地政学リスク意識も下げは限定、来週は為替が日本株をサポートか
東証1部の騰落銘柄数は値上がり636/値下がり1276と売りが優勢。北朝鮮リスク再燃で石川製作所や細谷火工など防衛関連が急伸。上方修正発表のウイルコやアバールデータが大幅高となった。子会社のマザーズ上場が承認されたクロップスはストップ高比例配分。一方、売り出し価格の決定を来週に控える中、日本郵政が売りに押される展開。JFEや神戸鋼など鉄鋼株が弱い動きとなった。資生堂やコーセーなどの化粧品やマツモトキヨシやゲンキーなどドラッグストアの一角も大幅安。enishは新作ゲームの事前登録者数に関するリリースが失望を誘った格好で下げ幅を広げた。
きょうは日経平均は51円安と小幅な下げにとどまったものの、東証1部の騰落を見ると、値下がりが値上がりの倍近くあり、指数の底堅さが際立った。メガバンク3行はそろってプラス。このところの上昇度合いを考えると、軟調相場では真っ先に利益確定売りに押されても不思議ではなかったが値を保った。先週、今週と金融株に強い動きが見られるほか、円安進行でトヨタなども騰勢を強めており、指数は当面強い動きが続くと考える。ただし、大型株に資金が向かう一方で、中小型株が換金売りに押されるようだと、こう着感が強まり上値が重くなる展開も想定される。市場のエネルギーを確認する意味では、東証1部の売買代金に注目しておきたい。今週は3兆円を超える日もあるなど高水準の日が多かった。商いが細らなければ、日経平均は高値更新基調が続くと考える。
【来週の見通し】 堅調か。9月のFOMCを受けて年内あと一回の利上げが意識されたことから、米国の長期金利は低下しづらくなり、為替も円高には進みにくくなると予想する。月末で米国の経済指標も多く、良好な内容が確認できれば、円安進行が日本株を押し上げると考える。今週の日経平均が年初来高値を更新したことから、週前半は9月の権利・配当取りをにらんだ駆け込み買いも期待できそう。権利落ち後は下げる展開も想定されるが、10月からの新四半期入りや月初の株高のアノマリーを意識した買いが下値を支える可能性が高い。また、衆議院解散発表となれば政策期待も高まりやすく、物色の幅が広がることが商い活況を促す展開も想定される。北朝鮮動向は引き続きかく乱要因だが、株式市場には耐性もつきつつあり、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。
【今週を振り返る】 強い動きとなった。米国株高や円安進行を好感し、連休明け19日の日経平均は大幅高で節目の2万円を大きく上回り、年初来高値を更新した。衆議院の早期解散観測も刺激材料となり、投資家心理が強気に傾いた。注目のFOMCは市場の想定線の内容で、米株市場に特段の波乱が生じなかったことが安心材料となった上に、米長期金利の上昇で円安が進行したことから、FOMC通過後に一段高となった。週後半は地政学リスクが意識されて売りに押されたものの、週間では大幅高を記録した。日経平均は週間では約386円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり636/値下がり1276と売りが優勢。北朝鮮リスク再燃で石川製作所や細谷火工など防衛関連が急伸。上方修正発表のウイルコやアバールデータが大幅高となった。子会社のマザーズ上場が承認されたクロップスはストップ高比例配分。一方、売り出し価格の決定を来週に控える中、日本郵政が売りに押される展開。JFEや神戸鋼など鉄鋼株が弱い動きとなった。資生堂やコーセーなどの化粧品やマツモトキヨシやゲンキーなどドラッグストアの一角も大幅安。enishは新作ゲームの事前登録者数に関するリリースが失望を誘った格好で下げ幅を広げた。
きょうは日経平均は51円安と小幅な下げにとどまったものの、東証1部の騰落を見ると、値下がりが値上がりの倍近くあり、指数の底堅さが際立った。メガバンク3行はそろってプラス。このところの上昇度合いを考えると、軟調相場では真っ先に利益確定売りに押されても不思議ではなかったが値を保った。先週、今週と金融株に強い動きが見られるほか、円安進行でトヨタなども騰勢を強めており、指数は当面強い動きが続くと考える。ただし、大型株に資金が向かう一方で、中小型株が換金売りに押されるようだと、こう着感が強まり上値が重くなる展開も想定される。市場のエネルギーを確認する意味では、東証1部の売買代金に注目しておきたい。今週は3兆円を超える日もあるなど高水準の日が多かった。商いが細らなければ、日経平均は高値更新基調が続くと考える。
【来週の見通し】 堅調か。9月のFOMCを受けて年内あと一回の利上げが意識されたことから、米国の長期金利は低下しづらくなり、為替も円高には進みにくくなると予想する。月末で米国の経済指標も多く、良好な内容が確認できれば、円安進行が日本株を押し上げると考える。今週の日経平均が年初来高値を更新したことから、週前半は9月の権利・配当取りをにらんだ駆け込み買いも期待できそう。権利落ち後は下げる展開も想定されるが、10月からの新四半期入りや月初の株高のアノマリーを意識した買いが下値を支える可能性が高い。また、衆議院解散発表となれば政策期待も高まりやすく、物色の幅が広がることが商い活況を促す展開も想定される。北朝鮮動向は引き続きかく乱要因だが、株式市場には耐性もつきつつあり、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。
【今週を振り返る】 強い動きとなった。米国株高や円安進行を好感し、連休明け19日の日経平均は大幅高で節目の2万円を大きく上回り、年初来高値を更新した。衆議院の早期解散観測も刺激材料となり、投資家心理が強気に傾いた。注目のFOMCは市場の想定線の内容で、米株市場に特段の波乱が生じなかったことが安心材料となった上に、米長期金利の上昇で円安が進行したことから、FOMC通過後に一段高となった。週後半は地政学リスクが意識されて売りに押されたものの、週間では大幅高を記録した。日経平均は週間では約386円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。