能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

クリステンセンの法則 現状維持は、ただの後退・・・今に満足していると後発組に負ける イノベーションのジレンマ

2024年04月13日 | マネジメント

米国、いや世界を制覇したコンピュータ業界の巨人IBM社。

今世紀に入り、GAFAM(グーグル、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト)といったビッグテック企業に足をすくわれました。

システムのダウンサイジングやイッターネット化の中で急速に進むネット業界にIBM社はついて行けませんでした。

先発企業だからといって安心してはならない!

ハーバード・ビジネネススクールのクレイトン・クリステン教授は言います。

失うものが何もない後発企業が起こす破壊的イノベーションにより、保守的な大企業が敗れるという図式です。

先発企業は市場シェアを持ち、安定的に儲ける仕組みを持つがゆえに守りに入ってしまい、社内で新しいチャレンジが出来なくなる傾向があります。

新商品や新サービスを出すと、それが現製品を食う(カニバる)リスクが多々あるのです。

教授は、これを「イノベーションのジレンマ」と呼びました。

 

JAPANアズナンバー1と言われた経済バブルの頃、日本の白物家電や半導体は世界市場を席巻していました。

その成功の蜜の味を忘れられず、イノベーションを起こすことが出来ませんでした。

ゼロから始めた、過去を引きずらない中国や韓国、台湾などの新興勢力は、選択と集中により日本を追い抜いていきました。

個人でも同じことだと思います。

立ち止まることは、退歩を意味します。

毎日毎日、わずかでも前に進んでいくことは、とても大切なことです。

 

晩節、病に苦しまれたクリステンセン教授は、最後まで教育者としての仕事を続けていました。

最後の書籍となったのが「イノベーション オフ ライフ」。

ビジネススクールの卒業生たちへの応援歌のような本でした。

 

個人の戦略の成功の鍵を握るのは、時間や労力、能力、財力などの資源配分プロセスである。

目先の成果にとらわれず、家族や友人と過ごす時間など、自分が本当に大切にしたいものに投資をするべきである。

 

自分の子どもが将来直面しそうな困難から逆算して身につけておくべき能力を考え、その能力を養えるような経験ができているかを考えることが大切だ。

 

クリステンセン教授・・・単なる経営学者ではない、すごい先生でした。

合掌!


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