「家業は造園植木業です」と伝えると、
女性の相手の反応は、「バラの庭ですか?」と返されることが、最近重なった。
正直、ガクッとくる。
その人にとっての「庭」とは、「バラの咲き乱れる園」、イングリッシュ・ガーデン、ガーデニング・・・・
ということなのであろう、と推測してしまう。
私は、黙ってしまう。
東京都内には大名や公家の庭園が随所残され、京都には寺院や貴族の庭が沢山あるが、
「バラの庭」に直結する人は、これらの、日本が世界に誇れる「庭文化」を知らないであろうし、
説明したところで、伝わらないであろう。
花はバラだけではない。
今、我が家の庭に咲き始めたのは、スズラン、紫蘭、久留米ツツジ、姫空木、
蕾が膨らみ始めたのは、石楠花、アイリス、マロニエ、
紅葉も花は咲き、今はプロペラ状の種が、風に乗る準備をしている。
確かにバラは人目をぱっと引いて、その美は単純に分かりやすい。
でも、日本には四季が有り、折々の花や緑を楽しめる・・・・日本人の美意識は過去のものになりつつある・・・
私は、イギリスやドイツを夏に旅行して気が付いたことは、
湿気が少なく、朝晩は冷え込むので、
オープンカフェで飲食しても、日本だったら蠅がうるさくシツコイけれど、欧州では蚊や蠅は寄ってこない。
バラも、欧州の気候風土に適合して、肥料さえ上げれば元気に大きく育つが、
日本では、関東以南で育てるには、頻繁に発生する病害虫を退治するため、何度も薬剤散布をしなければならない。
むこうでは、誰でも育てやすい、たくましい花、のイメージであり、
こちらでは、手間暇がかかる花。
反対に、椿などは関東以南では、ありふれた植物でしょうが、
ヨーロッパでは、日本から導入された当初は、ガラス温室を持つ王侯貴族の高嶺の花で、
オペラ「椿姫」のヒロインは、パトロンから贈られた椿の花を胸に飾り、社交界に出ていたが、
バラではなく「椿」が富の象徴であった。
当時、温室はシャトー(城)に併設され、「オランジェリー」と呼ばれていた。
温暖な気候で育つ「オレンジ」を育てる場所、という意であるが、
我が家の庭では、みかん、カボス、スダチ、ユズが、屋外で、薬剤散布をしなくても、元気に育つ。
私が、イギリスの庭を見て回り、学んだことは、色調へのこだわり。
葉の色、花の色、色合いを重視していること。
樹木や草花を、日本にそのまま導入しても、あのように美しくはなれない。
梅雨時期の長雨や、そのあとの蒸し暑い猛暑で、ぐったりとしてしまう。
だから、私は、この地で、この気候と風土に根差した植物達を活かして、色合いが調和して美しい庭を作ろう、
そう決意して、庭づくりに励んでいます。
植物の「ありのまま」を受け入れて、見守る。
過保護にしないと育たないバラは、庭の片隅に追いやり、
代わりに、「シャクヤク(芍薬)」が大輪で豪華な存在感を与えてくれます。
女性の相手の反応は、「バラの庭ですか?」と返されることが、最近重なった。
正直、ガクッとくる。
その人にとっての「庭」とは、「バラの咲き乱れる園」、イングリッシュ・ガーデン、ガーデニング・・・・
ということなのであろう、と推測してしまう。
私は、黙ってしまう。
東京都内には大名や公家の庭園が随所残され、京都には寺院や貴族の庭が沢山あるが、
「バラの庭」に直結する人は、これらの、日本が世界に誇れる「庭文化」を知らないであろうし、
説明したところで、伝わらないであろう。
花はバラだけではない。
今、我が家の庭に咲き始めたのは、スズラン、紫蘭、久留米ツツジ、姫空木、
蕾が膨らみ始めたのは、石楠花、アイリス、マロニエ、
紅葉も花は咲き、今はプロペラ状の種が、風に乗る準備をしている。
確かにバラは人目をぱっと引いて、その美は単純に分かりやすい。
でも、日本には四季が有り、折々の花や緑を楽しめる・・・・日本人の美意識は過去のものになりつつある・・・
私は、イギリスやドイツを夏に旅行して気が付いたことは、
湿気が少なく、朝晩は冷え込むので、
オープンカフェで飲食しても、日本だったら蠅がうるさくシツコイけれど、欧州では蚊や蠅は寄ってこない。
バラも、欧州の気候風土に適合して、肥料さえ上げれば元気に大きく育つが、
日本では、関東以南で育てるには、頻繁に発生する病害虫を退治するため、何度も薬剤散布をしなければならない。
むこうでは、誰でも育てやすい、たくましい花、のイメージであり、
こちらでは、手間暇がかかる花。
反対に、椿などは関東以南では、ありふれた植物でしょうが、
ヨーロッパでは、日本から導入された当初は、ガラス温室を持つ王侯貴族の高嶺の花で、
オペラ「椿姫」のヒロインは、パトロンから贈られた椿の花を胸に飾り、社交界に出ていたが、
バラではなく「椿」が富の象徴であった。
当時、温室はシャトー(城)に併設され、「オランジェリー」と呼ばれていた。
温暖な気候で育つ「オレンジ」を育てる場所、という意であるが、
我が家の庭では、みかん、カボス、スダチ、ユズが、屋外で、薬剤散布をしなくても、元気に育つ。
私が、イギリスの庭を見て回り、学んだことは、色調へのこだわり。
葉の色、花の色、色合いを重視していること。
樹木や草花を、日本にそのまま導入しても、あのように美しくはなれない。
梅雨時期の長雨や、そのあとの蒸し暑い猛暑で、ぐったりとしてしまう。
だから、私は、この地で、この気候と風土に根差した植物達を活かして、色合いが調和して美しい庭を作ろう、
そう決意して、庭づくりに励んでいます。
植物の「ありのまま」を受け入れて、見守る。
過保護にしないと育たないバラは、庭の片隅に追いやり、
代わりに、「シャクヤク(芍薬)」が大輪で豪華な存在感を与えてくれます。