特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
ネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

夏のオフ会開催決定

2010年07月21日 00時48分43秒 | Weblog
この間、コメント欄やメールでご相談させていただいておりましたが、待望の第2回オフ会の開催が決定しましたので、告知させていただきます。

日程は8月15日(日曜)
集合場所はJR市ヶ谷駅前のスターバックス・コーヒー
集合時間等は、後日改めて告知しますが、予定としては市ヶ谷→曙橋→新宿界隈とロケ地を巡って、新宿で飲み会という計画です。
今回が初参加となる方は、スタバの店員さんに「叶さんと約束しています」と仰ってください。

ただ、告知しておきながら無責任なようで、大変心苦しいのですが、私は実家・和歌山に帰省のため、誠に残念ながら参加できません。当日のご案内は前回と同様コロンボさんが仕切っていただけると思いますし、皆さん本当に気持ちの良い方々ですので、前回ご参加いただけなかった方でも、必ずや楽しんでいただけると思います。
ご参加いただける方や、興味のある方は、是非、コメント欄までご一報ください。

叶刑事主演作リスト(その4)

2010年07月21日 00時08分37秒 | Weblog
夏のオフ会告知の前に、取り急ぎ書きかけていたリストの続きを投稿しておきます。
それにしても、このリストを書くために過去のブログを読み返していると、誤字の多さや表現のまずさにうんざり。誤字は気づくたびに直しておきますが、文章にこだわり出すときりがないので、よほどの場合を除いてそのままに。そのときの勢いで書いている文章なもので、乱文は何卒ご容赦ください。


4年目:1983年(昭和57年)
年度概況:年間51話のうち叶主演作は以下10本(DVD収録済みは3本)で、紅林と並んで最多。次点は吉野と船村の7本ずつ。この比率は昨年とほぼ同様であり、全体を通じたローテーションの傾向が分かります。ちなみに、この年度は叶の出生の秘密に迫る「掌紋300202!」をはじめ、紅林編の「面影列車!」、橘編の「父と子のブルートレイン!」および「幻の父・幻の子!」、船村編の「父と娘のしあわせ方程式!」、吉野編の「東京犯罪ガイド!」と、刑事たちの家族をテーマとしたエピソードが多く、特捜の長い歴史において、ある意味でスパイスとなる年度といえるでしょう。
なお、今年度のエピソードは本ブログの2007年3月から9月にかけて収録しています。ご興味のある方はご参照ください。

(28)第298話「カナリヤを飼う悪徳刑事!」
2月2日放送。脚本:大野武雄、監督:辻理、BOX10収録(44位②)
悪徳刑事(=森次晃嗣)を告発する手紙が特命課に舞い込む。叶が調べたところ、刑事はある男を執拗に追っていた。男は数年前に過失致死で逮捕され、1年前に出所していたが、刑事につきまとわれ失職の危機に陥っていた。同じ孤児である男に同情した叶は、刑事に対し「彼は罪の償いを終えている」と訴えるが、刑事は「あれは過失ではなく、故意の殺人だ」と主張する・・・(以下、ネタバレになります)一見して悪徳刑事に見えながら、実は心優しき刑事。一見、過去の罪に苦しめられる気の毒な男に見えて、実は巧妙かつ卑劣な男。叶と同様に視聴者もだまされれば、意外なストーリー展開になるのでしょうが、あまりに見え見えなので騙される叶が滑稽というか、愚かに見えてしまうのが残念なところ。脚本や演出のせいというよりは、役者(特に男)のせいかもしれません。

(29)第302話「始発電車にあった死体!」
3月2日放送、脚本:竹山洋、監督:松尾昭典
始発電車の車内で眠るように死んでいた老人。目撃者によれば、二人の老人が死体を車内に運び込んだという。うち一人は脳溢血で死亡し、もう一人の老人は自首するが、動機には不審が残る。老人を調べる叶。やがて、老人とボランティアの女学生、そして被害者との意外な関係が明らかになる・・・孤独な老人と心優しきボランティアの少女との触れ合いのドラマと思わせておいて、その実、エゴむき出しにして他人を利用しておきながらも善人の皮を被り続けようとする外道の所業を描いたやりきれないドラマ。個人的には竹山脚本の中でもベスト級のエピソードなので、「カナリヤ」を収録するくらいならこちらの収録を望みたかった一本です。

