲から温かい拍手が自然に起こりました。3曲目は夕焼け小焼け。2曲目はどうしても題名が思い出せません。悔しい、歳ですね。
・・・思い出しました。「七つの子」でした(11月21日追記)。


絵を描く

グループで来ているのか、何人もが池の方を向いて思い思いに写生をしていました。隣の男性は良い絵ですね、などと言葉を交わしていました。都心でもこういうふれあいが自然に出て来るのが公園の良さですね。


千鳥ヶ淵を見おろす

池の反対側の尾根道を進むと、花見で有名な千鳥ヶ淵が眼下に見えました。


ヒヨドリの集まる森

暗い森ではヒヨドリが集って騒いでいました。北の丸公園HPには、野鳥が好む「実のなる木」も多く植えられているとあるので、実をついばみに集まっていたようです。中央にヒヨドリらしい影が写っているのですが・・・


日本武道館入り口

柔道着を来た女子大生のグループが入館していきました。武道館らしい光景です。日本武道館といえば、The Beatlesが初来日した1966年に初公演した場所という記憶が鮮明です。

※カメラ : NIKON D7000
レンズ : NIKON AF-S DX VR Nikkor 18-55mm f3.5-5.6G


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ウラギンシジミの日光浴と越冬準備

2014-11-15 15:41:00 | 南多摩
11月10日(続き)

10時40分頃、毎年ウラギンシジミが越冬する谷戸南斜面に来ると、ウラギンシジミのメスが目の前を飛び、地上の枯れ葉に止りました。以下、興味深い行動が見られたので時系列で並べます。

<オスとメスが同居!>


1.ウラギンシジミ♀ #a 枯れ葉上で休止(10:40)

それから少し離れた地上やヒサカキの葉の上への移動を繰り返して翅を広げ、日光浴を続けました。


2.ウラギンシジミ♀ #a ヒサカキ葉上での日光浴(11:06)

あちこち飛び回っていたオスもその近くに来て日光浴。


3.ウラギンシジミ♂ 

メスは、11時過ぎにヒサカキの葉裏に入り、しばし休止しました。


4.ウラギンシジミ♀ #a ヒサカキ葉裏に入る (11:16)

メスは10分もしないうちに飛び出し日光浴を再開。するとオスがすぐ隣にやってきて仲良く日光浴という場面になりました。こんなに接近しての日光浴姿の観察は初めての体験です。


5.ウラギンシジミ♂と♀#aが仲良く日光浴 (11:24)

11時34分、メスがしばらく止まる場所を探した末、ヒサカキ葉裏に入りました。なんと先ほど休止した4と同じ葉裏です。オスも後を追うように同じ葉裏にやって来ました。同じ場所を選ぶのは偶然のことではなく、オスでもメスでも似た環境の葉裏が越冬場所として好まれるということだと思います。
※この谷戸では、ヒサカキの高さ1m程度の南西向きの枝と枝の隙間の空間、時々日が当たる程度の場所が好まれる傾向が見られる。写真6参照↓


6.ウラギンシジミ♀の静止場所に♂が接近(11:35)

オスは一旦メスの目の前に止まりましたが、オスは葉先に頭を向けていないので逆向きです。
※越冬時には通常頭を葉先に向けて止まります。


7.ウラギンシジミ♀#aと向かい合わせに♂が止まる(11:35)

居心地の悪いオスは外に出てホバリングしつつメスを頭で2,3度ツンツンと突きましたが、メスは動じることなくオスを追い出し、仕方なくオスはメスの後ろの空間に回って並ぶ形に。これで一件落着しました。その後、この状態のまま静止していました。


8.ウラギンシジミ♂と♀#aが並んで静止(11:55撮影)

<別のメスも元の葉裏に戻る!>

隣のヒサカキではメス1頭が静止していました。


9.ウラギンシジミ♀#bが葉裏で静止(10:45)

11時ちょうど、葉裏から飛び出し、ヒサカキの高さ2m程の葉に止まり、しばらく半開き状態で日光浴。


10.ウラギンシジミ♀#bが日光浴(11:00)

日光浴を14分で終え、このメスも再び元の葉裏(9と同じ葉裏)に戻りました。


11.ウラギンシジミ♀#bが元の葉裏に戻る(11:14)

♪まとめ

11月10日は、そろそろ気温が下がる季節になり、ウラギンシジミが越冬場所を吟味するという行動が始まっていることが確認できました。越冬の準備段階に来ているといえそうです。
ウラギンシジミの好む環境や樹木の種類というのがあり、今年も谷戸の南向き斜面のヒサカキにウラギンシジミが集まり始めていました。
特に今回は、一旦飛び出しても元の葉裏に戻ったり、同じ葉裏にオスメス2頭が集中したりという興味深い行動が観察されました。
日光浴の時間帯は、10時半~12時頃でした。

