智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

家物語 番外編 インテリアの想い出

2013年09月29日 | 家の設計、インテリア
写真は以下全て、都立行船公園のお茶室です。参考に何度か訪れました。



写真とは関係なく・・・想い出話。


埼玉県から、都内のマンションに引っ越したのは、小学校2年の夏。

父が、知合いのインテリア・コーディネーターに頼んで、内装は完了していました。

衝撃でした・・・


子供部屋のカーテンは、フランス製ですが、黄色地に 赤色の西洋梨のプリント柄。

原色の黄と赤のコントラストがきつく、目がチカチカ、落ち着きません。

リビングは、ペルーのアンデス製で、素朴な茶褐色地は良いのですが、

80cmはある「蛾」と中小の「蝶」の大胆不敵さに、気味悪く居心地悪いこと・・・

ダイニングは、オレンジの純毛カーテンに、グリーンの純毛絨毯。

三十代の両親の寝室は、隠居部屋のように老け込んだ、灰色のカーテン。


プロに頼んだこと、家族一同、後悔しました。

すべて上質で高価なものでしたが、調和がありません。

強烈で、今も忘れません。


それでも、私と父が日本橋高島屋で選んだ デンマーク製チーク材無垢の食卓と椅子、

食卓は楕円形で、オレンジ色かかった狐色の木目が美しく、

椅子は、背もたれの木の曲線が格好良く、洗練され合理的で、母も姉も気に入りました。




高校2年の春、同じ地区内で、4LDKのマンションに引っ越しました。

前回の反省下、カーテンは 家族各々が決めることにして、

照明は、ヤマギワ照明の 照明コーディネーターを呼びました。

旧宅が蛍光灯で、食事の魚や肉が、おいしく見えないことを両親が気にしたからです。

初めて白熱灯で照らされた日、お肉の赤、野菜の緑が、鮮やかに映えました。

・・・驚き、感動し、照明の重要さを学びました。


当時、自宅から、東京タワーと富士山が見渡せたのですが、

東京タワーが、北欧で修行した照明デザイナー、石井幹子さんによって、

美しく「ライトアップ」され、劇的に変化し、印象深かったです。

石井幹子さんは、新しい歌舞伎座のライトアップも、手がけていらっしゃいます。


家具は、先のチーク材のテーブルに調和するものを、両親は買い足しました。

ソファーは、これもまた私が見つけた、真紅のビロード張りに決まりました。

そのような訳で、子供の頃から、インテリアは興味をもって観察していました。


両親は交際範囲が広く、友人・知人宅を私達子供も連れて、訪問しました。

ですから、様々なお宅を拝見する機会に、子供の時分から恵まれました。




25歳で、シンガポールを家族旅行したとき、シャングリラ・ホテルの室内装飾が気に入り、

嫁入りの家具として、英国ジョージアン様式 焦げ茶色の家具を揃えました。

28歳でマンションを購入した折、LDを一間につなげる内装工事をかけ、

先のジョージアン様式の家具を中心基調に、引き立てる壁紙を選出、

イタリア製のカーテン、スペインから船便でやってきた照明を足していきました。




その後も、外国・国内旅行する時は、

ご当地の庭園めぐりは無論、建築物、インテリア、活け花も気になり、

ご当地の主要ホテルを見て周り、

母も姉も好きで、女三人、姦(かしま)しく、論評三昧です。

夫も、好きそうです・・・夫の論評を聞くのも、楽しいです。


いずれにしましても、「美しい記憶」が財産になり、造園へ転職し、

今回の自宅建設時に、大いに役立ちました。