創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

アナロジーと発想のモデル

2010-01-13 09:50:13 | ビジネス実用

おはようございます。

 システム開発のモデルは中村さん推奨の建造物モデルが最適かもしれません。実践を重んじた師匠が言うのですから間違いないと信じています。しかし、商品企画の担当者が役員を説得する資料は、抽象的な平面の図表が良いと私は経験で学びました。図表のタイプはいろいろです。人は新しいデータや情報を過去の知識やイメージや記憶と照らし合わせ、比喩して類推するからです。類推してもらわなければ、納得してもらえません。

 まず、自分が徹底的に類推し、良い資料を作るのが先決です。発想を吟味しなければいけません。良い商品は安くて高機能、壊れにくく、使いやすくなければいけません。どれが欠けても売れませんし、特徴がなければ売ってもらえません。バランスが悪くなれば、良いところがある商品も絶対にうれません。妥協も必要です。しかし、現場と妥協すれば売れません。行き詰って諦めて、転寝したり、お風呂に入ったりすると、発想の跳躍が起き、創造的な結論に至るのだと信じています。そのために必要なのが良い図表です。私はこれもモデルの一種と考えています。

 従って、比喩や隠喩の知識も創造性発揮や商品企画に役立ちます。課題や商品の特徴を人の体にたとえて説明する方法は、便利です。過去の歴史物語にたとえ説明するのも容易です。お偉いさんは十八史略や孫子の兵法が好きですので、市場の成長や新規商品の販売戦略を過去の兵法に擬えた説明は定石です。もっとも、三十六計逃げるに如かず、と責任者に言われたら負けです。尻尾を巻いて出直すしかありません。

 マックの代名詞、アイコンはイコンが語源なのでしょう。キリスト教に知識がある人なら、イコンの意味はお分かりだと思います。イコンは表像と訳すのでしょう。キリストのイメージやマリア様のイメージは決まった絵で表現しますし、教会や悪魔を表す絵も決まっています。知識がないとその絵が何を意味するか分からないような特徴のない絵も、特別の意味を持っています。絵でコンセプトを表すのがマッキントッシュのアイコンの基本。アイコンは深い意味を持つ言葉かもしれません。

 私は、人の概念は4分岐の体系で表すのが良いと経験から信じています。あらゆる用途にこれしか使いません。PowerPointの資料も、各ページひとつの表題と、4項目の箇条書きで表しています。6項目や8項目説明したければ、徹底的に絞込み、4項目に減らすか、2つの項目を統合し1項目にして項目数を減らします。どうしても捨てられない要件があれば、いくつかの項目を切り出し、別のページを作ります。3項目しか発想できない場合でも、諦めず、4項目まで生み出します。落語ではありませんが、無いものを捻り出すわけです。捨て、生み出し、統合し、分離していると次第に創造的な結論に近づいてゆきます。細かいテクニックはありますが、雑駁に言えば、4項目の箇条書きが私の発想法のモデルです。

 今回も、理事長に説明しているときに新しいアイデアがどんどん湧いてきました。新しい発想は真剣に役員に説明しているときに起きるのが常なのでしょう。妥当な、ありきたりで面白くないストーリーを、最適な人に説明しているとき、アイデアは進化し、すばらしいストーリーに至ります。アイデアは場が生み出すとも言えるでしょう。売れた商品はこのような状況で企画がスタートした商品でした。社員に無理にやらせる商品は絶対にヒットしません。

今日はここまでにします。


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