脚本 塙五郎、監督 辻理
白昼、猟銃を持った銀行強盗が客や行員らを人質にして篭城。神代以下、特命課が包囲するなか、犯人が要求したコーヒーを持って、看護婦に扮した高杉婦警が銀行内に。
緊迫した状況下、持病の心臓発作が船村を襲う。「いつまでも若いつもりじゃだめだ。足手まといにならんうちに現場を離れろ」と、地方の副署長への転属を促す刑事局長の言葉が、船村の脳裏をよぎる。船村の異変に気づいた桜井は、他の刑事らに告げようとするが、船村は桜井を制し、叶とともに非常階段から突入する。先に突入しようとする叶に対し「これは訓練とは違う。私が撃つ」と陣頭に立つことを主張する船村。吉野らがシャッターを開けようとして強盗の注意をひく間に突入し、強盗の背後から拳銃を向ける船村。だが、船村はなぜか構えた拳銃を下ろす。次の瞬間、強盗の猟銃が火を吹いた。高杉と女子行員が銃弾に倒れるなか、突入した吉野らが強盗を取り押さえる。事情を知らない吉野が「何で撃たなかった!」と叶を殴り倒すのを、船村は呆然と見ているしかできなかった。
高杉は重傷を負い、女子行員は死亡。刑事局長は神代を叱責しつつ、船村の転属を打診する。女子行員の通夜を訪れた船村は、遺族に罵られる。夫と別れた後、女子行員が女手一つで育てていた幼い娘は、まだ母の死を理解できなかった。遺族の怒りを黙って受け止めるしかない船村。やがて、遺族は特命課を告訴する。
特命課では、桜井が発作の事実を明かし「私が止めるべきでした」と詫びるが、吉野は「だったら(船村が)自分で言うべきでしょう」と怒りを隠せない。そんななか、銀行から強盗が奪った現金以外に3千万円が消えていると判明。共犯が存在した可能性も視野に入れ、強盗を尋問する特命課だが、強盗は単独犯だと主張する。一人、その事実を知らされていなかった船村は、連絡しなかった叶を叱責。「お前さん、あたしをかばうほど立派な刑事になったつもりか?10年早いんだよ!」
客も行員も強盗との接点は見当たらなかったが、船村は「強盗に撃たれた者も調べるべき」と主張し、負傷した警備員を調べる。警備員が元警官だと知った船村は、その過去を履歴書に明記していなかったことを追及。警備員は「元警官は世間から色眼鏡で見られるから」と理由を明かす。「やめなきゃ一生気が付かなかった。自分がどこかおかしな人間になっているってことを。あんたも番犬になっちゃいけない、人間でなけりゃ」警備員の忠告が、船村の耳に重く響いた。
そんななか、意識不明のままの高杉を見舞った吉野は、高杉の両親から、婚約寸前になって破談した恋人がいたことを聞かされる。元恋人を探し出し、「見舞ってやってくれないか」と頼む吉野。海外転勤を控えた元恋人は、見舞いを拒み、高杉と別れた理由を明かす。「学生だった弟が、デモで死にました。両親は警察が弟を殺したと思って、警察の人間を憎んでいるんです」特命課に戻った吉野は「警察の人間だっていうだけで人殺し扱いか?」と憤る。そんな吉野を神代が諭す。「私たちは、そう思われても仕方のない仕事をしている。人を殺すことのできる拳銃を持っていることに、決して慣れてはいかん」
一方、桜井と紅林は、夜の街で働く強盗の恋人を訪ねる。強盗はかつて、勤め先で周囲に裏切られたことが原因で人間嫌いとなっていた。他人を寄せ付けない雰囲気と、毎晩夜中に凝視するような異様さが原因で、すでに強盗とは別れたという恋人。その後、恋人のもとに、一千万円の現金が送られてくる。消えた二千万円の半分と思われたが、果たして誰が送ってきたものなのか?また、その後の捜査で猟銃の入手先が判明。強盗がかつて働いていた銃砲店だったが、盗まれた猟銃は2丁。もう一丁はどこへ消えたのか?
