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血も涙もない悪魔のように冷酷な経営幹部たち

2020年09月16日 | 未分類
 「非正規労働者にも退職金払え」 最高裁で大詰め(田中龍作ジャーナル)2020年9月15日
  https://tanakaryusaku.jp/2020/09/00023642

 きょう15日、労働貴族に尻を叩かれて合流した新党が都内の豪華ホテルで結成大会を麗々しく開いた。その陰で-

 「同一労働・同一賃金」の実現を求める元非正規労働者たちの訴訟が最高裁で大詰めを迎えていた。

 訴えているのは東京メトロの売店で働いていた元非正規労働者の4人だ。

 契約社員Bと呼ばれていた原告たちは、正規社員と同じ仕事をしながら時給1,000~1,100円という安い賃金で働く。年収は正規社員と比べると300万円も少ない。ボーナスも退職金も支給されない。

 手取りの月収は12万円前後。家賃、光熱費、公共料金などを払ったら、手元にはほとんど残らない。繰り返すが退職金はゼロ円だ。

 「これでどうやって生きてゆけというのか?」。

 原告たちは「同一労働・同一賃金」の原則を定めた労働契約法20条に違反するとして、雇い主のメトロコマースを相手どり東京地裁に提訴した。2014年5月のことだ。

 具体的な内容は「基本給の差額返還」「未払いボーナスの全額支給」「正社員と同じ基準による退職金の支給」などである。

 高裁では「住宅手当」「残業手当」「褒賞」の請求が認められたが、肝心要の「基本給の差額返還」請求は認められなかった。「不合理ではない」との判断だった。

 一方で退職金は原告の求める額(正社員と同じ基準による額)の4分の1について認めた。

 最高裁で争われているのは、この退職金だ。原告は全額の支払いを求める。会社側はビタ一文払う必要はないとする。

 最高裁が高裁判決を破棄し、会社側の訴えを認めれば、退職金はゼロ円となる。

 今や全労働者の4割が非正規労働者だ。その数は2,000万人を超える。ほとんどが今回の裁判の原告たちと同じ境遇だ。あすは我が身である。

 固唾を飲む最高裁判決は、10月13日に言い渡される。

 原告の一人、後呂良子さん(65歳)は「差別は死ぬまで続く」と唇を噛みしめた。

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 引用以上

 このような、労働者を待遇面で分断して、相互を反目させ、団結力、組織力を削ぐというやり方(分断支配工作)を始めたのは、中曽根康弘の極右グループであり、それを受け継いだ、小泉純一郎・竹中平蔵らの新自由主義者である。
 戦略戦術としては、徳川家康が始めた由緒あるもので、誰でも容易に本質を理解できるはずだ。

 戦後、日本はアメリカCIAの政治支配を受けた。CIA(事実上、共和党秘密工作機関といってもいい)のやり方に逆らえば、田中角栄首相とて、ロッキードの捏造した冤罪によって権力を奪われ、座敷牢に閉じ込められて死を待つような身分に墜とされた。

 CIAが、もっとも敵視したのが、国鉄をはじめとする、日本の鉄道産業の労働者たちであった。
 上の引用は、東京メトロではあるが、鉄道労働者に対するCIAによる分断工作の典型例ともいえよう。以下は、最大組織の国鉄を取り上げる。
 
 1987年、中曽根政権において、最大の政治課題として「国鉄民営化」が俎上に上り、27万人いた職員のうち、20万人だけがJRに移行した。
 残された7万人は、離職を強いられ、とりわけ旧国鉄労働組合の活動家と目された者は、激しく疎外され、新組織から選別追放され、道を自分で切り開かねばならなかった。

 1947年に再編された「戦後国鉄」では、帰還兵の受け皿とされたこともあって、40万人以上の巨大な組織になっていて、社会主義宣伝の影響を受けた労働運動も非常に活発だった。
 ところが、GHQやCIAに「左翼の巣窟」と睨まれた国鉄労働組合は、当時、ケネディ大統領でさえ暗殺したほどのアメリカ秘密諜報機関によって、恐ろしい陰謀の標的にされた。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84%E4%B8%89%E5%A4%A7%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 下山事件・松川事件・三鷹事件という奇っ怪な陰謀事件によって、国労(そして総評)は大打撃を受け、組織力は大きく落ちて、経営側にいいように弄ばれ、40万人の総人員は、解体当時、27万人まで激減していた。

 この「国鉄三大ミステリー事件」については、たくさんの遺留証拠もあり、具体的な犯人像まで報告されている。現在では、笹川良一・児玉誉士夫・米軍キャノン機関の名前が浮上している。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%8E%E3%83%B3%E6%A9%9F%E9%96%A2

 実は、私の実父は、徴兵されてビルマ戦線(インパール作戦)から帰還後、古巣の国鉄に戻り、SL機関士を勤めながら、国労愛知の書記長に就任していた。
 だが、マルセイ運動の頃は、愛労評の事務局長になっていたので、若干国鉄から縁遠くなっていたが、戦後、国鉄と労働運動の誕生から死滅までを身近に思い知らされた人間である。

 1987年には、自分の半生の居場所であり、家族そのものであった国鉄が消えた。ちょうど、このとき経団連が秘密裏に総評を解体する陰謀によって作り出した「連合」が登場し、数年後には自分たちが苦労して生み出した総評(愛労評)まで、連合に食い潰されて消えてしまった。

