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庄の集落を後にして県道に出ました。未だ大泰寺が何処にあるのか見当も付いていません。あまりにも遠くの景色ばかり眺めていたら、案外近くのものを見逃している場合があり、何だか不安な感じですが、県道を右へと曲がります。もう11時近く、歩きだして2時間ぐらい経っています。
大泰寺を目指していると言ってもそのお寺をよく知っていると言うことではありません。地図が大泰寺を目指すように描かれているのです。でも大泰寺はこの辺りでは有名なお寺のようですよ。
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擬宝珠のある橋、何やらお寺か神社がありそうな雰囲気です。橋を渡ってもう少し歩くと、目の前の大木に“平維盛お手植えの椎の巨木”という案内板がありました。800年前に植えられて、この程度の木かと思うと木の成長って遅いなぁと思います。そう書くと伝説を信じているようですが、実は「ウソやろ」と思っているのです。維盛は勝浦沖で入水したとか、色川で生き永らえたとか、どちらにしてもこの地方に逃げ伸びたという伝説があります。
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椎の巨木の手前が大泰寺の入口、“国宝薬師如来之霊場”と書かれた碑が建っていました。桓武天皇云々という由来が書かれていましたが、もう古いものらしく字が消えている部分も多かったので読めませんでした。
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ここは境内なのか、参道なのかよく分かりませんが、お堂のある所までは遠いような感じ、途中お地蔵さんが全部で十体並んでいました。
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5分ほど歩いたような気がしました。やっとお堂のある所まで到着、先に薬師堂、後ろに本堂が前後して並んでいます。こちらが本堂、大泰寺は臨済宗・妙心寺派のお寺だとか、出発時に通った海蔵禅寺も妙心寺派、平井で見たお寺も姫地区の海林寺も妙心寺派でした。串本の無量寺も臨済宗でしたが、東福寺派だそうです。
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こちらは薬師堂、室町中期の面影を残しているという建築物だそうです。国宝に指定されている薬師如来像ですが、国では銘文中に阿弥陀如来と書かれていたので阿弥陀如来像として登録されているようです。
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薬師堂より上段にあった忠魂碑や納骨堂、手前の自然石には梵字が刻まれてます。真ん中の写真は三界万霊等と書かれた碑と七体のお地蔵さん、普通六体置かれて六地蔵などと呼ばれていますが、何故七体なのでしょう。妙心寺派のなせる技なのでしょうか?花を活ける花瓶がみんな倒れているのも不思議な風景です。“等”も普通なら“塔”ですよね。右は薬師堂の扉、石に穴を開けたものを吊り下げていますが、何を意味しているのでしょう。
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薬師堂の前の踏み石?でしょうか。普通ならなるべく平らな石を並べているのに、僅かですが角度を付けて屋根の型に盛り上げています。坂に沿うように小石が並べられていて、奇妙なのときれいなのとで見とれてしまいました。
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納骨堂より上にあった薬師如来像、屋外なのでこれが国宝だというわけではないでしょう。木製なのか石製なのか遠目からは判断できません。
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20分ほど境内をウロウロしたので、そろそろ下里の駅の方へ行かなければなりません。県道を東へ向かって歩きだし、振り返って維盛が植えたと言う椎の巨木を写しました。
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ここで熊野古道の標識、私はきっと途中で道を間違えたらしい、この場所に出てこないといけなかったのです。それなら目の前に大泰寺の入口が見えます。右方向を指している標識通りに歩くと市屋峠を経て湯川方面に行くことになります。
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車で来たら見えるちょっと大き目の案内板、方角的には先の道標と同じ方を指していますが、私は湯川方面には向かいません。昼近くなっているので下里駅近辺で昼食をとりたかったのでした。
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