特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
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第386話 OL・疑惑の失踪事件!

2008年02月26日 02時01分39秒 | Weblog
脚本 押川國秋、監督 宮越澄

結婚を目前に控えたOLが、渋谷駅で同僚と別れた後で原因不明の失踪を遂げた。所轄署は事件に巻き込まれと見て捜査を開始するが、何の手掛かりもないまま1ヶ月が経過し、特命課も捜査に加わる。田舎から上京した母親も渋谷駅でビラを配ってOLを探すが、目撃者は現れない。同僚の証言から、OLが決して渋谷駅の地下道を通ろうとしなかったという事実が浮上するが、失踪の原因は依然として不明のままだった。
OLの部屋で、母親から事情を聞く橘。OLの持ち物を調べたところ、聖書の間から鍵が見つかる。橘は聖書に書かれた「愛するに時があり、憎むに時があり、殺すに時があり、いやすに時があり」という言葉が引っかかる。そのとき、関西弁の若者から電話が掛かり、母親に1千万円を要求する。なぜ、1ヶ月も経ってから身代金を要求してくるのか?疑問を持ちながらも、引き渡し場所に網を張る特命課。身代金を奪って逃走する若者たちを逮捕したものの、彼らはビラを配る母親に目をつけた便乗犯に過ぎなかった。だが、若者たちを締め上げたところ、失踪当日にOLから財布を掏っていたことが判明。その夜、OLは若い女が紙袋をコインロッカーに入れようとするのを見咎め、追いかけて行ったという。
紙袋とモンタージュをもとに、新宿の歓楽街で働く女を発見した特命課。事情を聞いたものの、女は渋谷駅にいたことを否定する。橘は、OLが地下街を通ろうとしない理由がコインロッカーにあるのではないかと推測。OLの部屋で見つけた鍵を調べたところ、やはりそのロッカーのものだった。3年前、そのロッカーに嬰児の死体が遺棄されていたことを知った橘は、事の真相に気づき、女を再度取り調べる。
その日、女はコインロッカーに赤子を捨てようとしていたが、OLに見咎められ断念。OLは女を追跡し、赤子が生きていることを確認すると、涙を流して喜んだという。赤子の始末に困っていた女は、OLに赤子を託したまま逃走。その後のOLの行方は知らなかった。余りに無責任な女の言動に、叶は「あんた、母親になる資格はないよ!」と吐き捨てる。
OLが赤子と一緒にいると確信した橘と叶は、付近の託児所をしらみつぶしに当たる。そんななか、テレビのニュースが託児所の火事を告げ、負傷者としてOLの名前が挙がった。現場へ急行した橘らは、入院中のOLを発見。OLは自分の預けた赤子が助けられた後も、必死で救助に当たり、負傷したのだという。
橘の予想通り、3年前にコインロッカーに嬰児の死体を捨てたのはOLだった。嬰児の父である彼氏が蒸発し、途方に暮れたOLは、思わずわが子を手に掛けてしまった。3年間、苦しみぬいたOLは、ようやく婚約者との幸福をつかもうとしていた。だが、挙式が近づくにつれて、苦しさは増すばかりだった。「殺した子供のことを忘れて、新しい子供が育てられるはずがないんです!」渋谷駅で女の姿を見たとき、OLはそこに3年前の自分の姿を見たのだという。女から預かった赤子を育てようとしたのは、贖罪というより、自分が生きていくために必要なことだったのだ。「泣くに時があり、笑うに時がある」聖書の言葉を借りて、OLを励ます橘。だが、OLの罪、そして哀しみが消えるには、これから長い月日が必要だった。

謎の失踪を遂げたOLの秘められた過去を描く一本です。私のようなすれっからしの視聴者にとっては、コインロッカーのシーンでその後の展開がほぼ推測がついてしまうのが辛いところ。まことに痛ましい話ではありますが、何のひねりも工夫もなく、坦々と捜査の過程を見せられたところで、ただ「痛ましい話ですね」と思うほかありません。最低な女はともかく、OLの悲劇も自業自得であり、あまり同情できるものではありません。さらに言えば、罰当たりで恐縮ですが、キリスト教徒でもない私には、聖書の言葉の意味もピンときません。おそらく多くの視聴者も同様だったのではないかと思うので、もう少し説明があっても良かったのでは?

1 コメント

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ちょっと… (ですとら)
2008-03-31 01:04:21
引き続き見ました。
最初は母親が渋谷駅前でお願いしているシーン等を見てると泣かせる回か?と思わせましたが、私もコインロッカーの鍵と女が紙袋を持っているシーンで、「あ、コインロッカーに赤ん坊入れるんだ」と推測できました。確かにその後は痛ましかったですね。
懺悔の意味を込めて、赤ん坊を託児所に預けて姿をくらますというのはわかる気もしますが…。
でも偶然とは言え、テレビでOLの名前が読み上げられるというのはわざとらしい感はありましたね。
結局、母子の家族で冒頭の母親の必死さを見ると、なぜOLは母親に相談しなかったのだろう?こんな関係なら絶対相談するだろうよと思いましたね。
絶望感というよりは痛々しい感としっくりこなかったというのが今回の感想でしょうか。

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