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 もう成長とか発展とかの幻想に欺されなくなった人々

2020年11月06日 | 未分類
 大阪市廃止のうたい文句は、「大阪都になれば日本が成長する」だった。
 大阪市が、市民に投票を呼びかけるための宣伝カーは、「ヒョウ柄のおばちゃん号」だった。
 そこには、なぜか「大阪市廃止」のスローガンがが描かれていた。

 大阪都構想、否決の要因は投票を呼びかけた「ヒョウ柄自動車」だった!?
 https://news.yahoo.co.jp/articles/a2c50d7478367bcc4772c9e655054e8f2e724215

 戦後の保守政治、自民党政権のスローガンは、すべて「成長、発展、前進」とかかけ声をかけて、人々を休ませず、尻を叩くものだった。
 竹中平蔵と橋下徹が共謀してつくった維新もまた、「大阪の成長のために」だった。
 もちろん、竹中を知る人たちは、また竹中が「特区大阪都構想」を私的に利用してボロ儲けするつもりだとしか思わなかっただろう。

 だが、戦後日本社会で、成長とか発展とかのうたい文句に踊らされて生きてきた日本国民にとって、そんな言葉が胸をときめかせるどころか、逆に、「いつまで性懲りもなく成長だ発展だ、と嘘をついてるんだ?」 成長や発展のかけ声で、日本人の心に本当の豊かさをもたらしたことなど一つもなかったと思うしかない。
 「我々は、成長発展して、贅沢に大量消費したいのではなく、みんなが幸せになりたいだけなんだ!」

 何によって大阪を成長させるというのか?
 維新の成長戦略と称するものは、バクチ都市化、IR計画だけだ。
 人々を狂気の依存症=バクチ病に駆り立て、人間関係を破壊し、社会を荒廃させる結果しか生まないバクチ都市化で大阪が救われるのか?
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87

 もちろん誰も信じていない。関心のあることは、その利権で、自分たちがどれほどトクするかだけだ。
 だが、新型コロナ対策で、人が集まるすべての施設、事業に規制をかけざるをえないのが実態だ。「人を集めて金儲けする」すべての企画、事業が行き詰まっているのだ。
 そこに、バクチ巨大施設を作ったって、人を狂気に駆り立て、疫病を蔓延させ、治安を悪化させ、人間社会を根底から腐敗、荒廃させることしかできない

 少しでも思慮ある人ならば、維新のIRバクチ都市の妄想が大阪を成長させるとのうたい文句は真っ赤なウソだと判断するはずで、仮にできたとしても、大阪の治安や400年を超す歴史的伝統が次々に破壊されることが一目瞭然だった。
 
 もう少し、大阪府=維新が計画している「大阪成長計画」の中身を見てみよう。
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 変貌しつつある大阪港~IRという“バクチ”で儲かるのは誰か?
 https://www.data-max.co.jp/article/36646

IRのツールは観光立国と地方創生
 IR(統合型リゾート)推進法が国会で成立したのは、2016年12月。17年7月には、IR実施法も成立した。日本政府では、IR誘致を「観光立国」と「地方創生」のためのツールとして位置づけている。

■IRの定義「カジノ施設と(1)国際会議場施設、(2)展示施設等、(3)我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演等による観光の魅力増進施設、(4)送客機能施設、(5)宿泊施設から構成される一群の施設((6)その他観光客の来訪・滞在の促進に寄与する施設を含む)であって、⺠間事業者により一体として設置・運営されるものとする」
■ 基本方針の作成、区域整備計画の認定(有効期限10年間)、カジノ事業者の毎年度の評価は、国土交通大臣が行う
■ 区域整備計画の上限は全国3カ所(認定日から7年間)
■ カジノ管理委員会によるIR事業者の免許の有効期限は3年(更新可)
■ カジノ事業者に業務方法書、利用約款、依存防止規定、犯罪収益移転防止規定の作成を義務付け(免許申請時にカジノ管理委員会が審査)
■ 入場回数を連続7日間で3回、連続28日間で10回に制限(マイナンバーカードなどによる本人確認を義務付け)
■ 日本人(日本在住者)の入場料・自治体入場料は1回(24時間)各3,000円(合計6,000円)
■ カジノ事業者からの国庫納付金は粗利益の15%+カジノ管理委員会経費負担額
■ 自治体納付金は粗利益の15%