 実父は、当時、すでに60才代で、現役からは縁遠くなっていて、残酷に崩れゆく労働側の根城を見せつけられ、空しさを噛みしめていたはずだが、私に言わせれば「自業自得」なのだ。

 こうした体制側の陰謀に対抗できなかった理由を考えると、実父の姿を見ていて「これでは当然」と思わせるものがあったということだ。
 実父は、労働運動の指導者としてちやほやされて、公職にも就き、大きな名誉を得た。(と本人は思い込んでいた)
 そして、その権力、立場に近づいてきた者によって、たくさんの利権を得た。父の死後、その資産は多くはないが、子供たちは、少なくとも負の遺産に苦しまずにすんでいる。

 車は60年代にフォルクスワーゲンという外車になり、外に愛人も作った。母によれば、私の異母弟にあたる子供まで作ったらしい。(未邂逅だが)
 1970年段階には、総評をはじめとする日本労働運動は、腐敗し、父も「労働貴族」化していた現実を、子供心に強い不信感を抱かざるを得なかった。
 愛人の元に走った父により、母は、体調を悪化させて病気になってしまった。

 これらは、最初に引用した「東京メトロ」非正規社員の労働問題と、直接は関係ないのだが、戦後、基幹産業としての鉄道事業における労組の雰囲気を知るために、事実を書き留めておかねばならないと考えた。
 東京メトロは、東京都の地下鉄事業団ではあるが、全国の鉄道事業は、どこも似たり寄ったりの問題を抱え込み、同じ時代の矛盾を抱えていたから、なんとなく雰囲気を理解していただければと思う。

 共通点は、「労働運動」であり、その腐敗プロセスである。組合幹部が労働貴族に堕落しなかったなら、こんな事件は起きなかった。
 私は、東京メトロを見ていて、冒頭の訴訟を起こした原告らの労働条件は労働契約法20条の完全な違反行為なのに、なぜ、当初、企業側も組合も、これを容認したのかについて得体の知れない不快感に包まれる。

 【労働契約法第20条】
 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet07.pdf

 条文を読めば、2013年、公布後、すみやかに是正されなければならないが、二審判決は、この法律を完全に無視している。
 最高裁判決でも、これを無視するならば、日本の司法秩序は、完全崩壊するといってよい。

 本日は、この東京メトロ非正規職員と、大阪医科大の二つについて最高裁が弁論を招請したことで、二審判決が見直される公算が非常に大きい。
 https://www.sankei.com/affairs/news/200728/afr2007280029-n1.html
 しかし、安倍政権が任命した、最高裁の腐敗裁判官が、20条を完全に正当に履行する可能性は低いかも知れない。

 私が表題に「血も涙もない経営陣」と書いた理由がおわかりいただけない人は、もう永遠に我々の価値観と邂逅することもないと思った方がいい。
 人は、いつでも平等を求めている。例え、自分の立場が有利で恵まれたものであっても、何もかも忌憚なく話せて、平等に愛を交換し、支え合ってゆけるためには、相手を見下すような立場を捨てなければならない。

 そんな労働者を、もっとも根底で分断し、反目させて組織力を削ぐのが「分断支配」であり、労働者にあからさまな差別を持ち込む手口である。
 東京メトロは、まさに、それをやった。

 そんな理不尽な環境に置かれた、原告たちの残酷な生活苦と憤懣は、身に染みて理解できる。
 そして、労組は、そんな分断支配と真正面から戦えなくなっていた。それは幹部たちに労働貴族優遇への魔手が忍び寄っていたからだ。

 これは、竹中平蔵による全国民多重分断の手口である。北朝鮮では、人民に51階級を持ち込んで、選別し、互いに劣等感、優越感、不信感を抱かせ、それを統合するのが、儒教による封建国家主義であり、「首領様が、人民をお救いいただく」という依存心のカタマリ、主体性の放棄を人々に押しつけることで、金王朝という封建国家を成立させている。

 竹中平蔵も、新自由主義を持ち込むことで、全国民の格差・差別・選別を極限にまで追い詰め、これによって人々の団結を阻み、国民内部を怨嗟と敵対感情で押し包んだ。
 家康が作り出した「二分化政策」は、有力な組織、武家・僧侶・神職・職人に至るまで、あらゆる組織を二つに分けて、互いに反目させて争わせ、上に立って調停するフリをしながら権力が統治を安定させるというスタイルだった。

 中曽根康弘・小泉純一郎・竹中平蔵らは、アメリカの薫陶を受けた新自由主義者であり、そのエッセンスは、国民内部に格差と対立を作って、これを調停するフリをしながら統治するというものであり、労働者の組織化を阻むのに、これほど有効な対策はない。

 労働者が連帯するためには、何よりも「平等」でなければならないのだ。
 これがあって、初めて、人々は隣人を信頼できるようになる。「苦楽をともにする仲間」という連帯意識が成立していないと、新自由主義の格差体制に立ち向かうことはできない。
 みんなが好き勝手に「金儲けの自由」なんて新自由主義思想に染まってしまえば、東京メトロのような事例が数に出てきて、あらゆる人々が「カラスの勝手でしょ」思想に染まって、民衆国家は崩壊してゆくのである。

 こんな血も涙もない経営を許せば、間違いなく日本の未来は存在しない!