白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

ドライブ、ドライブ、ドライブ

2014-08-04 13:19:52 | 家族
メサベルデを出てから次の目的地カールズバッドの洞窟までは520マイル(832Km)。
いくらアメリカでも一日で行くのは辛い。

そこでサンタフェ経由で2日にわたって移動することにした。

車窓からの風景はこんな感じ。


数時間たってもやっぱりこんな感じ。


なぁ~~~んにもありません。


サンタフェの近くにロスアラモスという町がある。
何気なしによって見た。
本当に全くなんの目的もなく、なんとなく。
ここがどういう町なのかも何も知らず。
寄りたいと言ったのは私。
雨が降っていてやることがなかったので、科学博物館にでも行こうか?っと。
博物館を選んだのも私。
うちのボーイズは科学が大好きだから・・・。

ただ、行ってから知った、とんでもないところだった。

ロスアラモスと言う町は、太平洋戦争中極秘の場所で、地名を記すことは許されなかった。
地図にはもちろん載ってません。
郵便を出すときは、サンタフェの私書箱を使うこと。
とにかく完全に消された町。
なぜかというと、ここで原爆が研究され、作られたからなのです。

そして私たちが何気なしに行った科学博物館はというと、実は核兵器万歳博物館なのでした。


広島に落したリトルボーイと同じ模型。

広島の原爆投下をた・た・え・るように説明してある掲示。


どれもこれも「すばらしい発見!素晴らしい功績!」と原爆を湛えるものばかり。

そりゃ~、こんななぁ~んもないところで、唯一誇れる(?)ものなんだから気持ちはわかるけど、大変不愉快です。


それはそれは、子供でも楽しめるように作ってある博物館だけど、
どれもこれも、核爆弾の破壊力の話ばかり。
ビデオ映像は、爆発の瞬間や、物が壊れる瞬間ばかり。
見ててかっこいい、おもしろいものばかり。
悲しいことに、うちの子供たちも、爆発の瞬間を何度も見て喜んでました。


人への影響の写真はただの一枚もない。

物が壊れるのはかっこいいかもしれないけど、人への影響を完全に避けているのはどうかと思います。

人が住んでいるところに、こんな爆弾を落としたらどうなるか、考えてみなさいよ。
実験に生身の人間を使えないなら、動物を使ってそのビデオ映像を流しなさいよ。
広島長崎はある意味実験のようなものだったんだから、焼けただれた肌をぶら下げて歩く人々の写真を見せなさいよ。

それがこの爆弾の本当の威力だと思います。

でも、それはこの博物館だけではなく、アメリカでは絶対タブーなこと。
見せてはいけない、語ってはいけないことなのです。


大変不愉快な博物館でした。

考えてみたらもうすぐ原爆記念日。
バークレーでは追悼の精霊流しをしているというのに、ここでは花火でも打ち上げて祝うのかしら?

住んでいるのがバークレーでよかった。