おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備工場の賃金水準からみた労働力対策です。
整備業の場合、社員の月例給与の支給額を考えるとき、何が基になるかといえば、一般的には「標準生計費」を使う。
標準生計費とは、人事院が公務員の給与を決める際に示す、賃金水準だ。
この標準生計費は、総務庁の「家計調査」に基づき、1か月の標準的な生計費について下記のとおり5つの費目別に算定したものだ。
・食料費 ――――― 食料
・住居関係費 ―――住居、光熱・水道、家具・家事用品
・被服、履物費 ――被服及び履物
・雑費1――――― 保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽
・雑費2―――――その他の消費支出(諸雑費、こづかい、交際費、仕送り金)
因みに、平成21年4月の東京都の4人世帯の場合の標準生計費は、下記のとおりである。
・食料費――――69,210円
・住居関係費――57,090円
・被服、履物費―12,880円
・雑費1――――113,480円
・雑費2――――28,630円
・合計――――281,290円(支給額、ここから税金等控除される)
少し余裕を持って生活するには「愉快生計費」という指標があり、4人世帯の場合は、合計額に「1.48」を乗じた額となる。
逆に、ギリギリの生活は「生存生計費」という指標があり、4人世帯では合計額に「0.52」を乗じた額だ。
愉快生計費と生存生計費の中間より下のクラスに「最低生計費」という指標がある。
この指数は「0.8」を乗じた額になる。どの指標をベースにするかは、経営者の考え方によるが、
普通は「愉快生計費」に近い指標で十分に報いたいと思う。が、現実は原資との関係だから、思うに任せない部分もあることと思う。
上記の標準生計費を、整備要員の業態別賃金(H20年6月実績)と比べると、次のようになる。
■東京都標準生計費=281,290円×15か月=4,219,350円(賞与を3か月分とした場合の支給総額)
□整備専業店: 3,472,000円(47.1才)
□整備兼業点: 3,763,000円(42.6才)
□ディーラー : 4,135,000円(32.1才)
H21年とH20年との比較であり、また4人世帯であるかどうか不明ではあるが、残念ながら、
どの業態も東京都の標準生計費に満たない額となった。
賃金は、不満要因で、動機付け要因にはならないとされている。
だからと言って、何時までも世間よりも低水準では、不満どころではなく「退職」にまで発展しかねない。
こうしたところからも労働力確保の対策を講じる必要があるのではないだろうか。
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