月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

コーヒーのある風景

2007年05月08日 13時35分44秒 | 漫画(藤子以外)
山川直人先生からお手紙を頂きました。あの、いつも漫画のコマや単行本の中のエッセイで見ている、温かみのある文字で宛名が書かれていて感動しました。開封すると、「火星通信」(山川直人漫画自費出版通信) などのほか「コーヒーのある風景~山川直人漫画展」のポストカードが…。昨年、何冊か同人誌を買わせて頂いたので、私にも送ってくださったのでしょう。とっても嬉しいです。

この漫画展が開催されることは山川先生のブログ「地球の生活」などで知っていたのですが、「コーヒーもう一杯」の複製原画を中心に、イラストと漫画の原画が展示されるそうで、あのカケアミの美しさをぜひ生で見てみたい!と思ったものの、ちょっと東京までは行けそうにありません(T◇T) 山川先生の漫画がお好きで、お近くにお住まいの方は、ぜひ行かれてみては如何でしょうか。

詳しくは会場「Roof」のホームページ(こちら)をご覧ください。昨日から6月3日(日)まで開催中だそうです。

山川直人先生の作品を初めて読んだのは、かれこれ10年ほど前、当時あった雑誌「コミックアルファ」に掲載された短篇「いちご」でした。一目見たときから、その独特なタッチとお話に魅了されたのですが、なかなか作品が単行本にまとまることもありませんでした。2002年に発売された「ナルミさん愛してる」も、私は発売を先生のホームページで知ったときから嬉しくて、すぐに予約して購入したのですが、残念なことに売れなかったらしく、間もなく絶版になってしまったのです。先生は自作を自費出版され、それをコミティアなどの即売会で販売されています。私は先生の同人誌を扱っていたサイトで何冊か購入させて頂き、当時はそれが唯一、先生の短篇を読む手段となっていました。

ところが、「コミックビーム」で「コーヒーもう一杯」の連載が始まってからは、先生に対する世間の評価が一変します。雑誌やテレビなどでも取り上げられ、過去の短篇も単行本にまとめられ、前述の「ナルミさん」もエンターブレインから復刊されました。元の「ナルミさん」は、気がつけばプレミア価格がついてしまい、古本市場で2000~3000円前後で取引されるようになっていました。売れなくて絶版となり断裁処分にされた本に、今になってプレミア価格が付けられているという現実に、何かやるせない矛盾を感じずにはいられませんでした。私の知人にも3000円で購入したという大学を出たばかりの青年がいます。だけど、山川作品の魅力に強く惹かれ、同人誌も買い集めている彼は「3000円以上の価値がある!」と満足そうでした。

そんな彼も、まさかこんなに早く650円+税で復刊されるとは思っていなかったと思いますが(笑)、きっと今回の復刊された「ナルミさん」も、その装丁や収録された3つの短篇にひかれ、また買ってしまうことでしょう。私も「コーヒーもう一杯」の第3巻と一緒に買いました。もう何度も読み返しては独りニヤニヤしています。

山川先生の作品にはコーヒーがよく似合います。私の机に山川作品があるときには、たいていすぐ側でコーヒーの芳香と湯気が立ち上っているのです

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