情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

令状なし国内盗聴は「違憲」~米連邦地裁が勇気ある判決

2006-08-18 21:49:10 | 適正手続(裁判員・可視化など)
朝日(←クリック)によると,【米ブッシュ政権が対テロ戦争での情報収集を目的に実施している国内での「令状なしの盗聴活動」の適法性が争われた裁判で、ミシガン州デトロイトの連邦地裁は17日、プライバシー、言論の自由や三権分立の原則などに照らして活動は合衆国憲法違反だとし、即時停止を命じる判決を出した。】という。

 この訴訟を起こしていたのは,転載したイラスト(© ACLU)をHP(←クリック)に掲げて判決を喜んでいるACLU(米国自由人権協会)など。

 【政権側は、盗聴活動は大統領に与えられた最高指揮官としての権限の範囲内だと主張。また、そのことを詳細に論証すれば国家機密の漏洩(ろうえい)につながる、と主張していた。】

 しかし,【判決で、アナ・テイラー判事は原告側の主張をほぼ全面的に認め「この問題に関する公共の利益は明らかであり、それは憲法を擁護することだ」「米国には生まれながら権力を持った王は存在せず、憲法によらない権力も存在しない」などと述べ、大統領に無制限の権力を与えることは、建国時の憲法起草者らの意図を逸脱していると指摘した。】という。(判決全文はACLU内のここ←クリック)

格好いいねぇ。この辺りにアメリカの自由の底力を感じてしまうのは,何度も言うようだが,隣の芝生だからだろうか?


 【政権側は判決直後、「全く同意できない」(スノー大統領報道官)と控訴したため、実際に政策が判決に拘束されることはない】というが,【対テロ特別軍事法廷が違法だと断じた今年6月の最高裁判決に続き、対テロ戦の進め方について司法から痛烈な警告を受けたことになる】ため,【議会などからは、立法措置を求める圧力が高まりそうだ】という。

この辺りは,ブッシュ政権のまやかしからまだ覚めやらない人が多いことを示しており,防衛の必要性が市民の思考停止を導くことを示している。

そういう状況から少数者を守るのが司法府の役割であり,今後も,米国の司法府がその役割を果たすよう期待したい。




※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。

「憲法9条を世界遺産に」~太田光・中沢新一

2006-08-18 04:31:16 | 憲法改正国民投票法案そのほか
雑誌「すばる」に連載された太田光VS中沢新一による対談が,集英社新書から発行されました。太田光,いいですよねぇ。中身については,ここ(←クリック)をご参照下さい。

太田光は,対談の合間のコラムで,憲法9条を守ろうと思考するときに「恍惚」を感じるといい,それは戦いの恍惚にも通じるものだという。そして,必要なものは,「自分を否定する勇気だ」と結んでいる。小泉君にも夏休みの宿題として読むよう推薦したい一冊だ。




※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。