アメリカで、「女性が自分で妊娠中絶を決める権利」を合憲とした最高裁判例が否定されようとしている。これはトランプが任命した保守強硬派の判事によるものだ。
女性の基本的人権を「神の意志」によって否定するという、21世紀とも思えない強硬な封建主義への回帰は、何を意味しているのか?
アメリカで中絶権認めた判例覆す最高裁の多数意見草案、異例のリーク 2022年5月3日
https://www.bbc.com/japanese/61303413
アメリカで女性が人工中絶を選ぶ権利は憲法で保障されているという根拠になっている連邦最高裁判例について、現在の最高裁内で書かれた多数意見の草案が外部にリークされた。
この判例を覆す内容になっていることと合わせて、最高裁文書が漏洩したことで、アメリカに衝撃を与えている。米連邦最高裁のこうした文書が外部に漏れるのは、現代においては前例がない。
アメリカでは、1973年の「ロー対ウェイド」事件に対する最高裁判決が、女性の人工中絶権を認める歴史的な判例となっている。
そのため、中絶に反対する勢力と、女性の選択権を堅持しようとする勢力が長年、この判決をめぐり争ってきた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E5%AF%BE%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6
米政治ニュースサイト「ポリティコ」は2日、サミュエル・アリート最高裁判事がこの「ロー対ウェイド」判決について、判決は「はなはだしく間違っている」と書いた多数意見の原稿を入手したと伝えた。
報道が事実ならば、最高裁の判決草案が公表前に外部に漏れるのは現代において前例がない。
アリート判事は「第1稿」と書かれた草案でさらに、「憲法の定めを守り、人工中絶の問題を、国民に選ばれた代表たちの手に戻すべき時が来ている」と書き、中絶権の是非は議会が審議すべきだと書いているという。
判事は「ロー対ウェイド」判決の論理展開が「きわめて弱く」、「弊害をもたらした」とも書いているとされる。加えて、「人工中絶の権利はこの国の歴史や伝統に深く根差したものではないというのが、避けがたい結論だ」と書いているという。
与党・民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長とチャック・シューマー上院院内総務は連名で、草案を非難する声明を発表。
「もし報道が正確なら、最高裁は過去50年間で最大の権利の規制を実施する構えでいる。女性に対してだけでなく、すべてのアメリカ人に。共和党が任命した判事たちがロー対ウェイドを覆す判断をするなら、それは実に忌まわしい、歴史上最悪で最も弊害の多い判断として歴史に残る。リンカーンとアイゼンハワーの政党は今や、トランプ党になってしまった」と、両議員は非難した。
草案の内容が伝えられると、大勢が最高裁前に集まって抗議した。「私の体を規制するな」、「女性の権利は人間の権利」、「私の体、私の選択」など、女性が妊娠中絶を選ぶ権利を訴える、様々なプラカードが並んだ。
すでに中絶規制の動き
ポリティコによると、リークされた文書は2月に裁判所内で回覧されたもので、「第1稿」と記されている。判事たちの意見が、起草段階で変わることは珍しくない。
草案は、ミシシッピ州が妊娠15週以降の人工中絶を禁止したことを争う訴訟に関するもの。連邦最高裁は今年7月初めまでに、この訴えについて判断を示す見通しで、「ロー対ウェイド」判例が維持されるかどうかが注目されている。
「ロー対ウェイド」判決は、妊娠3カ月まで女性の人工中絶権を全面的に認め、6カ月までも条件付きで認める内容。この時期まで、女性が人工中絶を選ぶ権利は憲法が保障するものだと認めた。
判決の違法性を訴える裁判で、最高裁は1992年に合憲判断を示している。当時は、アンソニー・ケネディー判事が最後に考えを変え、判例維持に回った。
現在の最高裁では判事9人中6人が、共和党の大統領によって指名され、3人が民主党の大統領に指名された。
ポリティコによると、アリート判事を含め共和党の大統領に選ばれた判事5人が、今回の多数意見に同意している。
