情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

弁護士会誌で,弁護士会について太平洋戦争指導者並と批判!

2006-08-02 21:45:03 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
第二東京弁護士会が発行している会誌「二弁フロンティア」8月号に,現在の弁護士会の運営方法を太平洋戦争の指導者並の無計画さだと批判する記事が掲載されている。

この記事は,法テラスにスタッフとして勤務する弁護士が少ないことをテーマにして書かれたもの。

弁護士会の状況について,「日弁連で実際に活動しておられる会員の方々は,自らの業務を犠牲にして身を粉にして活動しておられるに違いない。無償で犠牲的な活動をされている数多の会員の個人的な姿勢には頭が下がる思いである」と分析しつつ,「しかし,その必死の努力は本当に成果に結びつくものなのかどうかは,個人への賞賛とは別に冷徹に数字に基づいて検証されなければならない」と指摘している。

そして,「よく,『現場はよくやっている』という,組織の長の発言を耳にする。しかし,組織の長たる者の役割は,そのような発言で共同体のメンバーの体面を保ち心情的に労苦を慰撫することだけではない。最も重要な役割は,現場がよくやっていながら成果が出ていない原因を究明し,具体的な対策を実行することにより,個人の必死の努力を成果に結びつく力に変えていくことではないのだろうか。」と批判したうえ,「かつて,太平洋戦争において,我が国の指導者層が,戦争目的(=戦略)や国全体の生産力・軍事的能力等の数字の分析を疎かにした結果,将兵を含む数多の国民の命を犠牲にした構図は,レベルこそ違えど,まだまだ我が国の組織に根深く残されている」と手厳しく述べている。

確かに,日弁連執行部は,法務省が弁護士大増員を求めてきたときに,それだけの需要があるか否かの数字の裏付けのないままに,のうのうと受け入れた。競争原理がそのまま弁護士業界に導入されたら,カネにならない人権活動,弁護士会活動を行う弁護士は死滅する…。そんな簡単なことがなぜ分からなかったのか。

せめて,人権活動,弁護士会活動をこなすための資金的な手当を確保するようなシステム,例えば,税金を納める代わりに市民団体に寄付をすることが選択できるようなシステムや人権活動をするために必要な資金を基金として確保し継続的に税金を出させるシステムなどを,弁護士大量増員と引き替えにするなどのことができなかったのか…。

そして今,法テラス(←クリック)という公的な法的支援組織が動き始めようとしているが,その導入によって,真に求められている弱者への法的支援の拡充が実現されるのだろうか。きちんとしたシステム(依頼者の収入の最高限度の設定など)がないままに導入されると,かえって,限られたパイの奪い合いとなり,さらに,市民派弁護士が力を失うことになるだけではないのか?

もちろん,先日指摘したとおり(ここ参照←クリック),刑事の分野に法テラスが進出しようとしていることの問題点も大きい。法テラスは,【法務大臣が、一定の期間において支援センターが達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)を定め、支援センターに指示する。 支援センターは、上記指示を受けて、中期目標を達成するための計画(中期計画)を作成し、法務大臣の認可を受ける。法務大臣は、中期目標期間の終了時において、組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずる。中期目標の策定、中期計画の認可、中期目標期間終了時の検討、業務方法書の認可等に当たっては、最高裁判所の意見を聴くものとする。】などのように法務大臣の指示の下におかれるのだから…。

もちろん,起訴される前に弁護士をつける制度を実現することになるのは幸いだが,弁護士の報酬は弁護士が本来必要な徹底した弁護活動を行った場合についてきちんとカバーできるようなものとしては設定されていないし,派遣される弁護士の名簿を弁護士会ではなく,法テラスが管理することになるため,反政府運動を行うような輩には,元検事などが派遣される恐れもある…。

日弁連の目的とは何だろうか?司法は,多数派原理(民主主義)によって,侵害される少数者の人権を保障するために存在しているのであるから,政府と対抗関係にあるのは当然である。日弁連の執行部には,この関係を冷静に捉えつつ,司法改革に臨む姿勢が求められていると思うのだが…。





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橋本勝の政治漫画再生計画-第31回-

2006-08-02 14:16:06 | 橋本勝の政治漫画再生計画
ニッポンは脳内自由もない国に

【橋本さんのコメント】
「君が代」のピアノ伴奏を拒否する先生は許さない,歌わない生徒は許されない
「日の丸」に起立しない先生も生徒も許されない
国旗と国歌に対しては,それぞれの人の心の問題とは言わせない
国民の心の自由を奪ってこそ
国家は成立するのだから



◆ヤメ蚊:確かに小泉は自分には靖国を参拝する自由があると話している。それなのに,なぜ,先生や生徒には起立しない自由が認められないのか…



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