さまざまな謎が浮上するなか、船村は消えた二千万円の謎に気付く。強盗がコーヒーを要求する際、あえて以前バイトしていた喫茶店のマスターを指名したことを思い出したのだ。「二千万円は、コーヒーを入れていた籠の中だ!」叶とともにマスターの自宅を強襲する船村。雨の中を逃走するマスターを必死に追う船村だが、再び心臓の発作が襲う。「おやっさん!」「いいから行け、新米野郎!」船村に罵られ、ためらいながらもマスターを追う叶。しかし、マスターの姿は雨の中に消えていた・・・
ファンの人気も高く、傑作選DVDにも収録された7周年記念企画の前後編。脚本・塙+監督・辻の黄金コンビが担当するだけに、冒頭から異様な緊迫感が漂っています。ストーリーも実に濃密で、一つひとつのエピソードが深い奥行きをもっているだけに、ついつい粗筋も長くなってしまいました。評価や感想は来週放送の後編を見てからにしたいと思いますが、ただ一つ言えるのは、吉野に殴られても、おやっさんに罵られ、邪険にされ、新米扱いされても、一切文句を言わない叶は本当にいい奴だということ。さまざまな伏線が後編でどう解決されるのか、期待して待ちたいと思います。
白昼、猟銃を持った銀行強盗が客や行員らを人質にして篭城。神代以下、特命課が包囲するなか、犯人が要求したコーヒーを持って、看護婦に扮した高杉婦警が銀行内に。
緊迫した状況下、持病の心臓発作が船村を襲う。「いつまでも若いつもりじゃだめだ。足手まといにならんうちに現場を離れろ」と、地方の副署長への転属を促す刑事局長の言葉が、船村の脳裏をよぎる。船村の異変に気づいた桜井は、他の刑事らに告げようとするが、船村は桜井を制し、叶とともに非常階段から突入する。先に突入しようとする叶に対し「これは訓練とは違う。私が撃つ」と陣頭に立つことを主張する船村。吉野らがシャッターを開けようとして強盗の注意をひく間に突入し、強盗の背後から拳銃を向ける船村。だが、船村はなぜか構えた拳銃を下ろす。次の瞬間、強盗の猟銃が火を吹いた。高杉と女子行員が銃弾に倒れるなか、突入した吉野らが強盗を取り押さえる。事情を知らない吉野が「何で撃たなかった!」と叶を殴り倒すのを、船村は呆然と見ているしかできなかった。
高杉は重傷を負い、女子行員は死亡。刑事局長は神代を叱責しつつ、船村の転属を打診する。女子行員の通夜を訪れた船村は、遺族に罵られる。夫と別れた後、女子行員が女手一つで育てていた幼い娘は、まだ母の死を理解できなかった。遺族の怒りを黙って受け止めるしかない船村。やがて、遺族は特命課を告訴する。
特命課では、桜井が発作の事実を明かし「私が止めるべきでした」と詫びるが、吉野は「だったら(船村が)自分で言うべきでしょう」と怒りを隠せない。そんななか、銀行から強盗が奪った現金以外に3千万円が消えていると判明。共犯が存在した可能性も視野に入れ、強盗を尋問する特命課だが、強盗は単独犯だと主張する。一人、その事実を知らされていなかった船村は、連絡しなかった叶を叱責。「お前さん、あたしをかばうほど立派な刑事になったつもりか?10年早いんだよ!」
客も行員も強盗との接点は見当たらなかったが、船村は「強盗に撃たれた者も調べるべき」と主張し、負傷した警備員を調べる。警備員が元警官だと知った船村は、その過去を履歴書に明記していなかったことを追及。警備員は「元警官は世間から色眼鏡で見られるから」と理由を明かす。「やめなきゃ一生気が付かなかった。自分がどこかおかしな人間になっているってことを。あんたも番犬になっちゃいけない、人間でなけりゃ」警備員の忠告が、船村の耳に重く響いた。
そんななか、意識不明のままの高杉を見舞った吉野は、高杉の両親から、婚約寸前になって破談した恋人がいたことを聞かされる。元恋人を探し出し、「見舞ってやってくれないか」と頼む吉野。海外転勤を控えた元恋人は、見舞いを拒み、高杉と別れた理由を明かす。「学生だった弟が、デモで死にました。両親は警察が弟を殺したと思って、警察の人間を憎んでいるんです」特命課に戻った吉野は「警察の人間だっていうだけで人殺し扱いか?」と憤る。そんな吉野を神代が諭す。「私たちは、そう思われても仕方のない仕事をしている。人を殺すことのできる拳銃を持っていることに、決して慣れてはいかん」
一方、桜井と紅林は、夜の街で働く強盗の恋人を訪ねる。強盗はかつて、勤め先で周囲に裏切られたことが原因で人間嫌いとなっていた。他人を寄せ付けない雰囲気と、毎晩夜中に凝視するような異様さが原因で、すでに強盗とは別れたという恋人。その後、恋人のもとに、一千万円の現金が送られてくる。消えた二千万円の半分と思われたが、果たして誰が送ってきたものなのか?また、その後の捜査で猟銃の入手先が判明。強盗がかつて働いていた銃砲店だったが、盗まれた猟銃は2丁。もう一丁はどこへ消えたのか?
さまざまな謎が浮上するなか、船村は消えた二千万円の謎に気付く。強盗がコーヒーを要求する際、あえて以前バイトしていた喫茶店のマスターを指名したことを思い出したのだ。「二千万円は、コーヒーを入れていた籠の中だ!」叶とともにマスターの自宅を強襲する船村。雨の中を逃走するマスターを必死に追う船村だが、再び心臓の発作が襲う。「おやっさん!」「いいから行け、新米野郎!」船村に罵られ、ためらいながらもマスターを追う叶。しかし、マスターの姿は雨の中に消えていた・・・
ファンの人気も高く、傑作選DVDにも収録された7周年記念企画の前後編。脚本・塙+監督・辻の黄金コンビが担当するだけに、冒頭から異様な緊迫感が漂っています。ストーリーも実に濃密で、一つひとつのエピソードが深い奥行きをもっているだけに、ついつい粗筋も長くなってしまいました。評価や感想は来週放送の後編を見てからにしたいと思いますが、ただ一つ言えるのは、吉野に殴られても、おやっさんに罵られ、邪険にされ、新米扱いされても、一切文句を言わない叶は本当にいい奴だということ。さまざまな伏線が後編でどう解決されるのか、期待して待ちたいと思います。