峠おやじの「たわごと」

峠、自転車、キャンピングカー、野菜、園芸、時事ネタなどをぼやいてます。

回収された特攻隊員の遺書

2012年08月29日 | 歴史
昨日のNHKクローズアップ現代で
なぜ遺書は集められたのか~特攻 謎の遺族調査~
が放送されました。ま~っ、特攻基地だった知覧に行く峠・手蓑峠をアップした週に放送されるとはタイムリーな・・・

番組解説から引用します。

太平洋戦争中、旧海軍の特攻作戦で亡くなった隊員の遺族を対象に、戦後、徹底した追跡調査が全国で行なわれ、1000通を超える遺書が回収されていたことが判った。今回、初めて発見された膨大な調査票には、隊員ごとに、遺族の家族構成や戦後の暮らし向きが事細かに書き込まれ、遺書や遺品の実物が添付されていた。戦後67年が経ち、遺族の殆どは、調査を受けた経緯を知らず、何のための調査だったのか、そして、なぜかけがえのない遺書が回収されたのか、知りたいと願い続けている。取材を進めると、水面下で調査を行っていたある組織が浮かび上がってきた。その知られざる目的とは何か。戦後秘史、謎の特攻遺族調査の全貌に迫る。

ということで、その収集にあたったのは近江某という民間人、写真を見ると小顔の好人物でした。それが特務機関とか「慰霊のため」とか言って特攻隊員の遺書を回収していたそうです。そしてその黒幕は「二復」という組織。


「二復」とは海軍が敗戦と同時に解体され、その直後に出来た「第二復員省」のことで、表向きは海外に派遣されていた兵士達の復員に関して事務仕事をするための組織だそうです。

それが特攻隊の遺書を回収していました。もうここで違和感を感じました。回収とは自分のものを取り戻すという意味です。遺族のものであるべき遺書なのになぜ回収などと自分のもののような言葉を使うのでしょう。

もうこの時点で組織防衛だなとピンと来ました。何を?決まり切ったこと。特攻を命じた司令部指揮官たちの身を守るためです。敗戦と同時にそれまで自己犠牲の極地として美化されていた特攻は日本の恥とされ、指導者は戦犯や軍事裁判対象者になり、生き残り隊員も冷遇されたそうですから。

それに死んでいった人の遺書でさえ自分たちの組織のモノと思っている感覚。そこらがもうダメなのです。

大東亜共栄圏とかどんなにご立派な思想があっても、死ぬことを目的とした作戦しか立てられないようになったらお終いです。軍(組織)のメンツのために「生き残りがあってはならない」とか「玉砕」させるなんてのは下の下。人間として許されないどころか若い人からはこう言われます。

ある年の終戦記念日に際しての街頭インタビュー
あなたは国を守るために死ねますか?
ある若い人は
「そんな国なら滅んじゃえばいい」
と答えました。

その通りだと思いますよ。純真?な若者でもこうです。
その裏で自分らだけは助かりたいでは死んでいった者は浮かばれません

この手の組織防衛、お役所の考え方じたいが現在でもそう(岐阜市の罪またもや発覚)だから、全く改心していないのです。

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1 コメント

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matsubaraさん、ご同意ありがとうございます。 (ナワ~ルド@峠おやじ)
2012-08-29 21:33:50
NHKの取り上げ方が疑問調なので、ネット検索すると殆どが司令部批判してますね。

反対意見がひとつだけありました。フライデーのカメラマンだった人。
http://ameblo.jp/zero21nk/entry-11340236746.html
零戦搭乗員の談話とか写真で本を何冊も出しているので、心酔かつ利益共同体になってます。
プロレタリアートな階級史観という言葉にどうしようもない古さを感じました。
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