銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

9月24日

2017-09-24 | 経済動向
地政学リスク意識も下げは限定、来週は為替が日本株をサポートか
 
東証1部の騰落銘柄数は値上がり636/値下がり1276と売りが優勢。北朝鮮リスク再燃で石川製作所や細谷火工など防衛関連が急伸。上方修正発表のウイルコやアバールデータが大幅高となった。子会社のマザーズ上場が承認されたクロップスはストップ高比例配分。一方、売り出し価格の決定を来週に控える中、日本郵政が売りに押される展開。JFEや神戸鋼など鉄鋼株が弱い動きとなった。資生堂やコーセーなどの化粧品やマツモトキヨシやゲンキーなどドラッグストアの一角も大幅安。enishは新作ゲームの事前登録者数に関するリリースが失望を誘った格好で下げ幅を広げた。

きょうは日経平均は51円安と小幅な下げにとどまったものの、東証1部の騰落を見ると、値下がりが値上がりの倍近くあり、指数の底堅さが際立った。メガバンク3行はそろってプラス。このところの上昇度合いを考えると、軟調相場では真っ先に利益確定売りに押されても不思議ではなかったが値を保った。先週、今週と金融株に強い動きが見られるほか、円安進行でトヨタなども騰勢を強めており、指数は当面強い動きが続くと考える。ただし、大型株に資金が向かう一方で、中小型株が換金売りに押されるようだと、こう着感が強まり上値が重くなる展開も想定される。市場のエネルギーを確認する意味では、東証1部の売買代金に注目しておきたい。今週は3兆円を超える日もあるなど高水準の日が多かった。商いが細らなければ、日経平均は高値更新基調が続くと考える。

【来週の見通し】 堅調か。9月のFOMCを受けて年内あと一回の利上げが意識されたことから、米国の長期金利は低下しづらくなり、為替も円高には進みにくくなると予想する。月末で米国の経済指標も多く、良好な内容が確認できれば、円安進行が日本株を押し上げると考える。今週の日経平均が年初来高値を更新したことから、週前半は9月の権利・配当取りをにらんだ駆け込み買いも期待できそう。権利落ち後は下げる展開も想定されるが、10月からの新四半期入りや月初の株高のアノマリーを意識した買いが下値を支える可能性が高い。また、衆議院解散発表となれば政策期待も高まりやすく、物色の幅が広がることが商い活況を促す展開も想定される。北朝鮮動向は引き続きかく乱要因だが、株式市場には耐性もつきつつあり、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。

【今週を振り返る】 強い動きとなった。米国株高や円安進行を好感し、連休明け19日の日経平均は大幅高で節目の2万円を大きく上回り、年初来高値を更新した。衆議院の早期解散観測も刺激材料となり、投資家心理が強気に傾いた。注目のFOMCは市場の想定線の内容で、米株市場に特段の波乱が生じなかったことが安心材料となった上に、米長期金利の上昇で円安が進行したことから、FOMC通過後に一段高となった。週後半は地政学リスクが意識されて売りに押されたものの、週間では大幅高を記録した。日経平均は週間では約386円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。

9月19日

2017-09-19 | 経済動向
連休明けたら大幅高、年初来高値更新で地合いも一段と改善へ
 
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1679/値下がり279と買いが優勢。証券会社が投資判断を引き上げた任天堂が商いを集めて大幅上昇。メガバンクや証券、保険など金融株が軒並み買われた。上方修正と増配が好感された旭ダイヤが急伸。子育て支援や教育無償化への思惑から幼児教育研究会や京進などに資金が向かった。先週上場のウォンテッドリーはストップ高。一方、上期の営業減益観測が報じられたニトリが軟調。地政学リスクへの警戒が和らぐ中、石川製作所や細谷火工など小型の防衛関連は売りに押される展開となった。

きょうの日経平均は400円近い上昇で、今年何度か抵抗となっていた節目の2万円を難なく上回り、ザラ場・終値ともに年初来高値を更新した。足元の上昇には多くの投資家がついていけていないと想定される上に、金融株の多くはまだ今年の安値圏にあることなどを鑑みると、さらなる上昇余地はあると考える。先週の動きが非常に強く、25日線を早々に上に抜けた後も上昇が続き、週末値では75日線も上回った。週足でも26週線と13週線を上回っており、基調が変化する兆しはあった。ドル円も107円台を見た後に110円台を回復し、足元では112円台に迫るなど一気に円安が進んでおり、円安・株高の同時進行も期待できる相場環境。FOMCの結果を東京市場が消化するのは21日となるため、今晩の欧米株やあすの日本株は様子見姿勢が強まるだろうが、今の地合いでは、売りが出づらいことがポジティブに捉えられると考える。日経平均が高値を更新している割には、売買代金上位銘柄で年初来高値圏にある銘柄はそれほど多くない。そのため、主力株にも引き続き資金が向かいやすく、堅調な流れが維持されると予想する。

