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精神科医師のブログ。
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やる気あるのだろうか?TPP反対で当選した自民党議員達は。

2013年03月19日 | Weblog
前回のエントリー(TPPをめぐる自民党内の動き)のあと安倍総理が3月16日にTPP交渉参加表明をしました。

地元選出の務台俊介議員に自民党の公約違反に対する抗議、および今後の対応についてメールで問い合わせました。
特に「議員総会で6項目が保持できない場合、『脱退することも辞さない』ではなく『脱退する』とどうして確約させられなかったのですか?その総会で務台議員はどのような発言をされたのでしょうか。」
とお尋ねしましたところ早速次のようなお返事をいただきました。



「手厳しい指摘ですが、おっしゃることの懸念については、私も共有します。
安倍総理を信用するしかないでしょう。
今日の党大会で、公約を破ったらどうなるか分かっていると、安倍総理も石破幹事長が口をそろえて言っています。
安倍総理の聖域保持の思いは確かだと私は感じました。
私自身も21分野の作業グループに属し、政府の交渉を国会の立場で監視して行きます。
今の段階で公約違反を犯したと言明するにはまだ早いと思います。
総会では、多くの人が私の思いと同じ発言をしており、私自身は発言までは至りませんでした。別の場で十分発言する機会はあります。
NHKという言葉があるのだそうですね。長野、北海道、熊本が強烈な反対運動をしているという趣旨です。
ところで、一連のJAの対応については、私はボタンの掛け違いがあると思います。
2009年の選挙の際には、農産物を含めた貿易自由化と農家の個別所得補償をセットで民主党が公約を行い、私がその危険性を訴えたのに、JAは民主党を支持しました。今回も、民主党候補と私は同列の支持でした。
その民主党が、普天間の付けをTPPで譲ろうとしたことから今回の展開に繋がっています。
私はそれでもなお、個人としての思いからTPP慎重論を展開して行きますが、政権党の一員であることから大きな枠組みの中での聖域保持に全力を傾注するしかありません。
昨晩お会いした、前安曇野医師会長は、TPP賛成でした。びっくりしました。
TPPに関しては、樋端さんのような反対論が大きな声になっていない懸念を感じます。
もっと大きな声をあげてください。私たちが活動しやすいように。


しかし釈然としない回答です。

今からTPP交渉参加しても自民党が掲げた全6項目の保持は困難であり国益および主権を損じることは明らかです。
そのようなものに参加表明などしないことが一番国益にかない安全保障となります。
本当に安全保障を考えるというのならFood、Energy、Careは地域圏内で可能な限り自給すべきなのです。(キューバのように)

自民党が選挙前に国民としたTPP交渉参加に関し6項目の約束は以下のようなものです。

(1)「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対。
(2)自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
(3)国民皆保険制度を守る。
(4)食の安全安心の基準を守る。
(5)国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
(6)政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる

それなのに安倍首相も(2)~(6)に関してはほとんど言及せず(1)の関税のことしか話していません。
(1)にしろそもそもTPPに関して交渉権のない米オバマ大統領が「聖域なき関税撤廃を前提とするものではない」と言ったところで何の意味もない共同宣言でした。


この約束が、2013年3月13日の自民党議員総会での決議では

 一、重要5品目(コメ、乳製品など)を関税撤廃の例外とする
 一、国民皆保険制度の堅持
 一、「聖域」が確保できない場合は交渉脱退も辞さず
 一、十分な情報を国民に提示

といつの間にか重要項目がどんどん抜け落ちていきます。

こんなウソばっかりの状況なのに政府も大手マスコミも国民と約束した「聖域はまもられる目処がたったからTPP交渉に参加するのだ」と、TPP交渉参加→TPP批准が既定路線かのように既成事実化をすすめています。

なんとも国民を馬鹿にした話です。
そして既存の参加国の承認、国会での批准など実際の参加までには長い道のりがあるのですがもう参加することが決まったようなお祭り報道です。

つくづく世論を誘導する大手メディアの罪は大きいと思います。
ゲリラ的にネットメディアやローカルメディアを活用するしかないですが、TPP、ACTA(著作権侵害の非親告罪化)などが批准されるとそのようなことすら困難になります。

  

あきらかにおかしな動きですが、このような反民主主義的な動き(コーポラティズム)に対して対抗していく鍵となるのはTPP反対を訴えて当選した自民党議員のはずです。
しかし務台俊介議員を始め、TPP反対を公約に掲げて当選した自民党議員の方々にはどうも本気度が感じらず、その言説も詭弁にしかみえないのです。

一体なんのための政治家なのでしょうか?

当然、私たちは私たちとして声をあげ、私たちにできる動きをします。
しかし議員は私たちの代表でありメディア(媒介)なのですから、市民の声が政策に反映されるように中央での活動をしていただかなければ困ります。
もし交渉へ参加したとしても主権や国益を損ずるものであるかぎり(ほぼそのような内容であり交渉の余地がないのですから今から交渉に参加すること自体ナンセンスですが)、TPP批准に対しては絶対に反対してもらわなければいけません。
反対勢力をまとめて離党したり、超党派で結束し内閣不信任を提出するくらいの動きを見せていただきたいものです。

TPP反対派の人はまずTPP反対を訴えて当選した自民党議員にはしっかりと抗議しましょう。
選挙での投票だけが政治参加ではありませんよ。目を離していてはいけません。
政府は必ずウソをつくのですから。

それとも安倍総理や議員にはどう考えて6項目の約束を守れそうもないTPP交渉にあえて参加表明し、しかるのちに撤退する深い考えや秘策があるのでしょうか?
(国民的議論を巻き起こし国民に民主主義や政治、国のあり方について考えてもらうというというような・・。)

つづきはこちら→TPP反対で当選した国会議員のTPPに対する認識。

務台俊介議員にはこちらから意見できます。
長野2区の方は是非意見表明を。(それ以外の方は自分の選挙区の議員に是非意見表明を)


◆◆参考リンク◆◆

TPP反対派の議員はなぜ自民党に居るのか?


TPP交渉参加直前の自民党議員たちのサル芝居

ざまぁみやがれい。>TPP医療制度・国民皆保険崩壊のシナリオ 堤未果


 →報道ステーションサンデー
 
 →必見!!真実は闇の中・・・政府は必ずウソをつく?



政府は必ず嘘をつく――アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること (角川SSC新書)
堤 未果
角川マガジンズ

99%の人の必読の書。

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