私の住む中津川市は、2018年度「住みたい田舎」ランキングで、東海エリア1位だという。全国総合では20位になっている。
2019年度は3位で、総合ではだいぶ落ちてるみたいだが、データが出てこない。
http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/press/049002.html
宝島社による私的な選別ではあるが、官僚が作る政治的偏見と作為に満ちたランキングより、よほどいい。
中津川市が「住みたい田舎」の上位に選ばれる理由は、17年間住んでみた私の印象では、やはり恵那山の存在かな。
高塚山からの恵那山(クリックしてください)

標高2191メートルの巨大な山体が、中津川駅の目の前に覆い被さっていて、駅から徒歩で山頂まで歩くこともできる。
やったことはないが、たぶん、中津川駅を朝6時に出れば日が暮れる頃には山頂に着いて、一泊して帰ってこられるはずだ。雰囲気としては、西条市からの石鎚山に似ている。
山頂には、20年前に建てられた快適な避難小屋がある。
登山口は、天照大神が誕生して、胎盤(胞衣)が埋められたという恵那神社の脇からだが、最近は熊が増えて、この付近で襲われて重傷を負った人もいるので、かなり警戒が必要だ。特に釣師は襲われる確率が高い。
よく響く鈴と爆竹を持参した方がいい。
恵那山は標高が高いので、恵那盆地周辺のどこからでも指呼の先にある。御嶽山や中央アルプスも近く鮮明なのだが、恵那山は距離が近いので格別の存在なのだ。
東濃の人々にとっては、アイデンティティを醸し出してくれる共通の宝といってよい。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-737.html
シルエット恵那山

私も1990年に日本百名山を歩き終えたほどだから、日本中の山の里を歩いてきたのだが、終の棲家として中津川に落ち着いた理由は、第一に自然の素晴らしさであり、第二に、祖母が隣村の白川町黒川出身ということもある。
第三には、私は日本のなかで「信州」が大好きなのだが、中津川は、住民気質も雰囲気も、どこからどう見ても信州そのものなのだ。
実際に、中津川市の坂下地区や馬篭は、私が移住したときは信州だった。木曽郡の坂下や神坂が中津川市に行政区が移ったときは、「岐阜県が藤村の故郷、信州を奪った」といわれたものだ。
私は、半世紀前から、東濃地方の山々を歩き始めて、恵那山はすでに5回以上上っているが、残念ながら、今は健康上の理由で上れなくなった。
それでも、中津川に住んでいれば、毎日恵那山と相対しないわけにはいかないので、一日何回も、惚れ惚れしながら眺め続けている。
中津川の山は恵那山だけではない。行政区としては、1982メートルの裏木曽山地、小秀山も付知町・加子母町に附随している。他にも、笠置山、二ツ森、保古山と、ハイキングコースには事欠かない。市内には50カ所以上の登山道がある。
温泉は、中津川市内のどこを掘ってもラジウム・ラドン鉱泉が出るが、暖かい温泉は、車で1時間走れば全国最大級の温泉地帯である下呂がある。
うちの近所には、とても良い炭酸ラジウム泉である東山鉱泉がある。
2000メートル級の山々と温泉の街が中津川市だ。
もう、私はこの街の景観にぞっこんなので、他の街に移りたいとも思わない。また、今日は11月3日で、紅葉のピークだ。毎年のことなのに、今でも感動するような幻想的な景観で、中津川に移って、これほど良かったと思うこともない。
私が移住してきた17年前は、10月中旬がピークだったので、半月も遅くなったことになる。
今朝の笠置山道路

