脚本 藤井邦夫、監督 辻理
新紙幣の切り替えを間近に控えたある日、桜井がマークしていた銀行員が地下鉄で飛び込み自殺を遂げた。銀行員は新紙幣偽造グループの一味と見られていたが、その死によって偽造グループの手掛かりは絶たれてしまい、責任を感じる桜井。
銀行員と取引のあった印刷所をしらみつぶしに当たるなか、桜井はある印刷所で偽造紙幣の燃えカスを発見。その印刷所の技師は、心臓病の手術を控える子供を残して失踪。桜井は子供の入院する病院を訪れる。医師が語るには「子供は危険な状態だが、父親に会って気持ちを落ち着かせないことには、手術の成功は覚束ない」という。
子供の見舞いに訪れた女は、亡き母親の妹だった。女は父親が子供に託した大きなロウソクに火を灯し「この火が点いている65時間のうちに、お父さんに帰ってきてもらう」と約束する。桜井は女が印刷技師の行方を知っていると睨み、吉野とともに三重県まで女を追っていく。同じ頃、贋札作りに伊勢の和紙づくり技術が必要との情報を得た特命課は、橘と叶を三重県に向かわせる。
三重県のホテルに現れた印刷技師に、子供の危機を告げる女。桜井が捕らえようとするが、女に遮られる間に、印刷技師は仲間とともに逃走する。「警察は子供の手術がどうなろうと関係ないんでしょう」と桜井を責める女。印刷技師はかつて、贋札作りの容疑で拘留されたため、妻の死に目に会えなかった。そのため、今も警察を憎んでいるのだという。
一方、死んだ銀行員の足取りを追っていた船村と紅林は、銀行員と印刷技師の接点を確認するとともに、共犯者2名の人相を突き止める。橘と叶の調査で共犯者の一人の身許が判明、直ちに指名手配されるが、まもなく死体で発見される。同様に指名手配されている印刷技師の命も危険にさらされている可能性が。
その後、神代と紅林も応援に三重へ。何者かの電話を受け、ロープウェイへ向かう女。特命課が網を張る中、ゴンドラに乗った女は、郵送されてきた贋札のフィルムを地上で待つ共犯に向かって投げ落とす。ヘリで追っていた桜井の連絡を受け、橘が共犯を逮捕。そのままゴンドラで頂上に着いた女を待っていたのは印刷技師だった。印刷技師を追い詰め、「もう逃げるな。子供は病院で逃げることもできず戦っているんだぞ!」と叱責する桜井。「私、貴方を一生恨みます!」と桜井を罵る女に、神代が言う。「貴方も一緒にヘリの乗るんだ。まだ子供の手術には間に合う」印刷技師と女を乗せて、東京の病院へと急ぐヘリ。桜井は印刷技師にはめた手錠を外し、子供の待つ病室へと送り出す。子供が父の帰りを信じて見つめ続けていたロウソクには、確かに命の炎が点っていた。
手術を控えた子供に、ロウソクが消えるまでのタイムリミット。ここまでベタなエピソードには、なかなかお目にかかれるものではありません。思わず「童話かよ?」と(決して褒め言葉ではなく)言いたくなるほどです。珍しくラフな格好で出動する神代課長や、台詞が棒読みな女の演技も含めて、放送初期のテイストを思い出しました。
それはともなく、意味のないムダな登場人物や設定が多く(特に、特に途中で殺される若い共犯者や、新紙幣の信用を落として社会を混乱に陥れようとする政治団体の存在は、ドラマの展開上全く不要)、ただでさえベタなストーリーがますます消化不良に。久々のヘリ出動や御木本伸介氏のゲスト出演もムダな贅沢に終わっています。すべてはわざわざ三重県にロケに出たせいか、それとも脚本の問題なのか・・・
せめてもの見所は、東京へと出発するヘリに向かってぐっと親指を立てる神代課長の勇姿ぐらいでしょうか。