9月13日

2017-09-13 | 経済動向
東京市場は買い優勢か。米国市場では前日のS&P500に続き、ダウ平均とナスダックも最高値を更新。ドル円相場も円安が一段と進行しており、主力株中心に買い先行が予想される。 ムニューシン米財務長官が年内の税制改革に言及したことを受け米金融株が上昇したほか、米長期金利も上昇。日本株のADRでは大手銀行株の上昇が目立つほか、大手商社株も上昇してる。日経平均ベースでは戻り売りが強くなる水準に差しかかるものの、それ以外に日本株を売る材料もなさそうだ。むしろ、4月安値からの連騰相場を回顧し、売り方の買い戻しが強まる可能性も高い。 CME225先物(12月限)は円建てが大証日中終値と比べて95円高の19725円、ドル建てが135円高の19765円で取引を終えた。 

日経平均の予想レンジは19850円-19940円。
75日線(19861円)を意識したスタートから一目均衡表の雲の領域(19944-20031円)に入り込めるかが焦点となる。

9月7日

2017-09-07 | 経済動向
東京市場は堅調か。債務上限問題などでトランプ大統領と議会トップが合意したことが好感され、米国株は主要3指数がそろって上昇した。これを受けて米長期金利が上昇したことで、為替もドル高・円安の動きとなり、ドル円は109円台を回復している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて120円高の19460円、ドル建てが130円高の19470円で取引を終えた。

米国株が債務上限問題の進展という好材料があってしっかり反発してきたこと、これに対して為替も円安に振れたことから、日本株には素直に買いが入る展開が想定される。トランプ大統領は税制改革についても言及しており、米国株がこの先も堅調に推移するとの期待感も下支え材料になると考える。指数はギャップアップで始まった後は、19500円近辺でもみ合う時間が長いと予想するが、この近辺まで戻してくれば大崩れの可能性は低いとの安心感も強まりやすく、終日しっかりの展開を予想する。日経平均の予想レンジは19400円-19550円。

9月1日

2017-09-01 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1198/値下がり723と買いが優勢。売買代金は2兆2810億円(概算)となった。後場は上げ幅を広げる場面もあったが、2万円手前の戻り売りを警戒し買いがしぼんだ印象だ。米IT・ハイテク株の上昇で電機セクターが強かったほか、出遅れ感のあった銀行・保険セクターの上昇が指数に寄与した。月初高のアノマリーを期待する買いなどの観測も聞かれた。売買代金上位では、メガバンク株が堅調だったほか、伊藤忠やJFEなどの上昇が目立った。東京エレクや村田製などの値がさハイテク株は伸び悩み、富士フイルムも上げ幅を縮小。また、経営統合に関する報道の真偽確認のため、第一三共が売買停止となった。一方、KLabが3日続落となったほか、ダイフクが利食い売りに押された。

9月相場入りとなる。米8月雇用統計やISM製造業景況指数の発表を前に東京時間は株・為替ともに手掛けづらいが、米国株が上昇で返ってきた場合は月初連続高のアノマリーを意識して前場は堅調か。ただ、日経平均の2万円を前に戻り売りが意識されやすいほか、後場はポジション調整の売りに押される公算が大きい。 一方、日経平均はきょうで25日線(19708円)近くまで戻しており、米国株にプラスでも大した動意がなければ、19500円付近まで反落のシナリオもあろう。 きょうの業種別騰落上位は、銀行や鉄鋼、ガラス・土石、保険など8月月間ベースできのうまで下げていたセクターばかり。指数上昇でも依然として業種間のリターン・リバーサルの売買にとどまっており、9月前半はしばらくこの続きが続きそうだ。

直近20年(1997~2016年)における日経平均の9月の騰落状況は7勝13敗と負け越し。2000年からは5連敗するなど鬼門の月といえる。ただ、9月の過去20年間の平均値幅は6月、2月に続いて小さい。 下げたケースを振りかえると、2015年は中国リスクの高まりに加え米国の利上げに対する警戒感から下げが加速、2011年の欧州債務不安・米国景気の二番底懸念、2009年が円高進行で7カ月ぶりに下落、2008年はリーマン・ショックによる金融危機、2004年はハイテク株安などで9日続落、2003年は円高進行で失速、2002年は不良債権問題などを背景に19年ぶりの9000円割れ、2001年は米同時多発テロで急落した。 一方、上昇したケースは、2013年はFRBが予想に反して量的緩和の縮小を先送りしたことで、金融相場への期待感が広がった。2010年は6年ぶりに政府・日銀による為替介入実施で円高が一服、2007年はFRBの大幅利下げで信用収縮懸念が後退、2005年は衆院選の与党圧勝を契機に上昇した。 過去1997年、1998年、2001年、2015年は8月に1000円以上の下落幅となり、9月も同じような下げで尾を引くかたちとなった。一方、きょうで終わった今年8月の高値と安値のレンジは833円程度と、過去20年間の8月相場の中では比較的小さな動きとなった。9月もFOMC(連邦公開市場委員会)を後半に控え動きづらそうだ。

トレーダーズウエブより