民主党の大統領に選ばれた判事3人は、反対意見の作成に取りかかっているという。共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)に選ばれたジョン・ロバーツ最高裁長官が、今回どのように判断するかは不明。
アリート判事の草案が多数意見として示されれば、人工中絶権が合衆国憲法で保障されたものだという判例が覆される。アメリカではすでに一部の州で、中絶を厳しく規制する動きが広まっている。
BBCのアンソニー・ザーカー北米特派員は、最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆す事態に備えてすでに多くの州が州法を整備しているため、この多数意見草案が最高裁判決として下されれば、たちまち22州で人工中絶が全面禁止されると指摘する。11月には連邦議会などの中間選挙を控えているだけに、中絶権をめぐる政治論争があらためて再燃することが予想されるという。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースは、今回の草案漏洩は最高裁の評価を甚だしく傷つけることになると伝えている。CBSはさらに、ロバーツ長官が連邦捜査局(FBI)による捜査も含め、文書漏洩の経緯について全面的な調査を実施するだろうとしている。
米疾病対策センター(CDC)によると、2019年のアメリカでは約63万件の人工中絶が報告された。2010年に比べて18%減少していた。妊娠を中絶する女性の過半数が20代で、2019年には56.9%を占めた。
総数63万件は州や大都市など49地区による集計。そのうち人種別統計をとった30地区では、人種別の割合では白人(ヒスパニック系除く)が33.4%、黒人(同)が38.4%だった。15~44歳の女性1000人のうち中絶件数は、全体では11.3件。人種別には黒人女性が23.8件と最多だった。
(英語記事 Roe v Wade: US Supreme Court leak suggests abortion law repeal)
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引用以上
この「女性の中絶権利の排除」という判決は、トランプが保守右翼(共和党系)の判事を9名中6名にまで増やした段階で予想されたものだった。
だが、その背景には、共和党というより、その最大支持母体である「クリスチャン・シオニズム」=福音派の政治姿勢がある。
米国人の4人に一人、白人優越主義者のほぼ全員が福音派だといわれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E6%B4%BE
福音派の思想は、ビリー・クラハム(1918~2018年)という人物が主導したといわれている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%8F%E3%83%A0
グラハムは、自称キリスト教伝道師でありながら、実際には、朝鮮戦争やベトナム戦争北爆などアメリカの多数の戦争を強硬に支持し、妊娠中絶容認派を激しく弾圧し、またKKK団など白人至上主義の人種差別虐待を容認したことでも知られる。
彼は、「プロテスタント・キリスト教を名乗る福音派」の指導者だった。
福音派が「クリスチャン・シオニズム」と呼ばれる理由は、イエスが人殺しを推奨したことなど一度もないにもかかわらず、新訳聖書を無視して、旧約聖書に固執し、創世記やレビ記を至上の原理として、家父長制封建社会を理想としているからだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0
「シオニズム」というのはユダヤ教の綱領ともいうべき存立基盤で、それは旧約聖書・創世記に書かれた「約束の地」を根拠にしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%AE%E5%9C%B0
リンク先にあるように、「神がユダヤ人に与えた」とされる「約束の地」は、シオンの丘やイスラエルのような狭い範囲ではなく、ナイル川とユーフラテス川に挟まれた、アメリカに匹敵する広大な土地である。
この土地はユダヤ人のものだと強硬に主張していて、アメリカがイスラエルの先住民虐殺、領土強奪を支持する最大の根拠となっている。
なぜ、ユダヤ人でもないアメリカ人が、イスラエルに肩入れするのか?