2003年頃は、真夏でも夜は布団をかけねば寝られなかったが、今では一晩中クーラーが必要になった。
私は、近い将来、中津川市街は、高峰山上や岩山山上、保古湖周辺に移動することになるという予感がしている。
それでも、中津川市内には、海抜1000メートル近い高所の住宅適地がたくさんあって助かる。富士見台なら、1600メートル前後の高原が広がっている。
私が、中津川に移住した17年前と比べて、今、異なってきた点は、何よりも、猪・熊・ハクビシンなどの獣害が増えたことだ。
2008年くらいから、ほぼすべての農地が獣害対策をしなければ、まったく農産が不可能になった。
理由は、おそらく温暖化によって、厳冬期の寒さが緩んで、幼獣が死なずに越冬するようになったせいだろう。これからも、どんどん野獣が増えてゆき、人間様を追放しかねない勢いだ。やはり、冬場はマイナス15度くらいまで下がらないと困る。
今は、私のいる蛭川地区でも、冬場マイナス5度を下回ることが少なくなった。かつては、冬と言えばマイナス10度以下になったものだが。
中津川市は、リニア新幹線岐阜駅計画が公表され、工事も進んでいるにもかかわらず、地価が驚くほど安い。中央線の美乃坂本駅がリニア中津川駅になるのだが、駅から20キロも離れれば、路線価はほぼ平米1000円程度、実売価格も5000円以下だ。
理由は、自民党による地方交通手段切り捨て政策により、公共交通が極度に不便になったせいだと思う。
私も、移住当時、徒歩10分のバス停で、日8本の恵那駅行きバス便があったのだが、現在は半分に減らされた。終バスが17時なので、遅れると徒歩4時間の夜道を歩かねばならない。おかげで、バスは事実上使い物にならなくなった。
私は、リニア新幹線の開通は、とても無理だと思う。開通できたとしても、30年も先のことだろう。理由はブログに書いた。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1285.html
だが、代わりにというわけではないが、条件に恵まれた、保古山や高峰山の山上住宅地開発が進み、アブト式のミニ列車が敷設されるような気がしている。
名古屋から中津川に至る過程で、海抜700メートルを超える山上住宅地を開拓できる条件は、中津川市に絞られるからだ。
誰も日中50度近い土地には住みたくないだろう。
中津川市内の観光地、景勝地に触れておくと、昔から著名な、馬篭~妻籠の中山道ルートは、いつ、誰が行っても素晴らしい場所で、高尾山がミシュラン三つ星なら、それ以上の星がついても不思議ではない。
あと、誰が行っても感動する場所として、付知峡がある。全国でももっとも未開発の裏木曽山地から流れ出す清流が、信じられないほど美しいエメラルドの渓谷を作っている。私の知る限り、これに匹敵するのは上高地くらいだ。
上流に位置する度合温泉も素晴らしい。正真正銘のランプの宿は、全国二カ所しかないらしい。ちょうど今頃の、滝の美しさは言葉で表現できないほどだ。
ただし、ここも熊が徘徊しているので警戒が必要だ。
あとは、恵那峡だが、みんなが知ってる恵那峡は、タカの知れた観光地だが、上流2キロにある付知川合流点、源済橋付近の素晴らしさは、第一級の観光地といえよう。
ただし、ここにたどり着くのは地元の人でも困難だ。道が狭く複雑で、実に分かりにくい。
だから、素晴らしい観光地でありながら、ほぼ誰もいない。
もしもたどり着けたなら、源済橋から左岸50メートルに小さな駐車場があり、ここから下に降りると源済岩窟があって、左側の小さな通路を抜けると、素晴らしく雄大な景色が広がっている。
友人は、岩窟で全身が硬直して歩けなくなった。霊がいるそうだ。
笠置山は9合目まで車で行ける。山頂の眺望はないが、終点駐車場に、物見岩・富士見岩があって、ここから雄大な眺望を楽しむことができる。
ほぼ毎日、早朝に雲海が現れるので、なかなか神秘的な写真が撮れる。
他に一攫千金展望台・大岩展望台・バラグラ展望台・御岳展望台・瞑想展望台などがあり、景観には不自由しない。やはり熊注意。
物見岩より 左は恵那山