 IRは、大阪府市のほか、横浜市、長崎県、和歌山県の4自治体が正式に名乗りを上げている。
 負の遺産「夢洲」府市、IRで再生狙う
 大阪府市は全国の自治体に先駆けて、人工島・夢洲へのIRの誘致を進めている。その狙いは、1兆円以上と試算される経済波及効果だ。その源泉はカジノ。関係者には「IRは全体としてはリゾート施設であって、カジノが占めるのは総延床面積の3%以下。一部の機能に過ぎない」という言説があるが、これはいささかミスリードが過ぎる。MICEやエンターテインメントなどの施設は、どんなに多くの面積を占めようと、収益構造を考えれば、カジノ抜きのIRは考えられないからだ。

 大阪IRをめぐっては2010年以降、大阪府がIRに関する研究会を立ち上げた後、検討会やシンポジウムなどを重ねていた経緯がある。府市が連携し、IR誘致に本格的に動き始めたのは、IR推進法の成立がきっかけ。同時に「大阪府市IR立地準備会議」を設置して課題や対応策などに関する検討を行い、候補地として「夢洲を軸とする大阪市内ベイエリア」を盛り込んだ基本コンセプト案づくりなどを進めていた。

 府市は19年12月、「大阪IR基本構想」を策定。構想では、大阪IRのコンセプトに「世界最高水準の成長型IR」を掲げ、投資規模9,300億円、年間来場者数1,500万人、年間売上高4,800億円を想定。経済波及効果として、1兆2,400億円(建設時)、7,600億円(運営時、年間)などと景気の良い数字を並べた。

 大阪府市がIR誘致に動いた背景には、長年未利用のまま取り残されていた夢洲の存在があった。「夢洲は負の遺産、大失敗した開発事業。これを有効な資産につくり変えるためのツールとして、IRを誘致したい」という思惑があった。

 府市は19年12月、民間事業者の公募を開始。20年2月、米・ラスベガスのMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックス(株)(大阪市西区)のコンソーシアムを事業者候補に選定した。今後、事業者からの提案書を審査し、9月ごろに事業者決定を行う予定だ。事業者決定がなされた後、府市は事業者と共同で、IR区域整備計画を策定。国土交通大臣に対して計画の認定申請を行うことになる。計画決定は21年8月以降の見通しだ。

MGMリゾーツ・インターナショナルは、1986年に創業。世界に27以上のカジノホテルを所有し、従業員7万8,000人以上、年間1兆円以上を売り上げる世界有数のカジノ企業。トップはジェームス・ムーレン会長&CEO。2014年に日本法人((同)日本MGMリゾーツ)を設立している。同社は19年10月、オリックスと「大阪ファースト・大阪オンリー」パートナーシップを締結。大阪への強いコミットメントをアピールした。大阪IRの事業者公募にMGM以外のカジノ企業の応募がなかったのは、MGMとの競合を避けたためとの見方もある。
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 上の説明には、夢のような数字(取らぬ狸の皮算用ともいう)が並んでいるが、年間4800億円の売り上げを見込んでいる事業主体として想定されているのが、世界最大のバクチ企業、MGMリゾーツとともに、ここでも関空同様に、竹中平蔵が取締役であるオリックスが共同で運営を担うと書かれている。

 関空の場合は、オリックスとバンシエアポート社だったが、結局、運営主体は地元の利権を独り占めする竹中平蔵の会社ということになる。現実に、関空の委託企業、勤務者の多くが竹中のパソナから派遣されている。
 まあ、バンシやMGMは、竹中平蔵オリックスの隠れ蓑というのが正しいだろう。
 計画予定地域のなかに「和歌山」という土地が書かれていることだけでも、この計画が竹中平蔵のために作られたことが、はっきりと分かる。

