情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

検索というメディアの公共性をいかに確保するべきか?~自由を守るための法規制が必要ではないか?

2006-08-25 00:08:48 | メディア(知るための手段のあり方)
日経(←クリック)によると,【グーグル日本法人は、日本語の学術論文をインターネット上から無料で検索できるサービスを年内に始める。論文のデータベースを運営する国立情報学研究所などと連携し、入力したキーワードに関連した論文を選び出す。見つけた論文が他の論文から引用された件数もわかる。大学や民間企業で働く研究者の利用を見込む。】という。この【新サービス「グーグル・スカラー」は、国内の学会誌に掲載された論文が主な対象。米国内ではすでに同様のサービスを始めており、100万件以上の英語論文が検索でき、研究者の間で広く使われている。今回はその日本語版。】ということだが,米国では,広告も一切打たれていない点に注目したい。

露骨なバナー広告ではなく,検索連動型広告(検索した頁にスポンサーサイトなどとして表記されるもの)を中心とするグーグルであれば,ほかの検索と同じように検索連動型広告を掲載してもよさそうだが,自粛しているようだ。例えば,グーグルスカラーでcarを検索した結果(←クリック)をみてほしい。スポンサーサイトが表示されない。これに対し,トップページから検索すると,このように(←クリック)スポンサーサイトが表示される。

これは,グーグルが検索システムの公共性を意識していることの裏返しだ。スカラーを利用してまで金を稼ぎたいのか?という批判を避けたいのだろう。

このことは検索システムに公共性があることの象徴的な事実だと思う。

インターネットが一般市民の重要なメディアとなった以上,検索システムの公共性は,スカラーだけでなく,維持されるべきである。

問題は,いかに公共性を維持するかであるが,政府に直接,検索システムの正当性,公平性をチェックさせるわけにはいかない。

そうなると,後は,独占・寡占を防ぐための法規制,あるいは独立した委員会によるチェックをシステム化するか…。

今後,検索の結果に出てこないものは,世の中に存在しないも等しい事態が来ることも予測される中,検索の公共性をいかに確保するかは,いまから考えなければならない重要なテーマではないでしょうか?


参考過去記事:ここ(←クリック)など






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