笠置山登山道

実は、長年住んでいると、地元も人も知らない景勝地をたくさん発見しているのだが、遭難のリスクや熊出没があるので、あまり紹介できない。
今後は、もっと民俗学的な視点でお伝えできればと思う。
なお、中津川市内は、最近、大型店の出店ラッシュで、買い物に困ることはない一方、歴史のある、ユニーやダイエーなどが撤退してしまっている。リニア開業を狙って、今後も出店が続くだろうが、先行きは暗いと思うべきだ。
2019年度は3位で、総合ではだいぶ落ちてるみたいだが、データが出てこない。
http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/press/049002.html
宝島社による私的な選別ではあるが、官僚が作る政治的偏見と作為に満ちたランキングより、よほどいい。
中津川市が「住みたい田舎」の上位に選ばれる理由は、17年間住んでみた私の印象では、やはり恵那山の存在かな。
高塚山からの恵那山(クリックしてください)

標高2191メートルの巨大な山体が、中津川駅の目の前に覆い被さっていて、駅から徒歩で山頂まで歩くこともできる。
やったことはないが、たぶん、中津川駅を朝6時に出れば日が暮れる頃には山頂に着いて、一泊して帰ってこられるはずだ。雰囲気としては、西条市からの石鎚山に似ている。
山頂には、20年前に建てられた快適な避難小屋がある。
登山口は、天照大神が誕生して、胎盤(胞衣)が埋められたという恵那神社の脇からだが、最近は熊が増えて、この付近で襲われて重傷を負った人もいるので、かなり警戒が必要だ。特に釣師は襲われる確率が高い。
よく響く鈴と爆竹を持参した方がいい。
恵那山は標高が高いので、恵那盆地周辺のどこからでも指呼の先にある。御嶽山や中央アルプスも近く鮮明なのだが、恵那山は距離が近いので格別の存在なのだ。
東濃の人々にとっては、アイデンティティを醸し出してくれる共通の宝といってよい。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-737.html
シルエット恵那山

私も1990年に日本百名山を歩き終えたほどだから、日本中の山の里を歩いてきたのだが、終の棲家として中津川に落ち着いた理由は、第一に自然の素晴らしさであり、第二に、祖母が隣村の白川町黒川出身ということもある。
第三には、私は日本のなかで「信州」が大好きなのだが、中津川は、住民気質も雰囲気も、どこからどう見ても信州そのものなのだ。
実際に、中津川市の坂下地区や馬篭は、私が移住したときは信州だった。木曽郡の坂下や神坂が中津川市に行政区が移ったときは、「岐阜県が藤村の故郷、信州を奪った」といわれたものだ。
私は、半世紀前から、東濃地方の山々を歩き始めて、恵那山はすでに5回以上上っているが、残念ながら、今は健康上の理由で上れなくなった。
それでも、中津川に住んでいれば、毎日恵那山と相対しないわけにはいかないので、一日何回も、惚れ惚れしながら眺め続けている。
中津川の山は恵那山だけではない。行政区としては、1982メートルの裏木曽山地、小秀山も付知町・加子母町に附随している。他にも、笠置山、二ツ森、保古山と、ハイキングコースには事欠かない。市内には50カ所以上の登山道がある。
温泉は、中津川市内のどこを掘ってもラジウム・ラドン鉱泉が出るが、暖かい温泉は、車で1時間走れば全国最大級の温泉地帯である下呂がある。
うちの近所には、とても良い炭酸ラジウム泉である東山鉱泉がある。
2000メートル級の山々と温泉の街が中津川市だ。
もう、私はこの街の景観にぞっこんなので、他の街に移りたいとも思わない。また、今日は11月3日で、紅葉のピークだ。毎年のことなのに、今でも感動するような幻想的な景観で、中津川に移って、これほど良かったと思うこともない。
私が移住してきた17年前は、10月中旬がピークだったので、半月も遅くなったことになる。
今朝の笠置山道路

