脚本 竹山洋、監督 天野利彦
後頭部を殴られた上で絞殺されたヤクザの死体が発見された。捜査線上に浮かんだ会社員は、あっさりと犯行を認める。雨の中、現場検証のため犯行現場に連行される会社員に、その妻が泣きながら追いすがる。「あなたはやってないわよね!」と錯乱したように泣き叫ぶ妻に、近所のソバ屋の女房がそっと傘を差し出すのを見て、叶は心を慰められる。
会社員はかつて、海外出張を利用して、ヤクザに覚醒剤の密輸を手伝わされていた。その後ヤクザが逮捕されたことで開放されたのだが、最近になって出所したヤクザと再会し、金を揺すられていたのだ。灰皿で後頭部を殴ったことは認める会社員だが、首を絞めてはいないと証言。詳しい調査の結果、ヤクザは睡眠薬を飲まされた上で絞殺され、その後後頭部を殴られたことが判明。会社員の証言が正しければ、真犯人は他にいることになる。
そんなとき、特命課に女の声で「あの人は犯人ではない」との電話が入る。女の声がソバ屋の女房と似ていることに気づいた叶は、ソバ屋をマークする。女房は出前に出た途中で会社員宅を訪れ、会社員の妻や息子を励ましていた。その帰りに特命課に電話する現場を押さえた叶は、女房を問い詰める。「なぜ、彼が犯人ではないと?」叶の問いに「犯行現場で赤い髪の女を見た」と証言する女房だが、「なぜ早く言わなかったのか?」と追及されると、答えることができなかった。
ヤクザが以前逮捕されたのは、同居していた赤い髪の女のタレこみによるものであり、その女が今回の犯人だと思われたが、身元がつかめない。ソバ屋の女房の過去を調べた叶は、数年前にソバ屋で無銭飲食したことが馴れ初めで、当時は赤い髪をしていたことを突き止める。女房こそが赤い髪の女だと確信した叶は、証拠がないまま女房を連行する。
かつてヤクザの女だったことは認めるものの、犯行は頑なに否定する女房。それは自分を信じる夫と、お腹の赤ちゃんを思ってのことだった。そんな女房に、叶はタレこみ電話を再生して聞かせる。「あの人は犯人じゃありません。奥さんが可愛そうです。もう一度良く調べてください」その電話は、雨の日の現場検証で、会社員の妻が泣き叫ぶ姿を見た後のことだった。「奥さんは、誰かを不幸にしてまで、幸せになれる人じゃない。もう一度、あのときの気持ちを思い出してください」叶の言葉に泣き崩れ、犯行を自供する女房。
ラストシーン。夫に見送られて連行されるソバ屋の女房と、釈放される夫を迎えにきた会社員の妻が、特命課の廊下で擦れ違う。深々と頭を下げる会社員の妻に、ソバ屋の女房は初めて心からの笑みを見せるのだった。
前半でほぼ真相は判明し、あとはいかに自供させるかが今回のドラマのポイントでしたが、最後の一押しに工夫が欲しいところです。それにしても、女房が自供した後、落ち込むソバ屋の主人を「大丈夫、刑務所でも赤ちゃんは生める」と慰める神代課長ですが、余りフォローになっていないような気がするのは私だけでしょうか。
後頭部を殴られた上で絞殺されたヤクザの死体が発見された。捜査線上に浮かんだ会社員は、あっさりと犯行を認める。雨の中、現場検証のため犯行現場に連行される会社員に、その妻が泣きながら追いすがる。「あなたはやってないわよね!」と錯乱したように泣き叫ぶ妻に、近所のソバ屋の女房がそっと傘を差し出すのを見て、叶は心を慰められる。
会社員はかつて、海外出張を利用して、ヤクザに覚醒剤の密輸を手伝わされていた。その後ヤクザが逮捕されたことで開放されたのだが、最近になって出所したヤクザと再会し、金を揺すられていたのだ。灰皿で後頭部を殴ったことは認める会社員だが、首を絞めてはいないと証言。詳しい調査の結果、ヤクザは睡眠薬を飲まされた上で絞殺され、その後後頭部を殴られたことが判明。会社員の証言が正しければ、真犯人は他にいることになる。
そんなとき、特命課に女の声で「あの人は犯人ではない」との電話が入る。女の声がソバ屋の女房と似ていることに気づいた叶は、ソバ屋をマークする。女房は出前に出た途中で会社員宅を訪れ、会社員の妻や息子を励ましていた。その帰りに特命課に電話する現場を押さえた叶は、女房を問い詰める。「なぜ、彼が犯人ではないと?」叶の問いに「犯行現場で赤い髪の女を見た」と証言する女房だが、「なぜ早く言わなかったのか?」と追及されると、答えることができなかった。
ヤクザが以前逮捕されたのは、同居していた赤い髪の女のタレこみによるものであり、その女が今回の犯人だと思われたが、身元がつかめない。ソバ屋の女房の過去を調べた叶は、数年前にソバ屋で無銭飲食したことが馴れ初めで、当時は赤い髪をしていたことを突き止める。女房こそが赤い髪の女だと確信した叶は、証拠がないまま女房を連行する。
かつてヤクザの女だったことは認めるものの、犯行は頑なに否定する女房。それは自分を信じる夫と、お腹の赤ちゃんを思ってのことだった。そんな女房に、叶はタレこみ電話を再生して聞かせる。「あの人は犯人じゃありません。奥さんが可愛そうです。もう一度良く調べてください」その電話は、雨の日の現場検証で、会社員の妻が泣き叫ぶ姿を見た後のことだった。「奥さんは、誰かを不幸にしてまで、幸せになれる人じゃない。もう一度、あのときの気持ちを思い出してください」叶の言葉に泣き崩れ、犯行を自供する女房。
ラストシーン。夫に見送られて連行されるソバ屋の女房と、釈放される夫を迎えにきた会社員の妻が、特命課の廊下で擦れ違う。深々と頭を下げる会社員の妻に、ソバ屋の女房は初めて心からの笑みを見せるのだった。
前半でほぼ真相は判明し、あとはいかに自供させるかが今回のドラマのポイントでしたが、最後の一押しに工夫が欲しいところです。それにしても、女房が自供した後、落ち込むソバ屋の主人を「大丈夫、刑務所でも赤ちゃんは生める」と慰める神代課長ですが、余りフォローになっていないような気がするのは私だけでしょうか。