情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

NHKがデジ墾の議事録をようやく掲載~こんなに的を射た議論をすぐに掲載しないのはなぜ?

2006-08-05 01:37:48 | インターネットとメディア
6月19日に最終報告書(ここ参照←クリック)を発表した「デジタル時代のNHK懇談会」の4月から6月にかけての議事録が,報告から1ヶ月半近く過ぎた今になってようやく,掲載された。政治的圧力からいかに自立するかという興味深く,本質的な議論がされているのに,報告書が発表されてから時間をおいて掲載するのは注目させたくないからか? とも思ってしまう。以下一部引用します。


■■第14回議事録←クリックしてから14回を選んで下さい■■

梶原委員  個々にはそういう執行責任となりますが、経営全体のポリシーの問題であれば、ポリシーに対して誰かが責任を負わないといけないということです。国営放送的な感覚と視聴者がガバナーという感覚とミックスされてしまっている。例えば、受信料というものを、罰則を加えて義務化していくと、体質的にも、性格的にも国営放送的になります。長谷部代行がおっしゃったBBCの発想ですと、視聴者に責任を負うことになると内部的な責任体制になる。そのところが歴史的な経緯もあるのでしょうが、曖昧模糊としているから、一体、経営委員会とはどういう存在なのか。誰から経営を負託されているのか。国からNHKの経営を負託されているのか。視聴者のほうから負託されているのか。その辺が曖昧なものですから、経営委員会をどうするかという前に基本論をはっきりしないといけない。
 国は税金は出したくない、なるべく受信料で賄えといいながら、発言権は留保したいということになります。いよいよ不明確になってしまう。この場では我々の意見というのは、NHKが、どういう方向を目指すべきなのか。国営放送的な方向なのか、BBCのように、お金を出してもらっている視聴者に責任を負うという方向を目指すべきなのか。
 一番大事なところを明確にしないと、枝葉末節だけ弄っても責任体制が不明確になるばかりですから、どういう方向でいくのかはっきりしないと経営委員会をどうするということも考えが出てこないと思います。

辻井座長  そこはどうも合意は取れているように思うのですが、国営、官営というのか、国(官)と公(パブリック)と民というように3つを考えたときに、公でいくべきだということは、だいたい合意が取れているように思っているのですが。

梶原委員  ガバナーというのは誰が。

辻井座長  それは最終的には視聴者ですが。それを国会が承認をするということになっているので、国会というのは国民の代表で、視聴者イコール国民ということで、三段論法でいっているところに無理があるわけです。三段論法ではそうなるのですが、本当は三段論法ではない。時の政権によっていろいろな政治家が出てくることになると、政治との距離が問題になるわけです。

梶原委員  国会が視聴者を代弁しているのは、かなりのフィクションだと思います。むしろ国営放送的な感覚で国会議員の先生方は考えている。

辻井座長  だからどうやって視聴者を代表できる機関を作れるかということで、いい案であれば書きたいということです。

梶原委員  デジタル時代という意味ですが、これはガバナンスにも関係してくると思います。それぞれ受信者の身元、本人確認さえできれば経営について常時意見を聞くことができるわけです。大量処理も十分可能ですから、前から繰り返して言っていますが、視聴者と直結するパイプを経営の責任者が持つということが大事ではないか。フィクションで視聴者を国会議員が代弁していることが諸悪の根源と思います。

辻井座長  それはそうなのですが、それに代わるいいアイデアがあればということで、デジタルという技術を使うというのがあります。それを経営委員会のもとにおいてというのはあります。私もこの10年くらい第三世代の電子投票というのを、任意の端末から投票できる。これはなかなか総務省も定義していない、いろいろな問題があって、政治家も喜ばないのです。
 さっき技術では簡単にできるけどというのはそうではないのです。技術も問題が残っていますが、それ以上に政治家が喜ばないとかいろいろ問題があるのです。アンケート調査くらいならできるだろう。つまり本当の衆議院の選挙、参議院の選挙は無理です。まだだいぶ先になるのです。

■■引用終了■■




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