2003年頃は、真夏でも夜は布団をかけねば寝られなかったが、今では一晩中クーラーが必要になった。
私は、近い将来、中津川市街は、高峰山上や岩山山上、保古湖周辺に移動することになるという予感がしている。
それでも、中津川市内には、海抜1000メートル近い高所の住宅適地がたくさんあって助かる。富士見台なら、1600メートル前後の高原が広がっている。
私が、中津川に移住した17年前と比べて、今、異なってきた点は、何よりも、猪・熊・ハクビシンなどの獣害が増えたことだ。
2008年くらいから、ほぼすべての農地が獣害対策をしなければ、まったく農産が不可能になった。
理由は、おそらく温暖化によって、厳冬期の寒さが緩んで、幼獣が死なずに越冬するようになったせいだろう。これからも、どんどん野獣が増えてゆき、人間様を追放しかねない勢いだ。やはり、冬場はマイナス15度くらいまで下がらないと困る。
今は、私のいる蛭川地区でも、冬場マイナス5度を下回ることが少なくなった。かつては、冬と言えばマイナス10度以下になったものだが。
中津川市は、リニア新幹線岐阜駅計画が公表され、工事も進んでいるにもかかわらず、地価が驚くほど安い。中央線の美乃坂本駅がリニア中津川駅になるのだが、駅から20キロも離れれば、路線価はほぼ平米1000円程度、実売価格も5000円以下だ。
理由は、自民党による地方交通手段切り捨て政策により、公共交通が極度に不便になったせいだと思う。
私も、移住当時、徒歩10分のバス停で、日8本の恵那駅行きバス便があったのだが、現在は半分に減らされた。終バスが17時なので、遅れると徒歩4時間の夜道を歩かねばならない。おかげで、バスは事実上使い物にならなくなった。
私は、リニア新幹線の開通は、とても無理だと思う。開通できたとしても、30年も先のことだろう。理由はブログに書いた。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1285.html
だが、代わりにというわけではないが、条件に恵まれた、保古山や高峰山の山上住宅地開発が進み、アブト式のミニ列車が敷設されるような気がしている。
名古屋から中津川に至る過程で、海抜700メートルを超える山上住宅地を開拓できる条件は、中津川市に絞られるからだ。
誰も日中50度近い土地には住みたくないだろう。
中津川市内の観光地、景勝地に触れておくと、昔から著名な、馬篭~妻籠の中山道ルートは、いつ、誰が行っても素晴らしい場所で、高尾山がミシュラン三つ星なら、それ以上の星がついても不思議ではない。
あと、誰が行っても感動する場所として、付知峡がある。全国でももっとも未開発の裏木曽山地から流れ出す清流が、信じられないほど美しいエメラルドの渓谷を作っている。私の知る限り、これに匹敵するのは上高地くらいだ。
上流に位置する度合温泉も素晴らしい。正真正銘のランプの宿は、全国二カ所しかないらしい。ちょうど今頃の、滝の美しさは言葉で表現できないほどだ。
ただし、ここも熊が徘徊しているので警戒が必要だ。
あとは、恵那峡だが、みんなが知ってる恵那峡は、タカの知れた観光地だが、上流2キロにある付知川合流点、源済橋付近の素晴らしさは、第一級の観光地といえよう。
ただし、ここにたどり着くのは地元の人でも困難だ。道が狭く複雑で、実に分かりにくい。
だから、素晴らしい観光地でありながら、ほぼ誰もいない。
もしもたどり着けたなら、源済橋から左岸50メートルに小さな駐車場があり、ここから下に降りると源済岩窟があって、左側の小さな通路を抜けると、素晴らしく雄大な景色が広がっている。
友人は、岩窟で全身が硬直して歩けなくなった。霊がいるそうだ。
笠置山は9合目まで車で行ける。山頂の眺望はないが、終点駐車場に、物見岩・富士見岩があって、ここから雄大な眺望を楽しむことができる。
ほぼ毎日、早朝に雲海が現れるので、なかなか神秘的な写真が撮れる。
他に一攫千金展望台・大岩展望台・バラグラ展望台・御岳展望台・瞑想展望台などがあり、景観には不自由しない。やはり熊注意。
物見岩より 左は恵那山

笠置山登山道

実は、長年住んでいると、地元も人も知らない景勝地をたくさん発見しているのだが、遭難のリスクや熊出没があるので、あまり紹介できない。
今後は、もっと民俗学的な視点でお伝えできればと思う。
なお、中津川市内は、最近、大型店の出店ラッシュで、買い物に困ることはない一方、歴史のある、ユニーやダイエーなどが撤退してしまっている。リニア開業を狙って、今後も出店が続くだろうが、先行きは暗いと思うべきだ。