皆さんに数えてもらったタネの数と、対象とした樹木から落ちたタネを私の方で数え直したのが下の図です。ハゼノキは外から運び込まれたのが11.8%でしたが、その中でトウネズミモチが多くありました。トウネズミモチは96%がトウネズミモチで、エノキは運び込みが13.8%でした。つまり大体9割がたがその木から落ちてきたもの、1割ほどが外から運び込まれたものだったということです。
それを数字で示したのが下の表で、上の3つは調べた木そのもののタネで上から落ちてきたものです。それ以下のものが運び込まれたもので20種ほどがありました。木ごとに見ると、ハゼノキが14種、トウネズミモチとエノキは10種でした。ハゼノキではトウネズミモチが、トウネズミモチではマンリョウが、エノキではイヌツゲが多いのが目立ちました。
外から運び込まれた種子のほとんどは鳥が食べるタイプのものでしたが、ケヤキだけは風で飛んできたものです。鳥や哺乳類が食べて運ぶのは多肉果と呼ばれる、食べておいしい果実です。多くのものはジューシーですが、ハゼノキは水気はなくて脂質が豊富なので、エネルギーを必要とする鳥類が食べます。センダンなどもそのタイプです。鳥は目がいいので、目立つ赤系の色や黒系の色の果実が多く、多くのものは直径6,7ミリで鳥がひと飲みできるものが多いです。
この調査は、こういう果実が都市の緑地で鳥に食べられて種子を運んでもらっている(あるいは運ばせている)ことの実態を示したことになります。
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