情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

安倍晋三にお灸を!~教科書採択問題で提訴へ

2006-08-11 22:58:01 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
つくる会教科書採択問題にからんで安倍晋三を被告として損害賠償請求訴訟を提訴しようという動きがあるそうだ(ここ参照←クリック)。提訴理由は,教育への不当な介入ということらしい。

具体的には,【「つくる会」と共に行動してきた「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」主催の「正しい歴史教育を子どもたちに!国会議員・地方議会合同シンポジウム」(2004年6月14日)への参加要請を安倍氏(当時自民党幹事長)は全国の自民党支部に送る。同シンポの目的は、地方議会議員に同教科書の採択に向けた様々なノウハウを伝授し、同教科書の採択を求めるためのものである。同シンポにおいて安倍氏は、来賓として挨拶、採択に向けて檄する。これらは、憲法13条、26条及び教育基本法10条違反。】というものだと上記HPで説明されている。

教科書としての採択に対して法的手段を講じてでも反対することについては,表現の自由に対する侵害ではないかという意見もあろう。しかし,そもそも,採択に向けて政治家が圧力をかけたとしたら,そのような不当な圧力による教科書採択を防ぐということは正当な権利行使ではないだろうか?

9月早々,提訴とのこと。注目したい。




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決まってしまったものは仕方ありません?!~刑事弁護名簿問題で登録した弁護士が発言!!

2006-08-11 20:46:06 | 適正手続(裁判員・可視化など)
日弁連はいま司法支援センターとの間で各弁護士が刑事弁護に関する契約をするよう必死で説得している。この問題は,法務省管轄の司法支援センターが名簿管理及び出動弁護士の指名をすることから問題となったものだ。法務省=検察庁が管理する司法支援センターが弁護士会から得た名簿に従ってそれぞれの事件における国選弁護人の選任をするという方針が決まったために(つまり,検察が),刑事弁護に真剣に取り組んできた弁護士は一斉に反発し,一部では,司法支援センターとの契約を拒否することを勧める運動が起きている(ここここなど参照←クリック)。

これに対し,日弁連は,契約推進運動を強烈に展開している。本日配布された日弁連速報には,「各地ですすむ 司法支援センター対応態勢整備」という大見出しが踊り,「山口県では会員全員が契約するよう呼び掛ける臨時総会宣言」「埼玉では申し合わせ書」などの小見出しがちりばまれている。

しかし,その実態はお寒い限りだ。札幌弁護士会が,会員が契約をした理由を「刑事登録ニュース」なるものに掲載していることを紹介したうえ,その理由の一部を転載しているが,まったく合理的な説明はできていない。

「契約を拒否してみても,誰かが刑事弁護を担わなければなりません。契約を拒否することは,現状では刑事弁護を拒否することにもなってしまいます。決まってしまったものは仕方ありません。とにもかくにも契約をした上で,司法センターの抱える様々な問題点については,内部から変えていくしかないと思います。まだ,登録されていない先生方もまずはご登録頂いた上で,変えるべき点は声をあげて変えていきましょう!!」

◆決まったものは仕方ない!これが弁護士が口にするせりふだろうか?戦前,弁護士会が戦時体制に組み入れられたことの反省はないのだろうか?決まっていても,おかしいものは変更させるべきである。制度設計する時点で,問題を残しておいて後で変更できるという「理由のない主張」ができるのはなぜなのか。期限をきって条件を明記して登録しようというならまだしも,白紙で登録するようなマネを勧めるようでは,本気で変えようと思っているとは思えない!


「制度がどのように変わろうとも,被疑者・被告人の利益を守る職責を担うのが個々の弁護士であることについては,従来から何の変化もありません。制度のあり方について各弁護士が様々な意見を持ち議論することはもちろん必要ですが,そどのような制度であっても,刑事弁護を担えるのは弁護士だけです」

◆弁護士だけだからこそ,おかしい制度に対しておかしいという注文をつけないと行けない義務が弁護士に課されているのではないのでしょうか?


「札幌弁護士会会長からの上記統一名簿への登載につき,ご勧誘いただき,その申出をしたのは,その勧誘文に『被疑者,被告人の刑事弁護は,私たち弁護士が担ってゆかなければならない弁護士だけに課せられた基本的職責』であるとのお言葉に共鳴し…」

◆法務省=検察庁の管理下では,基本的職責を果たすことができないということについては共鳴されませんか?



結局,弁護士会は,増員問題の時に合理的な理由を示さないまま,執行部の意見を強引に押しつけたのと同じように,国選弁護士の名簿管理を法務省=検察庁管理下の司法支援センターに明け渡すことを強引に押しつけようとしている!

弁護士会として刑事弁護の「ストライキ」をしてでも,反対するべきなのではないだろうか!






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