(30)第317話「掌紋300202!」
6月15日放送、脚本:長坂秀佳、監督:田中秀夫、BOX1収録(14位)
疑獄事件を追う特命課は、カギを握るノートを持つ政治家(=山内明)の身辺を捜索する。ノートは隠し金庫に保管されており、開けるには6桁の暗証番号が必要だった。一方、政治家が生年月日と掌紋をもとに何者かを探していることが判明。その該当者は叶だった。「政治家が父親だというのか?」衝撃を受ける叶のもとに、政治家の秘書から連絡が入る。同じ頃、政治家の事務所には殺し屋(=天本英世)の影が迫っていた・・・特捜史上に燦然と輝く至高の一本。叶の生い立ちが明かされる、というだけでも必見なのですが、それだけにとどまらず、父親の真意を図りきれない叶の懊悩、その真意がラストで暗証番号の解読につながるというドラマ性。長坂脚本の妙味と、天野演出の冴え、そしてゲストも含めた俳優陣の熱演が相まって誕生した奇跡のような名作ですので、未見の方はどうにかしてご視聴ください。

(31)第321話「11時まで待っていた女!」
7月13日放送、脚本:大川タケシ、監督:宮越澄
恩人であるベテラン巡査と待ち合わせていた叶。だが、巡査は転落死を遂げていた。目撃者の証言によれば、巡査は逃げる若者を追いながら「あのことは気にするな」と呼びかけていた。かつて、巡査から小銭を借りたことを思い出した叶は、巡査から金を借りた者を追う・・・脚本の大川氏は第333話「1円玉の詩!」が有名ですが、お金にまつわる道徳観がテーマだったり、知られざる法制度をネタにしている点では、このエピソードも同工異曲。加えて、残念ながら犯行動機に疑問符がつく点も同様です。叶ファンにとっては、貧しかった学生時代のエピソードが語られている点だけでも要チェック。

(32)第323話「二人の夫を持つ女!」
7月27日放送。脚本:塙五郎、監督:藤井邦夫、BOX8(94位)
連続強盗犯をかばう母子家庭を調べる桜井と叶。女は子供を残して姿を消す。女の戸籍を調べたところ、離婚した夫の名は強盗犯のものだった。偶然再会したかつての夫を匿っていた・・・そう推測されたが、桜井は残された子供の言葉から、隠された真相に気づく・・・ある母子の愛情が、過去を失った強盗犯に与えた一筋の希望。その希望を信じようとする桜井と、凶悪な犯罪者への憎しみに駆られる叶の対立が、ラストのやりきれない結末へとつながっていく。塙脚本の妙味が詰まった極上の一本です。
塙脚本で叶が主演となるのは、第170話「ビーフシチューを売る刑事!」に続いて本編が2本目。いずれも船村、桜井とのダブル主演であり、ピンでの主演回は書かれることがありませんでした。長坂氏が創造した「孤独」「人間不信」その裏返しとしての「自信過剰」というキャラクターが、塙氏のテイストとは相性が悪かったのか、今回の叶も描かれ方も、通常より冷淡さが増しているように感じられ、叶ファンからすればやや不満が残るかもしれません。
とはいえ、叶の刑事としての成長を語る上では欠かすことのできない一本であり、個人的には多くの叶ファンに見ていただきたいエピソードです。加入から4年、課長やおやっさん、橘に対しては、尊敬や信頼を抱いている姿が幾度となく描写され、吉野に対しては先輩としての敬意混じりの友情、幹子に対しては軽い親愛の情が見られる叶ですが(なぜか紅林に対する描写が印象にない・・・末期にちょっとあるくらい)、おそらく本当に目標としていた理想の刑事像は桜井ではなかったでしょうか?本リストの第1回でも触れましたが、叶と桜井の対立と信頼の歴史が、最終回での配属につながっていく、と想像を膨らませるのも、また楽しいものです。

(33)第324話「紫陽花の見た殺人鬼!」
8月3日放送、脚本:大野武雄、監督:辻理
資産家宅の温室からランを盗もうとした老人が、番犬に噛まれて死亡した。老人は叶の顔見知りのラーメン屋で、常連のホステスとともに、人知れずコスモスの種を蒔いていた。ホステスも殺されており、叶は資産家の犯行ではないかと睨む。隠された動機と証拠を求めて、叶の捜査が続く・・・筋書きそのものは、ある意味で陳腐というか、ありふれたものではありますが、隠された悲劇を紫陽花の色が語るという着想が本編の肝。加えて、大野脚本ならではのトリックがラストで炸裂しますが、今回は犯人のトリックを暴くのではなく、叶が犯人を引っかけるためのトリックだという点で、評価が別れるのではないでしょうか?