気温(10時、11時、12時):18, 19, 21℃
最低気温:10℃

本格的な越冬開始時期は11月下旬頃と思います。


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ベニシジミとムラサキシジミ

2014-11-14 10:27:00 | 南多摩
11月10日
朝からよく晴れて気持ちの良い一日、久しぶりに多摩丘陵に出かけました。ウラギンシジミ、ムラサキシジミの日光浴観察が主目的。

最初に見た蝶は、キタキチョウで、9時半頃植込みから飛び出して林内へ消えていきました。2番めはキタテハ。同じ植込みに飛んで来て日光浴です。


キタテハ(9時39分)

谷戸の道を歩いていると、割ときれいなベニシジミが次々に目に入りました。

ベニシジミ

#1

後翅に青白色の小さい紋がありました。じっくりと撮ろうと思ったら、民家の少し年配の男性が話し掛けてきて「こういう自然の中で暮らしたいと思って20年位前にここに引っ越してきた、通勤は大変だけど気に入っている」などと教えてくれる。昔は関村という地名だったそうだ(現在は町田市)。


#2


#3


#4

背後にアラカシ・シラカシの生える芝生の丘は、毎年ウラギンシジミ・ムラサキシジミが見られる場所。その少し手前で、多摩市のHさんに久しぶりにお会いしたので、一緒にその丘で観察しました。


ムラサキシジミ♀(10時22分)

ウラギンシジミ♀2頭とムラサキシジミ♀2頭が代わる代わる現れて日光浴姿を披露してくれました。

その後、別の場所でウラギンシジミを観察。後ほど報告します。

10時に18℃、12時に21℃となり、比較的暖かな一日でした。
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川沿いを歩く

2014-11-09 20:50:00 | 南多摩
11月7日
郊外の街道沿いは午前中気温が低く、蝶影がありませんでしたが、道路脇の石垣に咲くヒメツルソバにはたくさんのニホンミツバチが集まっていました。まだ蜜集めを始めたばかりなのか、脚に花粉団子は着いていないようです。

※写真をクリックすれば拡大して見られます

ヒメツルソバとニホンミツバチ

今までマイフィールドにセイヨウミツバチの巣箱が置かれていたこともあり、セイヨウミツバチを見る機会が多かったのですが、久しぶりにニホンミツバチと出会ったような気がします。
一時期、収量の多いセイヨウミツバチの養蜂が盛んになり、ニホンミツバチが減って山間部でしか見られなくなったと言われていました。しかし近年、蜂蜜の輸入量が増え、国内でのセイヨウミツバチの養蜂が下火になったこと、天敵であるスズメバチの駆除が進んだことにより、特に都市部でニホンミツバチが復活しつつあるようです(ミツバチに関して一部書き換え加筆:11月11日記)。

※後翅の翅脈にH型の分岐が見えるでしょうか。ここを見ればニホンミツバチだと分かります。両者の翅脈による識別は→こちらをご参照ください

12時半頃パアッと晴れてきました。
いち早くヒメウラナミジャノメが日光浴を始めました。


ヒメウラナミジャノメ♀

飛び立って翅を閉じ、翅裏に日が当たっていないのでフラッシュ撮影したところ、翅を開き、飛び立ちました。写真では、翅を少し広げたところまでが写っています。中央に黒っぽく見えるのが閉じた翅の位置でしょう。
左翅が2枚写り、そのうち明るいのが閃光を浴びた左翅、その外側にブレて見えるのがシャッターの閉じるTimingまでの左翅外縁の動きだと思います。
右翅は少し難しいですが、中央に黒っぽく見える閉じた翅の右側に歪んで明るく移るのが閃光を浴びた時の翅、そのさらに左にぼやっとシャッターが閉じるまでの翅裏模様の動きが重なっているのだと思います。



土手にいくとたくさんの蝶たちが明るい草地斜面に。
キタテハ3頭がまず見え、モンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、ヒメアカタテハ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミが入り乱れてコセンダングサで吸蜜し、あるいは同種・異種同士で追飛をし、なかなか賑やかでした。ルリタテハが一瞬僕の周りを飛び姿を消す。


キタテハ♂

ウラナミシジミのオスは破損が目立ちましたが、メスが3頭おり、いずれも新鮮な個体でした。今まできれいなウラナミシジミを撮影出来ていなかったので、一挙に載せます。


ウラナミシジミ♀ #1


同上(翅裏)


ウラナミシジミ♀ #2


ウラナミシジミ♀ #3


同上(翅裏)

少し先に歩くと、民家の物干し竿に干しているデニム地の洗濯物に先ほど見掛けたものか、ルリタテハが止まっていました。青い色を好むのでしょうか。


ルリタテハ

そろそろ、晩秋の蝶たちの舞いも終わりに近づく頃。だんだん寂しくなりますね。
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