気ままな旅


自分好みの歩みと共に・・

たかが、墓なれど…風雲ときを告ぐ!

2017-12-10 13:00:57 | エッセイ

  日増しに寒さが厳しくなってきた数日前の或る晩のこと。

 いつもより早い夕食もすませ、少しばかり睡魔に襲われ早くも自室の椅子にもたれ掛かり、うたた寝をしていた。 どれ位過ぎたのか、机の上の子機が鳴った。 

受話器を取ると久し振りに直ぐ下の弟からだった。 「久しぶりだな。どうした、みんな元気か・・・」すると弟は「兄貴の方は皆さん元気か・・・」「ところで友人から相談を受けた話なんだだけど・・・墓の埋葬の話なんだ」

それから延々と話は続いた。「そう言えば兄貴の処も同じ環境なのかな」と言いだした。 そう言われればそうだと気がついた。 

話と言うのは弟の友人は次男坊で、子供が独立し夫婦ふたりだけになりしかも、独立した息子はいるが子どもがいない。そこで友人は先祖の墓に兄と兄弟仲良く埋葬になろうと言う話であった。 子供のいない息子も墓を持つ気がない。 しかも、先祖の墓を継いでいる兄にも息子はいるが孫の代に娘しかいなくなる。脈々と続いた墓も跡取り問題が難しくなるのは必至だ。更に墓を返納となると本来埋葬されない次男の遺骨引き取り手がいない。墓がなく子がいなく・・・。 

そう言えば、お盆の時、息子に連れられ先祖の墓参りに行ったときに気づいたのは、両サイドの墓が消滅されて整理されていたのを想いだした。

「他人ごとではないな、我が家は息子がいるものの次の孫の代になると娘ふたりだ。 娘のところに男はいるにはいる。 アメリカ国籍の孫息子だ。予め対策をしておかないと後2代で消滅は明らかだな」「永代供養墓にするか、それとも散骨かな・・・」と弟と苦笑した。

天から突然降って来た話だが、大事な話だ。 我が家にも現存する跡取りはいるが孫娘である。内孫娘はまだ6歳と1歳と小さい。やれやれ爺のやることは、まだまだ山積している。

外の陽射しは明るい。 散歩にも出かけてみようかと言う気になった。

終わり