 竹中平蔵のパソナは、淡路島の大部分を二束三文で買い集めた。その理由は、淡路島・和歌山海峡大橋(紀淡道路)を建設して、万博会場、IR夢州、関西空港、淡路島を結ぶ、新たな一大観光産業を国や大阪府の金を利用して建設させ、儲けは自分たちがかすめ取ろうと考えていることなど一目瞭然だ。

 また竹中平蔵がダボス会議の運営メンバーで、2021年ダボス会議のテーマ「グレートリセット」の仕掛け人の一人であることを考えれば、間違いなく、関空~淡路島に「スーパーシティ」が建設されることになる。リニア駅もできるだろう。
 竹中平蔵は、全関西経済界の最強ボスになろうとしているのだ。まさに、戦後最大、最悪の「政商」の面目躍如だ。

 結局のところ、自民党が大声を上げて日本国民の尻を蹴飛ばし続けた「成長・発展」のスローガンが、何を生んだかといえば、自民党議員と、竹中平蔵の金庫の中身を増やしただけだった。

 それでは、日本国民は成長・発展路線で、何か一つでもトクしたのか?
 車は普通車が買えなくなって軽自動車ばかりになった。大学は授業料が上がりすぎて、普通の庶民の子弟には、とてもじゃないが進学できる条件はなく、就職しようとしても、有名大学以外では、パソナに登録した派遣社員がせいぜいになった。
 もう一戸建てなど作れる若者はおらず、大半がアパート住まいになった。
 これが自民党がもたらした、「成長・発展、夢の社会」のなれの果てなのだ。

 「もう欺されないぞ!」

 人間社会に、もしも「成長・発展」があるとすれば、それは同時「退化・衰退」もあるはずだ。この宇宙では、すべてのものが対等のバランスに収束してゆくからだ。
 上り坂があれば、必ず下り坂もある。それが地球の大地というものだ。
 自民党や維新は、「上り坂」ばかりを宣伝し、人々の生活が永遠に進化してゆくような幻想ばかりを口にしてきたが、現実は違う。
 世の中は、良いことばかりで成り立ってはいない。成長の次には衰退がやってくる。

 これは、長い人生を経験し、自然の摂理が見えている人にとっては、誰にでも容易に分かる真理であって、「良いことがあれば悪いことがある」という人生観がなければ、人生は破滅するしかないことを老人たちは誰でも知っている。
 調子の良いきれい事ばかり言う連中は、基本的に詐欺師なのだ。まさに、維新や自民党は、調子のよいことしか言わない詐欺師であると、大阪の人々は見抜き、だから投票に反対したのだ。

 これからの時代は「成長とか進化、発展の時代」ではない。もう日本社会のピークは前世紀末にやってきていて、それから30年間、日本という国は斜陽坂を転がり落ち続けている。
 もうバブルのような時代は、二度と訪れない。だが、維新の計画した「カジノによる成長」という妄想は、まさにバブル時代の妄想から逃れられない愚かな執着にすぎない。

 そんなことより、我々に必要な人生観・社会観は、「みんなが幸福になり、笑顔で覆われた社会にする」ことなのだ。
 IRカジノは利己主義社会の慣れの果ての破滅妄想である。我々にカジノはいらない。我々に必要なものは、人の愛に満ちた利他主義社会である。

 私は、たくさんの動物たちと、無農薬自然栽培の農場で、命の大切さを知るような人生観、社会観を育てることだと書いてきた。
 いわば「アルプスのハイジ」のような生活が、利他主義の素晴らしい社会を生むと考えてきた。

 大都会のコンピュータに囲まれた「スマートシティ=スーパーシティ」に追い立てられながら生きるのではなく、過疎の深い山中で、みんなで共同体を作って、動物たちと一緒に、のんびりと、ゆっくり生きて行くことが人間の本当の幸せをもたらすと、固く信じている。