ときぶーの時間

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きのこの話

2011-12-18 08:50:56 | 日記

NO-32
今日の写真は地震直後の富岡町の惨状です。駅舎は津波でなくなり駅のターミナルには、流されてきた家が今でも撤去されずにあります。駅前のお店や家々の写真もたくさんありますが、家を失った人たちの気持ちを考えると掲載出来ず、こんなつまらない写真しか出せませんが見てください。

 11月25日発売のフライデーに強制避難区域で暮らす彼(松村直登)が掲載されたが、記事の中身にはがっかりした。彼が好物のきのこを食べていると書かれており、嘘偽りはダメだと本当に僕は思った。彼は、きのこだけは食べないようにと説いて回っていた人間だったから、あの記事の内容は全然ダメだ。
 
 何故彼がきのこはダメだと言っていたかと言うと、前述の博士と原発から30km離れた特定避難準備区域(出入りが自由)の浪江町に入り、今までに稲、柿、くり、キウイフルーツ、じゃがいも、にんにく、その他にも色々な農作物を採取して、放射能汚染度を測る博士の手伝いをしていてきのこの危険性を知っていたからだ。

 同じ浪江町でも強制避難区域があるように、ここは富岡町より広いから大変だ。この町の老夫婦Kさん夫妻の畑や山林で取れる食べ物の汚染度を測るのと放射能を取り込む食物の種類や土壌汚染の実態を調べるために、彼は何度も博士と山に入って案内したりと活動していた。

博士も彼も除染に一番効果が得られるものを探していたのも事実で、彼は博士のひまわり栽培などの手伝いをし、とにかく何でも調べて除染につなげようとしていた。そこで、一番高い数値を示したのがきのこだった。この頃は、TVでもきのこを取り上げていてきのこは食べないように注意を喚起されていたと思う。

きのこ狩りの本格的シーズンの前に山に入った時は、やはりあるべき所にきのこは出ていなくて無駄足を踏んだようだが、シーズン到来してからは見事なまでの豊作だったと彼は言った。特に地元でもおいしくて高級な猪の花と言われるきのこは、とても立派な大きさのものがたくさん採れたみたい。

彼も山案内をして博士を導くのだが、立派な猪の花に遭遇すると「博士、カメラカメラ!」と博士を呼び出し、博士も小躍りしてカメラを取り出して少年のようにパチパチと。この日の山での採取は大成功で博士が最後に言った言葉が「あー、今日は楽しかった。」と満面の笑みで言ったらしい。

僕も博士の研究所にお邪魔してお会いした時に、気さくで普通の人にしか見えない風貌に親近感を感じたが、この話を聞いて彼らしいと思った。話がそれたがもちろん、取ってきたきのこを博士が持って来た鉛で出来た80kgの箱に入れて放射能汚染度を調べたのだが「その数値を見てみんながのけぞったんだ!」と彼は言った。

土壌汚染のレベルが26万ベクレルなのに、きのこの汚染レベルが43万ベクレルだったからだ。そのきのこを手掴みで持って来た彼も思わず自分の手を引っ込めたと言うから、かなりの衝撃だったと思う。僕は土壌の汚染より何できのこの方が高いのか?分からなくてどうしてだ?と彼に聞いてみた。

彼は「きのこの菌糸は目には見えないカビ菌みたいなもので、場所によっては何十メートルから何百メートルもそれが繋がっていて、セシウム大好きの菌糸がそれをきのこに運び、きのこが吸収するからこうなるんだ」と説明してくれた。

それにしても、この日一緒に山に入ったKさん老夫婦は、バケツ二杯分たっぷりのきのこを取って来て婆ちゃんの一言「今度みんなが来た時は、うんめえきのこ料理作ってやっかんな!」と言ったそうだが、彼は「きのこだけはダメだ」と笑いながら言った。

「今度Kさんの家に行った時、きのこ料理が出て来たらどうしようかな」と彼が言ったのを、僕は驚いた。今まで鮎とか獲ってたくさん食べてきたじゃないか!と彼に言ったら「大体いつも、みんなで集まる時はカレーをごちそうしてくれるのだけど、きのこカレーにしても一個くらいは食べてもいいけど、あの婆ちゃんは具をいっぱい入れるから怖くて食えねえよ」と、何でも食べる彼が食べないものもあるんだと僕は笑った。

そんな彼を尻目にKさん老夫婦は、それらを平気で食べているらしい。彼らが放射能の話をしても「おいらは、老い先短いんだから、食いたいものは食うべ。」と、何を言っても気にしないでいるらしく、放射能汚染が何ベクレルと言ったって「何の事言ってっか、わかんねえ!」という感じだそうだ。

ここの婆ちゃんの事を聞いて僕の義母も「富岡に早く帰りたい。癌なんて怖くない。」と言ったのを思い出した。早く町を除染して年寄りが帰れる町にして欲しいと思う僕だった。

今日、今から福島へ行ってきますので、明日のブログはお休みします。彼(松村氏)と会うのと郡山に避難している友人と会ってきますので、火曜日に再開させて頂きますので、よろしく。

















































                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
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