(34)第326話「亡霊が呼んだ部屋!」
8月24日放送、脚本:藤井邦夫、監督:天野利彦
叶の元に、目を切り裂かれた写真や人形が届けられ、謎の女から「5年前に貴方に殺された女よ」との電話がかかる。電話の主らしき女に拉致され、薬品で視力を奪われる叶。叶の身を案じる特命課は、叶が関わった過去の事件を追うが、叶の身には刻一刻と危機が迫っていた・・・「叶拉致監禁シリーズ」の第4弾。うち藤井脚本は第274話「恐怖の診察台!」と本編の2本ですが、そのインパクトから藤井=叶イジメというレッテルが貼られてしまい、今日に至っています。ドラマ的な見所はなくとも、叶ファンならば本編もDVDに収録し、拉致監禁シリーズをコンプリートしたいところでしょう。

(35)第331話「小さな紙吹雪の叫び!」
9月28日放送、脚本:佐藤五月、監督:野田幸男
会社員が屋上から突き落とされ死亡した。現場に散らばっていた紙吹雪から、叶は会社員が強引に進めてきた人員整理によって、一人の女性社員が傷ついていたことを知る・・・自らの社会に対する怒りを強烈なまでに脚本に反映するのが佐藤氏の特徴の一つですが、その怒りの内容に共感できるかどうかによって、評価が大きく左右されるのも仕方のないところ。個人的には、今回の怒りに対しては全く共感できませんでした。叶の行動も淡々と真相に迫るのみで、見所はラストの台詞くらいでしょうか?

(36)第339話「愛を裏切った女!」
11月23日放送、脚本:藤井邦夫、監督:山口和彦
ヤクザが射殺され、2年前の二人組の銀行強盗の片割れだと判明。犯人はその二人に拳銃を奪われた元警官と見られた。元警官の内縁の女を見張るべく、ピアニストとしてスナックに潜入する叶。愛していたはずの元警官への侮蔑を隠さない女に、叶は反発を覚えるのだが・・・ストーリー的には不満の残る一本ですが、注目すべきは叶の華麗なピアノストぶり。いったい、いつ、どこでそれほどの腕を磨いたのか、という突っ込みはなしにしましょう。

(37)第343話「汚職官僚の妻!」
12月21日放送、脚本:阿井文瓶、監督:宮越澄
学生時代の想い出の地・御前崎を訪れる叶。かつて、叶はここである女性に愛を告白し、失恋した。その女性から電話で相談を持ちかけられる叶だが、女性は現れず、代わり死体を発見。殺人、そして収賄の嫌疑で逮捕される叶。特命課の捜査で窮地を救われる叶だが、その一方で、女性の夫である叶の元友人が、収賄の容疑者として浮上する・・・叶の青春時代の甘酸っぱい想い出を描いた御前崎ロケ編。この一本で、ファンの間で「叶と言えば御前崎」という印象が残っていると言うのは少し大げさ?それはともかく、失恋したとはいえ意外と青春をエンジョイ(笑)していた叶。恥ずかしすぎる告白方法も含めて、叶ファンには必見の一本。ストーリー的には、無理に汚職をからめなかった方がよかったようにも思えますが、脚本の阿井氏にとってはそちらが本命テーマだったのでしょう。

叶刑事主演作リスト(その5)につづく

叶刑事主演作リスト(その3)

2010年07月15日 00時41分07秒 | Weblog
DVD-BOXのVol.10 が発売される8月6日までには、何とか最後まで書き上げたいと思っていましたが、どうやら難しくなってきたこのリスト。何とかペースをあげていきたいところですが、どうなることやら・・・
それでは、リストの続きをどうぞ。

