おはようございます。
第4章に話を進めます。プロジェクトの参加者が全員で共通認識すべき4つのテーマをこの章は説明しています。以下に共通認識の課題を転記します。
1)役割分担
2)プロジェクトの風土
3)特許戦略
4)プロジェクトの停止条件
ある事業部が主管となり、複数の事業本部や事業部から人が集まります。皆さん習慣も思いもそれぞれです。多くは一匹狼的な人かもしれません。そこで商品企画の担当者が議長となり、4つの課題を定期的にブレーンストーミングし、参加メンバーが意志の疎通を図ることが必要だと書いてあります。プロジェクトがスタートする前に意思統一できれば理想的ですが、全員が課題に納得するまで、しばらく時間がかかると説明があります。
私も妥当な項目が箇条書きに並んでいると今も思います。でも、これらは綺麗ごとにも思えます。現実には場合場合で、極めて難しい現実がありました。この本の説明は大学の先生が言いそうな言葉だと思いました。そうか、これは女子大の市場情報論の教科書でした。教科書ならこうなるのも仕方ないのかも。
私はいくつかの緊急プロジェクトの商品企画を担当しました。緊急プロジェクトの性格にはいろいろなタイプがありました。ソフトの場合もあるし、販売手法の場合もあるでしょう。私が担当したプロジェクトは全て新規商品の開発でした。新しいチャネルを構築すべき、または既存のチャネルにゼロから売り込む新規事業のケースでした。
1つの事業本部ではノウハウ不足です。必要な技術は多様、その習得に時間がかかります。1年半で市場に画期的な商品を提供するのが緊急プロジェクトの所以なのに、なかなか商品はできません。そこで事業部長や本部長が他の事業本部にノウハウを持つ人を要求し、緊急プロジェクトに参加してもらいます。
しかし要求された他の事業部や事業本部にも今の緊急課題があります。優秀な担当者は多忙、浮いている人が異動できます。やや一匹狼的な人が普通でした。ですからメンバーは寄せ集めの集団になるのが普通でした。ですから意思疎通が大変、まず必要でした。
リーダーと商品企画は同じ事業部が普通でした。事業部長が座長になり、プロジェクトが始まる前に方針を相談し、仕様の大枠を決めていました。それは本社への本部長の提案前に必要でした。しかしプロジェクトのリーダーも個性豊かな一匹狼の傾向がある人たちでした。なかなか大変な打ち合わせになりました。
失敗とされたケースは経験なしですが、失敗とされたケースを度々見ました。単に私が幸運でした。でも、法則もありそうです。当初の人員が多いほど失敗しがち、10人以下が成功しやすいようにも思えています。人間が多いほど、参加する事業本部が多いほど、八甲田山死の彷徨になりがちなのかもしれません。
今日はここまでにします。