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自整業の地域密着経営のすすめー3.地域密着経営に必要な要件

2011年05月25日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自整業の地域密着経営のすすめー3.地域密着経営に必要な要件、です。

地域密着(個客密着)の狙いは生涯取引=バリューチェーンである。
そのためには、個別にメンテナンス計画を立て、それを提案し、来店時には
フレンドリーに対応することだ。

このことから個客密着に必要な要件は、二つある。一つは、個客の属性を把握すること。
もう一つは、取引履歴を把握することだ。

個客属性とは、クルマの用途、走行距離、メンテナンス履歴などのクルマの情報と、
趣味、特技、誕生日、好きな色・タレント、嗜好品、家族構成、勤務先・所属・役職
など個人的情報のことである。

特に大事なのは、フレンドリーな対応ができる個人的情報だ。
お客さまの性格や趣味を踏まえ、親しく和やかに応対できなければならない。

先日、ある地方の小さなスーパーの繁盛の秘訣を紹介したテレビ番組があった。
それによると、他のスーパーよりも品揃えが不十分、値段は安くもないのに地域のお客さまに
人気があり、連日にぎわっているという。

レジでレジ係りが、〇〇様合計〇〇円です、と言ってお客さまの名前を呼びながら
会計をしている。なんとレジを通るお客さまの70%を名前で呼んでいた。
何人の来店客があるか良く分からないが、70%の人の顔と名前を覚えているのには、感動さえ覚えた。

品揃えも、地域の旬のモノしか基本的に並べないそうだ。
そのため、他の一般的なスーパーに並ばないような、魚介類や野菜がこのお店では売られている。

これも、あえて旬のモノしか並べないという。その理由は、二つあって季節感を感じて欲しいことと、
昔からあった地域の季節料理を家庭で作って食べてほしいという願いからだそうだ。
地域密着を図ることで、他の競合店と差別化を可能にしている。だから、流行っているのだ。

小さからこそできる特徴を、上手に生かした生き残り戦略だ。
小さいから、品揃えや値段では勝てない部分は、あえて避けて別な「土俵」を作り、
その土俵で勝負をしているのだ。

学んでほしいのは、品揃えの哲学と個客対応のフレンドリーさである。
名前を読んで対応するという部分は、整備工場でも十分できることだ。

整備工場の場合は、一日の来店客はスーパーほど多くないし、一人のお客さまに割ける時間も
多いと思うので、スーパーよりもっとフレンドリーな接客ができるし、提案ができる。

社員一人一人が顧客意識をしっかりもつために、お客さまを名前で呼ぶ。
名前を覚えるということは、その人の顔を覚えることになる。それが元で、「今日はまた一段と顔色がいいですねー」
など発展・活用していく。

これが大事なのだ。
こうした意識と行動が取れる社員の育成こそが、個客密着の重要な要件と言える。

個客の情報はコンピュータに記録することはできても、それを使うだけの社員の技量がなかったら、
情報は宝の持ち腐れとなる。つまり、情報を活かせる社員がいてこそ地域密着経営が成り立つのだ。


株式会社ティオ
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