3年目:1982年(昭和56年)
年度概況:年間52話のうち叶主演作は以下10本ですが、DVD収録済みは3本と少なめ。最多は紅林の11本で、叶は惜しくも次点、その次が吉野、船村の8本。この頃から藤井氏が本格的に脚本家として活躍し始め、叶主演話でも長坂氏と並んで3話を担当。

(18)第243話「トランプ殺人事件の謎?!」
1月13日放送、脚本:長坂秀佳、監督:辻理
3人の男が連続して襲われ、現場にはいずれもトランプのカードが残されていた。無関係に見える3人の接点は何か?トランプがいずれもクラブだったことから、叶はゴルフクラブがカギを握ると考える・・・無関係に見える連続事件の隠された接点を探す、いわゆる「見えない糸」モノですが、長坂脚本特有の強引なこじつけが度を超しており、個人的にはちょっと微妙な印象。
詳細は姉妹編ブログの2007年6月の記事をご参照ください。

(19)第245話「冬のマンモス団地ミステリー!」
1月27日放送、脚本:藤井邦夫、監督:辻理
深夜、叶の部屋に響く電話のベル。電話の主である女は、向かいの団地から叶の部屋を見張っているらしい。正体不明の女の言葉に導かれ、幼女殺人事件の容疑者を追う叶。やがて明かされる女の正体とは・・・叶の私生活に迫るストーカー姉妹(=鳥居恵子)の印象が強烈なためか、叶ファンには知名度の高い一本。サブタイトルに記憶がなくとも、「マリオネット」と言えば思い出す人が多いのでは?

(20)第247話「警視庁狙撃班にいた男!」
2月10日放送、脚本:大野武雄、監督:田中秀夫
汚職事件のカギを握る男が狙撃される。容疑者として浮上した男は、叶の警察学校時代の友人だった。かつて狙撃班に所属していた友人は、立て籠もり犯を射殺したことを苦にして退職し、消息を絶っていた。殺し屋に身を落とした友人を追う叶は、その妹の身辺の異常に気づく・・・叶に限らず、刑事の昔の友人というのはロクな末路をたどらないものですが、今回はその妹も含めて、何とも悲惨な運命が待ち受けていました。大野脚本らしいラストの一ひねりも効いている、なかなかの佳作。

(21)第249話「レイプ・襲われた姉妹!」
2月24日放送、脚本:佐藤五月、監督:野田幸男
あるスーパーに繰り返される脅迫電話。店員として潜入した叶は、連続暴行犯に襲われた女性店員を助ける。事態を知ったスーパーの店長は、これ以上のイメージダウンを避けるべく、警察への通報を禁じる。理不尽な申し出に従わざるを得ない女性店員だが、暴行犯は女性店員の妹までも襲う・・・連続脅迫電話と連続婦女暴行という2つの事件を背景に、女性の社会進出の難しさを描いた、佐藤脚本ならではのえげつなさ(ほめ言葉)が光る一本。仕事を得るために、どんな屈辱でも甘んじて受け入れようとする姉妹の姿が、現実の女性にはどう映るのか?世代によって大きく評価が分かれるのではないでしょうか。

(22)第260話「逮捕志願!」
5月12日放送。脚本:長坂秀佳、監督:藤井邦夫、BOX4収録(71位)
「私は殺人犯です。逮捕してください」15年前に息子を殺したという老人(=織本順吉)の告白を受けて、捜査に乗り出す叶。だが、その事件は解決済みで、犯人はすでに獄死。時効も目前に迫っていた。老人の語る証拠は次々と退けられるが、叶は老人の言葉を信じ、老人の「有罪」を証明するために奔走する・・・叶の代表作にして、長坂氏の代表作でもある傑作。迫る時効、証拠探し、哀しい動機、いずれも定番的な味付けながら、すべてが「真犯人の願いを叶えるために」という逆転の発想に彩られているため、サスペンスのあり様が180度異なって視聴者に迫るのが凄いところ。
少し詳しく言うと、「早くしないと時効がきてしまう」というスリルは、通常では「この憎らしい真犯人を有罪にできなくなってしまう!(無罪にさせてはいけない!)」というベクトルで視聴者に迫ってくるものですが、今回に限っては「この気の毒な真犯人が無罪になってしまう!(有罪にしてあげなくては!)」という逆のベクトルで迫ってくる、この感情移入の逆転が、本編のツボであり、これこそ長坂脚本の真骨頂といえるのでは?
なお、本編以降は本ブログでレビューを書いています。詳細は2006年10月の記事をご参照ください。