新紙幣の切り替えを間近に控えたある日、桜井がマークしていた銀行員が地下鉄で飛び込み自殺を遂げた。銀行員は新紙幣偽造グループの一味と見られていたが、その死によって偽造グループの手掛かりは絶たれてしまい、責任を感じる桜井。
銀行員と取引のあった印刷所をしらみつぶしに当たるなか、桜井はある印刷所で偽造紙幣の燃えカスを発見。その印刷所の技師は、心臓病の手術を控える子供を残して失踪。桜井は子供の入院する病院を訪れる。医師が語るには「子供は危険な状態だが、父親に会って気持ちを落ち着かせないことには、手術の成功は覚束ない」という。
子供の見舞いに訪れた女は、亡き母親の妹だった。女は父親が子供に託した大きなロウソクに火を灯し「この火が点いている65時間のうちに、お父さんに帰ってきてもらう」と約束する。桜井は女が印刷技師の行方を知っていると睨み、吉野とともに三重県まで女を追っていく。同じ頃、贋札作りに伊勢の和紙づくり技術が必要との情報を得た特命課は、橘と叶を三重県に向かわせる。
三重県のホテルに現れた印刷技師に、子供の危機を告げる女。桜井が捕らえようとするが、女に遮られる間に、印刷技師は仲間とともに逃走する。「警察は子供の手術がどうなろうと関係ないんでしょう」と桜井を責める女。印刷技師はかつて、贋札作りの容疑で拘留されたため、妻の死に目に会えなかった。そのため、今も警察を憎んでいるのだという。
一方、死んだ銀行員の足取りを追っていた船村と紅林は、銀行員と印刷技師の接点を確認するとともに、共犯者2名の人相を突き止める。橘と叶の調査で共犯者の一人の身許が判明、直ちに指名手配されるが、まもなく死体で発見される。同様に指名手配されている印刷技師の命も危険にさらされている可能性が。
その後、神代と紅林も応援に三重へ。何者かの電話を受け、ロープウェイへ向かう女。特命課が網を張る中、ゴンドラに乗った女は、郵送されてきた贋札のフィルムを地上で待つ共犯に向かって投げ落とす。ヘリで追っていた桜井の連絡を受け、橘が共犯を逮捕。そのままゴンドラで頂上に着いた女を待っていたのは印刷技師だった。印刷技師を追い詰め、「もう逃げるな。子供は病院で逃げることもできず戦っているんだぞ!」と叱責する桜井。「私、貴方を一生恨みます!」と桜井を罵る女に、神代が言う。「貴方も一緒にヘリの乗るんだ。まだ子供の手術には間に合う」印刷技師と女を乗せて、東京の病院へと急ぐヘリ。桜井は印刷技師にはめた手錠を外し、子供の待つ病室へと送り出す。子供が父の帰りを信じて見つめ続けていたロウソクには、確かに命の炎が点っていた。
手術を控えた子供に、ロウソクが消えるまでのタイムリミット。ここまでベタなエピソードには、なかなかお目にかかれるものではありません。思わず「童話かよ?」と(決して褒め言葉ではなく)言いたくなるほどです。珍しくラフな格好で出動する神代課長や、台詞が棒読みな女の演技も含めて、放送初期のテイストを思い出しました。
それはともなく、意味のないムダな登場人物や設定が多く(特に、特に途中で殺される若い共犯者や、新紙幣の信用を落として社会を混乱に陥れようとする政治団体の存在は、ドラマの展開上全く不要)、ただでさえベタなストーリーがますます消化不良に。久々のヘリ出動や御木本伸介氏のゲスト出演もムダな贅沢に終わっています。すべてはわざわざ三重県にロケに出たせいか、それとも脚本の問題なのか・・・
せめてもの見所は、東京へと出発するヘリに向かってぐっと親指を立てる神代課長の勇姿ぐらいでしょうか。