母が入っている自立型老人施設から匙を投げられたので、
新しく入れてもらえる施設を探さなければならない。
むかし祖母が入っていた老人施設は自宅にも近くて良かったし、今もその施設はあるが、都合よく空いているとは限らない。
なにより母は自分から転居するとは絶対言わない。自分で探して入った施設だし、20年以上住んでいれば愛着もあるし、
生活パターンもわざわざ変えようとはしない。そこで私たちがこれぞと思う施設を探してから説得することにした。
ただ、どこが空いているかわからないので、お世話になっているケアマネさんに紹介してもらうことにした。
はじめに紹介して貰ったのはグループホーム型の施設を数ヶ所。パンフレットを貰ったその足でアポなし見学に行ってみた。
住所をナビに入れ、立地や外観を見て不便と感じてパスした所、
見学はしたものの何か手狭な感じがしたので名前だけ書いてきたものの、うちの母には向かないなと感じた。
次に紹介して貰ったのが介護付き有料老人ホーム。こちらも数ヶ所。なかでもオープン前で入居者募集中という所があった。
いま母が入居している施設もオープン3ヶ月目に入ったので新しいところの方が気持ちが良かろうと思ったからである。
見学希望の申し込みをしたら見学会の日にちを報せてきたのでその日に行ってみた。
見学会の日なので食事の見本や茶菓子などを食べさせてくれたり、田んぼの向こうに川岸の桜並木が見えるなど
自然豊か(ど田舎)な環境にあり、私が30年以上前に営業で走り回っていた地域で土地勘もある。
母もそのあたりに遊びに連れて行ったことがあるのでいいなと思った。
しかし転居させる本人がウンと言わなくてはならないので、後日見せに連れて行った。
見学会の日とは違い、留守番の職員がいるだけで、静かではあったが母は
「あんな人がおらん寂しいところは怖いであかん。」
と完全に拒否。
「すでに7室予約が入っているし、まだオープン前やから誰もおらんだけやよ。」
と言っても、怖い怖いと聞く耳持たず。
挙句の果てに
「ウチに帰りゃいい。」
とのたまう始末。
おうちコールには、
「ウチに来ても手すりはないし、3時間くらいすると施設に帰りたいと言うがね。」
で論破するのでいいけれど、
こうして第一弾は大失敗に終わった。
それに新築してまもなくで部屋が一つだけ空いていて
ラッキーでした。
半年しかいなかったのですが、母のわがままにも
対応して頂き感謝でした。手元のベルを鳴らせば
いつでもお茶が運ばれていました。
そこで脳梗塞を起こして迅速な対応で病院に運ばれた
のです。
自宅でしたら二階と下では朝まで発作に気づかなかった
ことと思います。
その時も今でも施設に感謝です。
環境は変化しても本人は満足でしたので
環境の変化で脳梗塞を起こしたとは考えにくいです。
何しろ家では美味しいものを制限するのを嫌がり
食べたいものを食べていましたので。データも
悪いが主治医は年なので制限しなくてよいと言われて
いました。
脳梗塞を起こしてもやむを得ない数値でした。
お家からそんなに近い施設に入られたのはホントにラッキーですね。
何かあっても直ぐにとんでいけます。
そして最晩年までお家で過ごせたのも良かったですね。
matsubaraさんのお世話の賜物だったのではないでしょうか?
また食事制限もなく、お好みのままに最後までお過ごしになられて、
幸せなご最期だったのではないでしょうか。