(23)第264話「白い手袋をした通り魔!」
6月9日放送。脚本:長坂秀佳、監督:天野利彦、BOX5収録(71位)
動機不明の連続刺傷事件を追う特命課。叶が発見した不審な男は、大物政治家の息子である都会議員(=西田健)だった。男が権力を盾に捜査を妨害するなか、動機と証拠を求めて捜査を続ける叶。やがて明らかになる異常な動機に、誰もが戦慄を隠せないのだった・・・やはり西田健はすばらしい。インクでスーツを汚されて激高するシーンや、靴の汚れを執拗に落とそうとするシーン、そしてラストの独白シーン。異常な犯人を演じさせれば、右に出る者はない、と絶賛を惜しまない一本ですが、そんなキャラクターを描き出した長坂脚本もやはり恐るべし。この時期は、前述の「逮捕志願」や、さらにその前に「虫になった刑事(橘主演編)」と、3本続けて傑作を発表しており、絶好調の時期と言えるでしょう。

(24)第270話「赤い髪の女!」
7月21日放送、脚本:竹山洋、監督:天野利彦
「あの人は犯人じゃない」ヤクザ殺しの犯人として逮捕された会社員の無実を訴える女からの電話。叶はその声に聞き覚えがあった。ソバ屋の女房を問い詰めたところ、真犯人は赤い髪の女だと言う。女房の過去を調べた叶は、意外な事実を突き止める・・・ほぼ3行で粗筋を書けるほどのシンプルなストーリーながら、不幸な犯人に同情を寄せる叶の心情が丁寧に描かれています。

(25)第274話「恐怖の診察台!」
8月18日放送、脚本:藤井邦夫、監督:藤井邦夫、BOX10収録(39位②)
記憶喪失の少女を保護した叶。少女の父親は青酸カリ自殺を遂げていたが、叶は少女の言葉から「歯医者による殺人では?」と推測。捜査を続けるなか、何者かに襲われ気絶する叶。目を覚ましたときには、歯科医の診察台にくくりつけられ、眼前にドリルが迫っていた・・・一部で大人気の「叶拉致監禁シリーズ」の第3弾(藤井脚本としては1本目)。歯科医に対するトラウマを思い起こさせる演出も際立っており、叶ファンならずとも観て損はない一本と言えるでしょう。

(26)第281話「一人だけの暴走族!」
10月6日放送、脚本:押川國秋、監督:天野利彦
バイクで暴走する中年男を捕らえた叶。男は連続放火犯として逮捕された息子の無実を訴える。男の言葉を信じて、捜査に乗り出す叶だが、見つかる証拠はすべて息子に不利なものだった・・・どんなクズでも、親にとっては可愛い息子。その気持ちはわかるものの、同情の余地もないほどの息子のクズっぷりに、感情移入のしようがないのが正直なところ。暴走族も選挙カーも早くこの世から消えてもらいたい。

(27)第288話「永吉と呼ばれた19才!」
11月24日、脚本:藤井邦夫、監督:辻理
ルポライターを刺殺して逮捕された少年は、叶の顔見知りだった。「憎い相手は心の中で殺す」と語っていた少年の無実を信じる叶だが、少年は頑なに自信の犯行だと訴える。少年の過去を追った叶は、自分と同じ孤児だと知る。心を通い合わせる2人の前に、真犯人として少年の母親らしき女が浮上する・・・自分を捨てた母親への憎しみと、捨てきれぬ愛情の狭間で葛藤する少年。同じ孤児だからこそ、そんな少年の苦しみが痛いほど理解できる叶。二人の孤児の心のふれ合いを情感豊かに描いた一本。レビューを書いた当時(2007年2月)は、なぜだか今ひとつな印象を感じていましたが、改めて見てみたい気もします。

叶刑事主演作リスト(その4)につづく