リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

初台リハビリテーション病院

2006年09月11日 | Weblog
回復期立ち上げメンバーの精鋭(?)とともに回復期リハ病棟のひとつの到達点としてのモデル、初台リハビテーション病院を見学。

団塊の世代が引退し、脳血管障害の好発年齢に突入するに当たって急性期、回復期維持期の連携モデルをつくるために看板塔としてリハ医療の過疎地、東京のど真ん中に作った回復期リハのモデル病院。回復期リハ病棟の産みの親といわれる石川誠らの砦だ。小さなビルだがそこへのマンパワーの集積ぶりはすごい。全国から見学にくる病院関係者も相当多いようでPRや案内もなれたものだ。(参考:東京へ、この国へリハの風を! )石川誠らの考える回復期リハ病棟のモデルルーム、ショールーム的な役割を担っているのだろう。

組織のデザイン、情報共有を主目的とした電子カルテシステムのインターフェイス、どの職種も同じユニホーム(方のところにマジックテープで止めるタグが違う。)、病院のつくりなどのデザインもチーム医療による生活の場でのリハビリという一貫した思想によって貫かれている。

あちちこちに病院らしくなさがあふれている。エントランスはシティホテルや美術館のよう。スタッフエリアは先進的なIT企業のよう(カフェテリアやフリーアドレス制の導入など。)、リハ室はスポーツクラブのようであった。

 患者は脳血管障害の回復期がほとんど(整形は受け入れず。)で、発症2ヶ月以内~6ヶ月までの脳卒中回復期にこの病院でリハができるのは、宝くじが当たるようなものだというくらい人気の高い病院。

 しかし農村の高齢者には居心地は決してよくないだろうとも思う。毎日がホテル+レストラン+美術館+スポーツジムでは疲れてしまわないか?合宿期間中だからいいのか?

患者さんに対してはホスピタリティあふれているが、スタッフ間のタイムマネジメントや情報のやり取りなどにピリッとした雰囲気がただよう。

刺激とアイディアをたくさんもらって受けて帰って来た。

 しかし地域住民による地域住民のための地域拠点病院である田舎の大病院である佐久病院で同じようにはできないだろう。どんな大変な人でも最期までささえなくてはならない。維持期(むしろ生活期とよびたい。)との連携は、地域での生活や看取りまでささえていいる、「地域ケア科」や小海分院、地域診療所や福祉との連携のとりやすい佐久ではmより小回りの効いた別の展開ができるだろうう。(近森病院に近いモデルか。)

ソフト、ハード、人ともに圧倒的に乏しいリソースで人事権も予算もないところからの出発だがとにかく動き始めた。ここから出発するしかない。

「なんだかこれまでは気が重かったけど、わくわくしてきました。」

という若いリハスタッフの言葉が聞けたのが一番の収穫。
自分も同じ気持ちだ。ついた火を消さずに風を送り、薪をくべ、どのように大きく燃え上がらせていくか。
他のチームメンバーにどのようにこの興奮を伝えていき、モチベーションを上げ、システムとしてまとめあげていくか・・・。

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