と疑問を抱く人も多いが、実は、アメリカ合衆国は建国以来、「ユダヤ人の国」と言っても過言ではない。
地球上に2000万人しかいないはずのユダヤ人が、3.3億人のアメリカ人口の代表であり、主役である理由がある。
そもそも、メイフラワー号に代表される欧州の新大陸移民は、表向き清教徒ということになっているが、実態は、当時、欧州で「汚い金貸しユダヤ」と憎悪され、ボグロムという集団虐殺に遭っていたユダヤ人たちが、安全な新天地を求めて移住しようとしたのだ。
もちろん、彼らはホンモノのユダヤ人(モンゴロイドのスファラディ)ではなく、ニセモノのハザール系ユダヤ人(コーカソイドのアシュケナージ)である。
彼らはユダヤ教徒だったが、安全なキリスト教徒のフリをするためにプロテスタントキリスト教を作った。
http://www1.s-cat.ne.jp/0123/Jew_ronkou/america/yudayajin_america_ijuusi.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%8A%E3%82%BB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB
アメリカに移住した欧州移民のなかでも、幼い頃から旧約聖書の暗唱を義務とされたユダヤ人には圧倒的な知力があり、たちまち、合衆国の実権を独占し、現代の共和党政権につながっている。
現代に至るまで、大統領の大半、共和党議員の大半、アメリカ経済界の大半がユダヤ人に掌握されているといわれる。GAFAMももちろんそうだ。
https://japan.cnet.com/article/35143822/
https://world-note.com/famous-rich-american-jews/
https://zuuonline.com/archives/162590
プロテスタント・福音派は、アメリカ人口の25%を占めているが、それは、表向きキリスト教を名乗りながら、実は、旧約聖書やタルムードの世界観を信奉するユダヤ教の擬態であるということができる。
だから、ユダヤ教の綱領ともいえる「シオニズム」を原理的に支持しているのである。ほとんどの非ユダヤ系米国人は、その真実を教えられないまま、アシュケナージの価値観に盲従させられている。
だから、アメリカは、徹底した選民主義を前提にした、タルムード国家なのだ。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-75.html
冒頭に紹介した「女性の妊娠中絶権利の否定」は、アメリカを支配する「戒律」から来ているものだが、それは旧約聖書トーラー五書である。
とりわけレビ記が著しいが、トーラー五書は、まるで殺人教書といえるほど、凄まじい「神の指示による虐殺」に満ちている。
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/102.html
姦淫(女性が強姦された場合でも)があれば、父親は犯された娘を殺さなければならない。娘が堕胎すれば殺さなければならない。
女性の人権など旧約聖書には存在しない。それは男の子を産むための道具にすぎないのだ。
こうした女性軽視=奴隷視の価値観が、現代共和党の思想の基礎にある。
アメリカ合衆国を建国以来、本当に支配してきたのは、実はユダヤ教徒なのだ。それは旧約聖書とタルムードの価値観であって、現在、経済的には世界の9割の資産を独占したといわれるユダヤ人たちは、いよいよ、世界を旧約聖書の秩序下に組み込もうとしていると、私は考える。
でなければ、21世紀の人権を原理とした社会に、女性の基本的人権である妊娠中絶権を否定するなんて最高裁判決が出てくるとは思えない。
まさに、世界を支配するユダヤ人たちは、世界中の人類を旧約聖書の秩序に従わせようとしているのだ。
そして、人類の頂点、特権階級として、「神に選ばれたユダヤ教徒」が君臨する仕組みになっている。それが「グレートリセット」だ。
GAFAMもダボス会議も、果てはプーチン・ロシアに至るまで、ユダヤ人の価値観に組み込まれようとしている。
プーチンのウクライナ侵略を見ていれば、その思想的根底に、選民意識、特権意識が色濃く見えていることに誰でも気づくはずだ。
「自分たちは神に選ばれた優秀な民」だから、他国を侵略しても構わない。自分たちが全世界の支配者として君臨する……というタルムードの選民意識に貫かれているのだ。
タルムードは、ユダヤ人だけが神の選民であり、他のすべての人々は、ユダヤ人のために奉仕するゴイム(家畜)にすぎないと決めつけている。
まさにユダヤ人プーチンの思想そのものではないか? こうした傲慢な優越意識を前提にしなければ、ウクライナ戦争のような残酷な侵略戦争は起こりえないのだ。
https://tocana.jp/2021/10/post_222938_entry.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-date-20220420.html
アメリカをはじめとする世界は、ユダヤ教=旧約聖書・タルムード価値観への回帰に向かっている……というより強引に向けさせられている。
世界の支配者たるユダヤ人たちに、そうさせられているのだ。
これを理解できないと、冒頭に紹介した、女性の人権破壊も理解できないだろう。